■最後の1日になった。荻野さんは昨日の残りだと言ってパスタをだしてくれた。ゆっくりしてカルタゴにでかける。着くと雨だった。しまった傘をわすれた。たいした降りではなかったが通りの角のパン屋さんでケーキを注文して雨宿り。
方向がわからなかったので地球の歩き方の地図を見ながら歩くが何かおかしい。中央公園とその隣の教会跡も見つけたが地図にあるはずの郵便局、市場がわからない。まあいいや、とにかくロスアンヘルス教会さえ行けば他に見るところはないのだからとずっと歩いて街のはずれに来たが、あるはずの教会がないのだ。通りがかりのおばあちゃんに聞いたら反対側の今来た方向へ2kmだという。
おばあちゃんはすごく親切にタクシーをとめてくれようとするがなかなか見つからない。すると、道の反対側の屋台で新聞を売っていた2人の男にタクシーをとめてロスアンへレス教会につれていくように頼んで去っていった。タクシーはなかなか来ない。すると1人の男はちょっと待てと言って自分の携帯でタクシー会社に電話してタクシーを呼んだ。それでもなかなか来ない。空のタクシーが来ても今呼んだからちょっと待て、というわけで、、ま、僕も急ぐ旅でもなくせっかくの好意だからと思ってスペイン語はできないふりをしていたが、、あんまり来ないのでまた電話して近くを通りかかったタクシーに押し込んでくれた。
そしてようやく白いきれいな教会の前に、、そして地図の通りの方角が全く間違っているらしいことに気づいた。場所が間違っているというようなことではなく。通りの番号のつけかたから間違っている。これじゃあ使えないよ!
教会にはたくさんの人が集まっていて前の広場で写真を撮ったり、しゃべったりしている。もう巡礼ははじまっているようだ。自分の家からここまで歩いてきて神の祝福をうけるのだという。教会の隣にはテントが設営されていて救護チームが待機している。教会の中には自由に入れるようで後で聞くと何度持ち帰っても元の場所にもどってしまうというのでその場所に教会をたてたというこの奇跡を呼ぶ黒い聖母像をここで見ることもできたようだ。教会の入口から、跪いて聖堂の奥まですすむ人の列が続いている。
ようやくサンホセ行きのバスターミナルを見つけて帰ることになったがそれまでに何回か人に道を聞いた。ここの人はここを300m行って右に25mなどとちゃんと距離をいう。これもここに住所がないことからくることかなぁと思った。なたあるパン屋さんでコーヒーを飲んでトイレを借りたところ、トイレにでっかい鍵がついていて100c(20円)をまるで公衆電話のコインを入れるような装置が着いている。コーヒーを頼んだので店の人がコインを入れてはくれたが、、。サンホセに着いた時はすっかり疲れて眠り込んでいたので起こされた。
お土産にブリット社のチョコレートキットが欲しかったのでいつも朝食でつかう雑貨スーパーへ行ったら売っていた。空港で買うとばか高いという。残ったコロンをドルに換金しようとCITIBankへ行く。例によってサイドバックを空けて帽子をとってセキュリティチェックをうけ、番号札を機械から取ってカウンター前の座席に座って順番を待つ。
帰るとはおみとロシと荻原さんが待っていてくれた。夕食はハンバーグ2種類。自己流だというが、彼は料理がうまい。ロシ。なおみと近くのスーパーで明日の朝昼食事の準備の材料などを買いに行った。暗い道路で交通量もあるのだがほとんど横断歩道がない。信号機がほとんどないのだ。皆運転は乱暴であぶない。道路の横断には上海をうわまわる技術が求められる。近くのスーパーへ夜買い物に行くのも命がけだ。たいていのスーパーは夜の12時まで開いている。
なおみが寝静まったあと3人でお酒をのみながら雑談するのがたのしい。昨日、ロシとなおみがお金持ちのイタリア人の所へあそびにいった話になった。ニコヤ半島の太平洋側のゾートホテルの投資家だそうで自家用機だけでも3機持っているそうで年に何ヶ月か遊びに来ると言う。そのあたりは10年前は何もなかったところだそうだ。そういえばVictoria先生のまた別の妹さんのご主人もアレナル火山の温泉リゾートホテルの経営者だとか、、。
この国はスイスと同じ永世中立国でアメリカの信頼を得ながらも政治的に距離を維持して多数の中南米の独裁者の政治亡命を認めるなどしたたかな外交力で最近のエコツアーブーム観光投資を強力に推進している。中南米のドラッグマネーのマネーロンダリングの中継基地になっているようで、個人の銀行口座の開設も難しくなっているそうだ。ノーベル賞をとったアリアス大統領が親米政策の舵を切って中国本土の出資を受け入れたために今このあたりには中国資本の商業ビル建設のラッシュで朝はもう4時ごろからニカラグア人労働者が仕事に出かけるのでバスが動いてうるさくなっている。ここサバナ公園の開閉式天井の巨大ドームの国立運動場も中国のプレゼントだ。
宿の近くで夜間工事が進んでいる土地はバチカンの所有だそうで何を造っているのかわからない。イタリア人富豪にかわいがれれているロシが好きで聞いているのがアンディウイリアムスが歌うゴッドファーザーだったりして、、イタリアンマフィアとバチカンが、、この闇のオフショアビジネスの国で、、とかなんとか勝手に想像したりして、、、。
隣のニカラグアでは中国資本が運河を開設する計画が現在すすんでいるという。これはパナマ運河が出来る前からもあった計画で、ニカラグアでその一部を日本企業が分担していたことは荻原さんが通訳の仕事で経験していたそうだ。そもそもパナマ運河とはスエズ運河を造ったレセップスが始めたが失敗して放り出したものをアメリカが引き継いで、反対するコロンビア政府から取り上げるために独立させる形で造ったのがパナマという国である。パナマという国は昔はコロンビアの一部だったのだ。この長年のアメリカ利権に反対するパナマの歴史でようやく運河拡張をなしとげたばかりのパナマと、振興の中国資本では勝負にならないなぁ。
米国のインテルはコスタリカに進出したのに、日本企業と言えはコスタリカから後退するばかり。あぁ。