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30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

夏の終わりにイチジクジャム

2013-08-31 | ジャム

この夏、かみさんが日本百名山を達成した。百座目は北アルプスの薬師岳。室堂から入山して8月28日にその頂を踏んだ。百名山を意識したのは50代半ばを過ぎたころで、そのころ百名山をチェックしたところ40座ぐらいあった。これなら残りの人生で登れるのではないかと目標を百名山に定めたようだ。
その日は薬師岳直下の薬師岳山荘に泊まった。百名山達成を聞いた宿の主人から
、お酒2本と記念のバンダナを贈られ、登山者のみなさんが祝ってくれたという。
わたしにもその酒を2本買ってきてくれた。純米吟醸「薬師岳」。醸造元は富山市の富美菊酒造。あの「羽根屋」をつくっている酒屋だ。300mlで1300円というのだから、いい酒でないはずがない。

 


 わたしのジャムづくりにイチジクジャムが加わった。

イチジクをいただいた。食べきれないのでジャムにした。
イチジクを使うのは
はじめてだ。
このジャムはもちろん食べたことはある。好きな味だから以前から作りたいと思っていた。
作り方をネットで見る。きわめて簡単で、あっというまにできてしまうようだ。これではわたしの腕前?が発揮できない。意欲もわかない。しかし私が作るよといった手前、やらなけれならない。

まず皮をむく。量ると550グラムあった。

これを切り、砂糖とレモンを入れて小一時間ほど置くと水分が出てくる。意外と出てくるものである。

これ煮詰めるだけだ。砂糖はお好み。わたしはできるだけ少なくするが今回は40%近く入れてしまった。
アクをよく取る。



20分ほど煮詰めて、ほんとにあっというまにできてしまった。
30分ほど台所に立てばできてしまう。
イチジクジャムは以前はかみさんが作っていた。うまいジャムだなと思っていた。
やっとわたしの番になったのだが、イチジクジャムを作ったという実感がないまま、短時間に簡単にできてしまった。
味はいい。手早く仕上げただけに、イチジクの味が生きている。


 2013年の読書 

2013年8月の読書
・島へ免許を取りに行く (星野博美著・集英社)
・色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(村上春樹著・文藝春秋)
・絶海の孤島 (カベルナリア吉田著・ イカロス出版)

2013年7月の読書
・コリーニ事件(フェルディナント フォン シーラッハ著・東京創元社)
・巨鯨の海(伊東潤著・光文社)
・果つる底なき(池井戸潤著・ 講談社)
・心(夏目漱石著・岩波書店)
 

2013年6月の読書

・特捜部Q ―カルテ番号64― (ユッシ・エーズラ・オールスン 著・ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

2013年5月の読書
・山靴の画文ヤ 辻まことのこと(駒村吉重著・山川出版社)
・夢幻の山旅 (西木正明著・中央公論社)
・永遠の0(ゼロ)(百田尚樹著・太田出版)

2013年4月の読書
・火山のふもとで(松家仁之著・新潮社)
・陽子の一日(南木佳士 著・ 文藝春秋)
・戦後史の正体 (孫崎享著・創元社) 

2013年3月の読書
・無罪 INNOCENT(スコット・トゥロー著・文藝春秋)
・談志が死んだ(立川談四楼著・新潮社)
・影法師 (百田尚樹著・講談社)

 2013年2月の読書
・原発のコスト―エネルギー転換への視点(大島堅一著・岩波新書) 
・わたしがいなかった街で(柴崎友香著・新潮社)
・ウエストウイング(津村記久子著・朝日新聞出版)
・ホテルローヤル(桜木紫乃著・集英社)
・小さいおうち(中島京子著・文藝春秋)
・漂流記の魅力(吉村昭著・新潮新書)
・漂流(吉村昭著・新潮社)
・牛を屠る(佐川光晴著・解放出版社)

 2013年1月の読書
・ナメクジの言い分 (岩波科学ライブラリー)(足立則夫著・岩波書店)
・大いなる眠り (レイモンド チャンドラー著、村上春樹訳・早川書房)
・父、断章(辻原 登著・新潮社)
・東電OL事件( 読売新聞社会部著・ 中央公論新社) 
・ポトスライムの舟(津村記久子著・講談社) 
・やりたいことは二度寝だけ(津村記久子著・講談社)
・エンジェルフライト 国際霊柩送還士(佐々 涼子著・集英社) 


 2012年の読書
2012年12月の読書
・カラマーゾフの兄弟2 (ドストエフスキー著, 亀山 郁夫訳・光文社古典新訳文庫) 
・湿地(アーナルデュル・インドリダソン著・東京創元社)  
・アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極(角幡唯介著・集英社)
・探検家、36歳の憂鬱(角幡唯介著・文藝春秋)

