11月9日に試し掘りした赤ネギ(左)と九条太ネギ(右)
11月上旬の冬ネギ畑。左から下仁田ネギ、九条太ネギ、赤ネギ
ネギは冬ネギにかぎる。それも12月から2月の厳寒期、とくに1月がうまい。ずっとそう思いこんできた。ところがいまの時期、育成中の11月の冬ネギを食べてみた。味はまんざらでもなかったという話。
ネギは冬ネギだけを作っている。それ以外の季節は買ったものを食べる。うまいとはいえない。最近買ってきたネギにはまいった。かたくて筋っぽく、ガリガリとした食感で食べられたものではなかった。そのネギを買ってきた張本人のかみさんだってさすがにこれはまずいと思ったのだろう。
「畑のネギはもう食べられるんじゃない」
「いやだめだ。まだはやい」
「それでいいから」
「味の保障はしないよ」
ことしも冬ネギは下仁田ネギ、赤ネギ、九条太ネギの3種。さいごの土寄せを終えて12月からの収穫を待つだけになっていた。
気がすすまないのだが、それなら試しに掘り出してみるか。下仁田ネギはたぶんまだガリガリだろうから、ここは無難に赤ネギと九条太ネギを食べてみることにしよう。すでに土寄せの成果が出て白いところ(葉鞘部)が長く伸びている。見た目にはいま収穫してもおかしくない。
11月の冬ネギなんて食べるにはまだ早いと期待しなかった。ところがこれが食べられた。意外だった。買ってきたネギよりもずっとやわらかくうまかった。これなら食べられるとうなずいて食べていた。
しかし冬ネギ本来のあのとろりとした味には遠かった。野菜全般にいえることだが、同じ野菜をある期間食べ続けていると、うまい!と感じ入るときが来る。これが旬ということになるのだろう。冬ネギでいえば12月中下旬からそうなる、と思いこんでいる。