 2012年11月の読書
・カラマーゾフの兄弟1 (ドストエフスキー著, 亀山 郁夫訳・光文社古典新訳文庫) 
・中国と 茶碗と 日本と(彭 丹著・小学館)
・佐渡の三人(長嶋有著・講談社)

 2012年10月の読書
・昭  田中角栄と生きた女(佐藤 あつ子著・講談社)
・砧をうつ女(李恢成著・集英社 戦争文学全集17 「帝国日本と朝鮮・樺太」)
・去年今年(木山捷平著・講談社)
・ノックの音が(星新一著・新潮文庫)
・横しぐれ(丸谷才一著・小学館昭和文学全集23)

 2012年9月の読書
・特捜部Q ―Pからのメッセージ― (ユッシ・エーズラ・オールスン 著・ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
・鍵のない夢を見る (辻村深月著・文藝春秋)

 2012年8月の読書
・母の遺産-新聞小説 (水村美苗著・中央公論新社)
・抗争 (溝口 敦 著・小学館新書)
・起終点駅(ターミナル)(桜木紫乃著・小学館)
・大陸の細道(木山捷平著・講談社文芸文庫)

 2012年7月の読書
・被差別のわが半生(山下力著・平凡社)
・天地明察(冲方丁著・角川書店)
・下駄にふる雨/月桂樹/赤い靴下(木山捷平著・講談社文芸文庫)
・おじいさんの綴方/河骨/立冬(木山捷平著・講談社文芸文庫)
・ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上)(スティーグ・ラーソン著・ 早川書房)
・ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(下)(スティーグ・ラーソン著・ 早川書房)

2012年6月の読書
・楽園のカンヴァス(原田 マハ著・ 新潮社)
・紅梅(津村節子著・文藝春秋)
・ちくま日本文学 江戸川乱歩(江戸川乱歩著・筑摩書房)
・ミレニアム2 火と戯れる女(上)(スティーグ・ラーソン著・早川書房)
・ミレニアム2 火と戯れる女(下)(スティーグ・ラーソン著・早川書房)

 2012年5月の読書
・罪悪(フェルディナント・フォン・シーラッハ著・東京創元社)
・曠野(チェーホフ著・岩波文庫)
・PK(伊坂幸太郎著・講談社) 
・K(三木卓著・群像2012年2月号)
・戦争はなぜ起こるか(A・J・P・テイラー著・新評論)
・ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上)(スティーグ・ラーソン著・早川書房)
・ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(下)(スティーグ・ラーソン著・早川書房)

 2012年4月の読書
・アイアン・ハウス (ジョン ハート著・ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 
・城を噛ませた男 (伊東潤著・光文社)
・中国化する日本 日中「文明の衝突一千年史(與那覇潤著・文藝春秋)
・新釈諸国噺(太宰治全集7・筑摩書房)
・太宰治 滑稽小説集(太宰治著・みすず書房)
・解錠師(スティーヴ・ハミルトン著・ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 2012年3月の読書
・犯罪(フェルディナント・フォン・シーラッハ著・東京創元社)
・ラブレス(桜木紫乃著・新潮社)
・特捜部Q ―檻の中の女― (ユッシ・エーズラ・オールスン著・ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
・すべて真夜中の恋人たち(川上未映子著・講談社)
・蛍の航跡―軍医たちの黙示録(帚木蓬生著・新潮社)

 2012年2月の読書
・遺体―震災、津波の果てに(石井光太著・ 新潮社)
・彼女はもういない(西澤保彦著・幻冬舎)
・半島へ(稲葉真弓著・講談社)
・海松(稲葉真弓著・新潮社)
・二流小説家 (デイヴィッド・ゴードン著・ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 
・下町酒場巡礼(大川渉著・ちくま文庫)
・下町酒場巡礼もう一杯(大川渉著・ちくま文庫)

 2012年1月の読書
・六白金星・可能性の文学(織田作之助著・岩波書店)
・コンニャク屋漂流記(星野博美著・文藝春秋)
・蠅の帝国―軍医たちの黙示録(帚木蓬生著・ 新潮社) 


   


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やってみるか、オクラの切り戻し

2013-08-29 | その他

これってなんなんだ。見たことのない風景を農家の畑で見た。茎が途中から切られている。すべてがそうなっている。近づいて見るとそれはオクラだった。

オクラを切り戻しているのである。オクラの切り戻しは、長年菜園をやっているがこの夏はじめて目にした。オクラをこうして育てている場面をはじめて見た。そうか、オクラもナスと同じく切り戻しをして更新しているのか。茎を切り戻して、茎の下の方から出てきたわき芽を伸ばしている。

オクラは、上へ順に実をつけていく。背が高くなる。それにしたがって下葉は落としていく。茎の下から新しいわき芽が出てくるが、これも生育に邪魔だからと取り除いていた。9月に入って気温が徐々に低下していくと、いつのまにか実をつけなくなる。これがこれまでの栽培法だった。

菜園のオクラは7月上旬から収穫が続いている。オクラを食べると翌朝は快便だ。山から帰ってくるとオクラを食べて腸を掃除することにしている。しかしいまのオクラは、ワタノメイガという虫が発生して食害され、葉は筒状に巻かれている。見た目が悪い。巻いた葉を開くとそこに必ずワタノメイガがいる。これをつぶしていく。しだいにつぶすのが面倒になる。

そこでわが菜園でも、切り戻しをやってみることにした。切り戻すのならもっと早く、暑い時期にやるべきだろう。これからやってはたして実をつけるのかと心配になる。オクラはもう十分に食べた。失敗したところ失うものはない。ここは思い切ってやるしかない。これがうまく行けば来夏に応用できる。何年やっていても、こんな発見が常にある。それを試す。ここが面白い。だから菜園はあきない。

切り戻したのは2週間前の8月中旬だ。追肥をたっぷりやった。いま新しい葉をひろげ、花が咲き実をつけてきた。わたしの経験からすれば、やはり時期が遅かったなと思う。もっと暑くないといけない。そのため花の数が少ないようだ。といいながら、どんな具合になるかいま観察しているところである。

追記

いや待てよ。気になったものだから畑に行ってオクラを見てきた。切り戻しの成果はあまり期待できないと思っていたのだが、上々の結果であった。切り戻して1回目にこれだけ取れた。合格だ。それに品質も格段によくなっている。切り戻すと品質が良くなる。やはり生まれ変わるからなのか。わたしも、とはいわない。


   


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更新剪定のナスが再び実を

2013-08-27 | ナス

↑7月下旬に枝を切り戻して更新剪定した

↓8月下旬に再び葉が茂り、実をつけてきた

ナスが再び生き返った。7月下旬に更新剪定して枝を切り戻した。1カ月後のいま、葉が茂り、花を咲かせ、そして実をつけた。

猛暑と乾燥ですっかり元気をなくしていたナス。更新剪定でリフレッシュできた。なによりも品質が良くなった。みずみずしい。そしてうまくなった。ナスはこれからの時期がうまくなる。いわゆる秋ナスというやつだ。わたしはこの味をトロナスといっている。まるで脂がのったかのようにトロリととろける食感になる。もちろんマグロのトロには負けるかもしれないが、それほどの味になる。

更新剪定することで4月下旬に植えつけたものが、秋まで食べつづけることができる。ここにきて雨が降るようになった。ナスは水が大好きだ。おかげでますます元気になっている。夏野菜が少なくなっているいま、ナスだけがコンスタントに取れている。

更新剪定のあいだ食べていたナスが10本ぐらいある。おかげでナスをずっと食べ続けることができたが、これらもさすがに猛暑で成り疲れている。このままではまもなく実をつけなくなるのは目に見えている。そこでこれらを一気に更新剪定した。更新剪定には時期が遅く、気温がこの先しだいに下がっていく。実をつけてくれるかどうかあやしいのはわかっているが、いちかぱちかやってみることにした。


   


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よく食べたこの夏のトマト

2013-08-26 | トマト

 

トマトがそろそろおしまいになる。まわりの菜園仲間のトマト畑はとうに片づけられているが、わが菜園のはいまだに実をつけてくれている。

トマトが取れ始めたのが6月下旬それからというもの、2人暮らしには多すぎず少なすぎず、毎日提供してくれる。大玉8本、ミニ4本で十分であった。この本数もこれまでの経験によるもので、多すぎても無駄にするだけである。

さすがに8月下旬ともなると、収穫は極端に少なくなる。品質が悪くなる。ひびが入り、形が不揃いになる。とくに皮がかたくなるから食感がまずい。これはトマトばかりでなく野菜全般にいえる。なんだってしまいには具合が悪くなる。

それでも、いまだに少なからず実をつけてくれる。もったいないからとこまめに摘んでは食べている。いま大玉があと4個ぐらい残っている。これが赤くなるのを待ってから片づけようと思っている。

ことしは例年になくトマトがよくできた。とくに大玉がよくできた。わたしは大玉よりもミニが好きなので大玉はあまり食べないのだが、収穫していると出来具合がよくわかる。夏野菜が姿を次々と消してしまい、さみしい限りだ。


   


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うかうかできないハクサイのタネまき

2013-08-25 | ハクサイ



ハクサイのタネを8月20日にまいた。翌々日の22日には芽が出てきた。ハクサイは直まきではなく、ポットまきにしている。

ハクサイのタネまきはお盆過ぎると意識する。遅まきするといつまでたっても葉が巻かないままに終わってしまう。タネまきの時期は限られているから厳守だ。周囲の菜園での失敗はほとんどがこの遅まきが原因で、葉が巻かないまま気温が下がってしまう。これでは立派なハクサイはできない。

わたしはハクサイには真剣に取り組む。立派に育てることが使命であり、本気度がちがう。というのもハクサイの栽培は冬野菜の中でも一番むずかしいと思っている。ハクサイをタネから育てることができたら一人前だ。それもあって注意を怠ることなく取り組まなければならない。

こんな大げさないい方になってしまうのも、それはハクサイのお香香を食べたいがためである。なんどもなんどもここに書いてきたのだが、これが原動力になっているうちはまじめに取り組む。自分が作ったハクサイでお香香を漬けてもらう。そのことにこだわっている。

なぜにここまでハクサイのお香香を食べるのに執念を燃やすのか。子どもときの味をいまでも引きずっているとはいえ、いまでもうまいと感じるからだ。結婚してからもかみさんが面倒がらずに毎冬、お香香を漬けてくれるから、この年になるまで欠かすことなく食べることができている。なんともありがたいことだ。

ハクサイのタネまきで困るのは、その時期がわたしの好きな山歩きと重なることだ。今回も山を歩きながら、帰ったらすぐにハクサイのタネをまかなければならないなと、ふうふういいながら登っている最中にそんなことを考えている。そんなこと思っている場面ではないだろうと、自分にツッコミたくなる。

ということで、山から帰った翌日にタネをまき、芽が出てきた。暑い盛りだから、日中は日差しをカットするため寒冷紗を被せている。芽を出させることは簡単だ。ハクサイの栽培でむずかしいのはこれからだ。シンクイムシの被害がなく、一本立ちさせてはじめてほっとする。


   


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椹島から鳥森山

2013-08-23 | 登山

 

鳥森山からは南アルプスをまじかに眺めることができた。これほどとは・・・。望外の喜びである


←笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(3)

山行詳報
3日目(最終日)

コース&タイム
8月19日(月)
椹島ロッヂ・テント場7:25-8:50鳥森山山頂9:20ー10:10椹島ロッヂ13:00=14:00畑薙第一ダム14:25=17:50静岡駅=我孫子駅


最終日は、バスの出発時間までだいぶある。ヒマつぶしに椹島ロッヂのすぐ眼の前にある鳥森山に登ることにした。椹島の標高が1120㍍、鳥森山が1571㍍で標高差は450㍍。

いい山だった。展望よし。森よし。意外にいい山だった。よもやこれほどの展望があるとは思ってもみなかった。

昨晩は夜中に脚の筋肉が攣って痛い思いをするのではないかと心配していた。前日にあれだけハードな歩きをしているから覚悟していた。ところがまったくなかったのである。ストレッチを入念にやったおかげだろうか。そして膝の痛みもなかった。意外だった。もちろん痛みがない方がいいに決まっている。

きょうの天気はきのう以上に素晴らしい。しかしこれも午前中だけで昼からは急変した。幸い雲ひとつない時間帯に歩くことができた。

きょうはゆっくり登ろうと決めた。前日に酷使した体をいたわりながら、そして異常がないかどうか確かめながら歩くことにした。



鳥森山は快適な歩きをさせてくれる山だった。手入れが行き届いている。登山道は疲れを感じさせない勾配が続く。こわばった筋肉をほぐすには格好の道だ。それに林が素晴らしい。感心してしまう。気分良く歩を進める。これは目っけものだ。



途中、樹間から赤石岳。うーん、これは期待できるぞ。



頂上までゆっくり歩いたので1時間半かかった。脚に痛みや異常はまったく感じられなかった。

あずまやがある。さあ展望だ。
地理的にはきのうの笊ケ岳から見るよりもずっと近くで見ることができる。そうわかってはいるものの、その迫力には驚いた。近いからずっと大きく見える。笊ケ岳と同じく東側から眺めるので山の形はきのうと同じだ。

 南のほうから眺める。左に上河内岳、右に聖岳。

 聖岳は、前聖と奥聖がはっきりと見える。

 そして赤石岳。

 そして右に悪沢岳。

アップしてみる。 荒川前岳、荒川中岳は見えない。悪沢岳の右に丸山、千枚岳。

ここまで見えるとは思ってもみなかった。なんか得した感じだ。
いい気分で記念撮影。だれもいなから、セルフタイマー。
地面にカメラを置いて撮ったのだが、おかしなアングルになった。 



山頂ではゆっくり眺めていた。やっぱり出てきた。あれほどいい天気だと思っていたのに9時20分頃になると聖岳と上河内岳の間から雲がわいてきた。山の展望は早い時間に限る。30分ほど展望を楽しんだ。雲が出てきたところで腰を上げた。

登りでは脚に痛みを感じなかったのに、下山は太ももに痛みを少し感じた。そうだよな、この年だから、あれだけ歩いて翌日どこも痛くないなんてありえない。

 登山口の目の前が椹島ロッヂの受付棟だ。



昼飯を作り、テントをたたみ、荷物をザックに詰め込んだ。ザックの重さは軽くなっているはずだが、そんな感じがしない。
まだ時間がある。3日間の行動記録を整理した。やっとバスの時間になった。



東海フォレストのバスから眺めた赤崩れ。
あれほどいい天気だったのに山の天気は急変した。バスの中から見えた赤石岳がガスの中に隠れつつあった。



畑薙第一ダム。これでサヨウナラだ。



16時ごろから大雨になった。バスが立ち往生するのではないかと心配になるほどの大雨だ。たぶん椹島も大雨だろう。
ラッキーだなと思った。これがきのうだったら、ちょうど下山時だから難渋したことだろう。

 

笊ケ岳を登れた。歩き通すことができた。この年でもまだやればできる。ちょっぴりそんな気分でいる。やっぱり気持ちの持ちようだ。しかし一歩間違えば、膝の痛みで速度がかなり落ちたかもしれない。中高年登山の無謀といわれかねない。反省する事態になったかもしれない。そんなことを考えながら、夢中で歩いた笊ケ岳の道を静かな心持ちでなぞっている。

ことしの夏山は、北八ツをテント縦走、椹島からの笊ケ岳の2つ。天気に恵まれた。これで私の夏山は終わる。もう一山という意欲はない。この2つの夏山は久しぶりにハードだった。下山して4日もたつのに太ももの筋肉にまだ痛みが残る。この痛みがこの夏の思い出になる。

追記
ふと思い出した。笊ケ岳を遠望した写真がどこかにあるはずだ。さがしてみたらあった。2007年9月の鳳凰三山を歩いているとき撮ったもの。笊ケ岳の左が布引山だ。

 


   


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笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(3)

2013-08-22 | 登山

 

 トラバース道は細く、2時間も続き、途中6本の沢を横切っていく。とにかく慎重にと自分に言い聞かせた


←笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(2)

山行詳報
2日目

コース&タイム
8月18日(日) 椹島ロッヂ・テント場4:30-4:45登山口-5:10鉄塔-6:52標柱7:00-7:12一ノ沢-7:43三ノ沢-8:23五ノ沢-8:59上倉沢右岸-9:03上倉沢左岸-9:13涸れ沢出合い-9:29涸れ沢から樹林帯へ-10:16椹島下降点10:25-10:58山頂11:35-11:50椹島下降点-12:35上倉沢左岸12:40-13:45三ノ沢-14:20一ノ沢-14:35標柱14:55-16:25鉄塔-16:45登山口-17:00椹島ロッヂ・登山小屋(泊)

[今回は復路編]

帰りの歩行時間を考えると山頂からの展望にうつつを抜かしてばかりもいられない。11時30分には頂上を後にしたい。時間を気にしながら、展望を楽しみ、山を同定し、若者に登頂記念の写真を撮ってもらう。あっというまに時間は過ぎる。もっと見ていた。それがかなわない。「もう出発する時間だろう。暗くなったらどうするんだ」。わかっている。あと5分楽しませてくれ。

笊ケ岳からの西の展望。繰り返しになるが、南アルプスが揃い踏みだ。南北に走る山脈を横から眺めるのだから、迫力のある展望になるのはわかっているが、ここまでとは・・・。

山脈を南から北へ順に目を移していこう。

左から黒法師岳(あれだねとわかるひとはスゴイ)、光岳、茶臼岳。上河内岳、そして聖岳(右端)



アップしてみると、光岳が同定できる。聖岳の姿がいちばんよかった。

 聖岳(左)、赤石岳(中央)、荒川三山(右)



左から赤石岳、小赤石岳、荒川前岳、荒川中岳、悪沢岳



左から悪沢岳、丸山、千枚岳、そして右に塩見岳

塩見岳、蝙蝠岳、そしてずっと右に間ノ岳が見える。その隣が北岳になるのだがいまはガスの中だ。たぶんじっと見ていたら一瞬見えたかもしれないと思いたい。



パノラマ撮影してみた。全容を見ることはできるが、圧倒的な重量感と大きさが全く感じられない。実際の目の前の風景はこんなもんじゃない、もっともっと迫力があるよと言いたくなる。

西側はこんなに展望に恵まれているのに、東側に目を移すとガスだ。富士山はその中にある。小笊の上に富士山が浮かぶ写真をなんど見ている。これが見えないのが残念! それでもここまで南アルプスを見られたら満足しなきゃ。ここまで苦労して登ってきたのに、すべてガスの中ということだってありえるのだから。幸運だったといえよう。ありがたいことだ。

最後に登頂記念写真を撮ってもらおう。若者がいてくれてよかった。笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(1)では静岡側の山頂標柱で撮ったので、こんどは山梨側の山頂標柱で撮ってもらう。同じポーズで。



セルフタイマーでもう一枚。これは静岡側の標柱にカメラを載せて撮った。うまく撮れるものである。



三角点

もうこれ以上はゆっくりできない。さあ下山開始だと自分言い聞かせた。
振り返ると笊ケ岳。さようなら。



一気に下る。椹島下降点を左に曲がる。



涸れ沢に出る。




涸れ沢を下って来ると、倒木で柵がある。ここでストップして右に曲がるのだが、うっかりこのまま下ってしまいそうになる。あっそうだ、ここを曲がるんだとひやりとした。この分岐は注意だなと思った。



上倉沢の左岸に出た。右岸の取り付きは往路に確認しているから安心だ



トラバース道に入る。今回はよく水を飲んだ。沢を横切るたびに飲んだ。



帰りは、このトラバース道を歩くのにだいぶ慣れた。登っては下りの繰り返しだ。ここで気を抜くわけにはいかない。脚に疲れが出ているから、もっと神経を集中して注意しなければならない。それでも帰りのタイムのほうがいくぶん速いかなと往路のタイムと比べてみたら、同じく2時間かかっている。



2020メートルの標柱に着いた。すでにテントは撤収されていた。ここまでくればもう安心だ。標柱には椹島ロッヂまで120分とあった。もっと短縮できると思いきや、やはり2時間かかってしまった。

これからは下り一方だ。スピードを上げたいのだが出ない。さすがに太ももが悲鳴をあげている。下りは登りに比べると踏みあとが鮮明に見える。ふとブナの林を歩いているのに気がついた。ゴールも近いのでやっと余裕がでてきたようだ。



鉄塔。ゴールはもうすぐだ。

そしてゴール。ほっとした。無事に歩き通せた。心配していた膝の痛みもなく、脚の筋肉が攣ることもなかった。事前の準備が良かったせいだろうか。頂上を踏むことができて、体にも異常がない。気をよくした。ここから椹島ロッヂまでは凱旋している気分だった。やったぞという充実感である。

椹島ロッヂ到着は17時だった。16時30分の予定だったのだが、さいごにばてた。

 

今夜もテントというわけにはいかない。東海フォレストのバス利用は、東海フォレストが運営する山小屋に少なくとも1泊することが条件だ。テントは対象外。そこで今夜は「登山小屋」を申し込んだ。素泊まりと思えばいい。この登山小屋もきれいに管理されている。わたしは登山小屋を申し込んで料金を払ったが、ここには泊まらずに、やはりテントに寝ることにした。最後の夜をいびきに悩まされて不愉快な気分になりたくないからだ。

 

椹島ロッヂではテント組も含めて風呂が使える。これはありがたい。熱い湯につかると生き返った心地だ。夕飯を作り、ビールのロング缶、焼酎を買って飲む。自分に乾杯だ。

明日はここを13時出発のバスで帰る。それまでたっぷり時間がある。そこで椹島ロッヂの隣りというか、裏にある「鳥森山」を歩くことにした。山と高原地図にも載っている。以前ここに来たとき気になっていた山だ。

ストレッチを入念にして寝袋にはいった。昨晩と違い、今夜はまったく緊張感がない。体がくにゃくにゃなこんな気分もいい。

⇒椹島から鳥森山へ続く


   


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笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(2)

2013-08-21 | 登山

 

 笊ケ岳からの大観。南北に連なる南アルプス全山を東側から眺める。当然ながら際涯のない大展望。
なかでも聖岳(左)、赤石岳(中央)、荒川三山(右)が圧巻だ。自分のあしあとを感慨深く眺める。


←笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(1)

椹島から山頂までの標高差は1500㍍ある。振り返ってみると、このコースを次の3つに分けて考えるとメリハリのある歩きができるのではないかと思う。
1、登山口から2020メートルのコルの標柱まで=急な登りが続く。ここで900㍍の高度をかせぐ。
2、標柱から6つの沢を横切って上倉沢まで=繰り返し小さな登り下りが続くが、水平道を歩いているようなもので標高は変わらない。
3、上倉沢から山頂まで=ここで残りの標高差600㍍をかせぐ。

1で頑張り、2の細いトラバース道を注意して歩き、上倉沢まで来ると、これで山頂に立てるなと安心する。3は疲れが出てくるので意外とつらい。体力を配分しながら、時間を気にしながら歩くことになる。


山行詳報
2日目

コース&タイム
8月18日(日) 椹島ロッヂ・テント場4:30-4:45登山口-5:10鉄塔-6:52標柱7:00-7:12一ノ沢-7:43三ノ沢-8:23五ノ沢-8:59上倉沢右岸-9:03上倉沢左岸-9:13涸れ沢出合い-9:29涸れ沢から樹林帯へ-10:16椹島下降点10:25-10:58山頂11:35-11:50椹島下降点-12:35上倉沢左岸12:40-13:45三ノ沢-14:20一ノ沢-14:35標柱14:55-16:25鉄塔-16:45登山口-17:00椹島ロッヂ・登山小屋(泊)

[今回は往路編]

いよいよ登山当日。よく眠れた。3時50分に目が覚めた。テントから夜空を仰ぐと星空だ。なんかいい予感。
日帰り用のザックを持ってきた。できるだけ荷を軽くした。
水は途中に沢が6本もあるというから、補給はたやすい。それでも1リットルを入れた。
テントはそのままにして、ヘッドランプを点けて出る。まもなく日の出が近いが真っ暗だ。

 登山口。きのう下見した。すぐに登り始める。

道標は赤布、赤テープ、、赤・黄色のペンキ、それに下の写真のようなものまでいろいろある。それを追って行けばいいのだが、暗いうえに目が悪いからなかなか見つけにくい。まごつく場面もあった。



鉄塔だ。ここでヘッドランプを消す。1858メートルまでは急な登りが続く。ひたすら登る。つらい。歩きやすい道ではない。



鉄塔を過ぎてもテープ類の目印はあちこちにあり、明るくなったこともあり、迷うことはない。踏みあとははっきりしている。
ただ下ばかり見て歩くとテープを見失うから、顔を上げてはテープ類を見つけながら進む。
やっと緩やかになった。高度計を見てこのあたりが1857メートル地点かと。



2020㍍のピークを左にまいて鞍部に出る。



ここに立派な標柱があった。ここまで赤テープの類ばかりの道標を見てきたから、その格差に思わず戸惑ってしまう。黄色いテントがひと張りあった。きのうここまで担いで登ってきたのだろう。声をかけたがすでに出発していた。ここまでだれとも会っていない。この先、少なくとも一人と会うはずだ。
ここで腰をおろしてひと休み。単独で歩くとたいがい立ったまま休む。今回は先が長いから用心して体を休める。われながら慎重である。ここまでが冒頭書いたようにこのコースの3分の1歩いた。あと3分の2だ。



ここから6本の沢を横切るトラバース道に入る。約2時間だ。このトラバース道がどんな様子なのか山行記録を読んでも想像できなかった。右手をトラバースしていく。左が山側、右が谷側になる。



最初の沢



一本目の沢を横切って、ようやくこのトラバース道がどんなものかわかった。沢音が近ずくと沢まで下り、それを横切ると尾根まで登り返してトラバース道を行く。この繰り返しだ。道は細い。足を滑らすと谷底まで落下する。思っていたよりも注意しなければならない。神経の集中が必要だ。急な登りと下り。危ないところにはロープがある。とにかく慎重に歩く。ここで滑落すれば、まあ見つからないだろうな。

6本ある沢を、1本通過、2本通過と数えていく。沢に下りてはまた登る。この繰り返しが意外と疲れる。

四ノ沢を横切って尾根に出ると樹間から姿のいい山が見えた。笊ケ岳かと思ったが、地図で確認すると笊ケ岳はもっと南側になる。

六ノ沢。これで終わりだ。同じような沢が続くので何本横切ったかあやしくなった。これで無事にトラバース道を抜けることができてほっとした、そんな感じだ。緊張しっぱなしだった。

そして、上倉沢の右岸に出た。とうとうここまできた。体力はまだある。時計を見ると予定通りにきている。「これで山頂に立てるな」。そんな思いになった。うれしい。

約2時間かけてトラバース道を登っては下りるという繰り返しをしてきたのに、高度はまったく変わっていない。トラバースの道に入ったときと、この上倉沢の標高はまったく変わっていない。この2時間なにをしていたんだと思いたくなる。

上流部に目をやると、これまた姿のいい山が見えた。これが笊ケ岳か。方向はそうだ。ヤマケイアルペンガイドを見るとこれを笊ケ岳だとしている。しかしネットで見た山行記ではこれは笊ケ岳ではないという。どちらが本当なのか。これは調べなければいけない。

ここから涸れた河床を通って左岸に渡る。向こう岸に大きな岩とはっきりした道形、それに赤い布が見える。真横に行くのではなく、斜め下流に行く感じだ。これはなんどもシミュレーションしている。



左岸の登り口には赤布が巻かれていた。そこから問題なく左岸に上がった。その左岸から右岸を見る。帰りの道を目に焼き付けておかなければならない。



左岸からはハイマツ尾のガレ場が見える。ここから残りは3分の1になった。さあいよいよだ。



道なりに行くとすぐに樹林帯に入る。赤布がある。

10分ほど行くと涸れ沢にぶつかる。ここを左折する。右折しないよう倒木で柵がある。



この涸れ沢を登る。あちこちに赤布が目立つ。

花は少ない。目立つのはトリカブトばかりだ。



涸れ沢を行くこと20分弱。右手から土砂崩れが涸れ沢は入り込むところに、ここは左に行くんだよと「笊ケ岳」の道標。



すぐのところにまた道標。ここから涸れ沢を離れて左の樹林帯に入っていく。



この樹林帯を登り詰めると「椹島下降点」の稜線に出る。一人の男性が下りてきた。2020メートルの鞍部にテントを張っていた人だ。このコースではじめて人に会う。すぐあとにもう一人下りてきた。仲間だという。
「山頂からは南アルプス全山が見渡せ、富士も見えた。しかし東からガスが出て富士が見えなくなって下山を開始した」
朝早くでないと富士は見えないというのは本当らしい。残念だがあきらめるしかない。
「頂上にいた伝付峠から来た3人組も下山して行って山頂にはだれもいない」
これはまずい。写真を撮ってもらえない。セルフタイマーで撮るしかないか。
そんなことを考えながら、一刻も早く展望を見たと急くのだが、速度が鈍くなった。

そんなとき、樹木の間から大きな山が見えてきた。もしや。、見えてきたぞ。
赤石岳(左)と荒川三山(右)だ。西の方はこの青空だ。さあ急ごう。



アップ。



椹島下降点。稜線に飛び出した。ここから山頂まで20分だというが、気ばかり焦って足が動かない。



稜線の向こうに笊ケ岳の山頂が見える。稜線からはますます展望がよくなる。よかった。本当によかった。

ようやく山頂。11時前に着いた。出発して6時間半。予定通りだ。富士は確かにいまはガスの中だが、西には期待の絶景が待っていた。これは次回にする。
だれもいないと思っていた山頂に一人の若者がいた。南アルプスを眺めていた。身延側から登って10分ほど前に着いたという。山登りははじめたばかり。厳しい笊ケ岳に登れたら、ここから見える山々にも登れるのではないかと挑戦したという。なかなかいいことをいう。目の前にずらり並んだ山の名前を教えてほしい、という。北から南までの南アルプスの山々を、自分が歩いたあしあとを思い出しながら順に確認しながら名前を挙げていく。いい時間だね。
笊ケ岳は山梨と静岡の県境にある。山頂標柱も静岡と山梨の2本があった。若者に写真を頼んだ。さきほどまでの疲れ果てた気分はどこかに吹き飛んでしまった。よたよたじいさんはルンルンじいさんになっていた。

 

次回は山頂からの展望と復路の報告になる。

⇒笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(3)へ続く


   


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笊ケ岳ー椹島から往復12.5時間(1)

2013-08-20 | 登山

笊ケ岳の山頂。南アルプス全山が一望千里。体力と気力を振り絞った厳しい歩きのご褒美だ


山行日 2013年8月17日(土)から8月19日(月) テント2泊3日
天気 17日晴れ、18日晴れ、19日晴れ
山域 南アルプス
メンバー 単独
コース&タイム
8月17日(土)我孫子駅=静岡駅9:50(南アルプス登山線)=13:15畑薙第一ダム手前・東海フォレストバス停14:30=15:30椹島ロッヂ-登山口下見-椹島ロッヂ・テント場(泊)
8月18日(日)椹島ロッヂ・テント場4:30-4:45登山口-5:10鉄塔-6:52標柱7:00-7:12一ノ沢-7:43三ノ沢-8:23五ノ沢-8:59上倉沢右岸-9:03上倉沢左岸-9:13涸れ沢出合い-9:29涸れ沢から樹林帯へ-10:16椹島下降点10:25-10:58山頂11:35-11:50椹島下降点-12:35上倉沢左岸12:40-13:45三ノ沢-14:20一ノ沢-14:35標柱14:55-16:25鉄塔-16:45登山口-17:00椹島ロッヂ・登山小屋(泊)
8月19日(月)椹島ロッヂ・テント場7:25-8:50鳥森山山頂9:20ー10:10椹島ロッヂ13:00=14:00畑薙第一ダム14:25=17:50静岡駅=我孫子駅


意を決して南アルプスの笊ケ岳を歩いてきた。椹島からの日帰りで歩行時間は12.5時間になった。よたよたじいさんの体力はもう限界だった。時間を気にしながら気力を振り絞った。ご褒美は山頂からの展望だった。山容はシブイが展望は豪奢の極みだ。これを期待して登ってきた。重量感のある南アルプスの山々が行列して迎えてくれた。指呼の間で迫ってくる。疲れがいちどに吹っ飛んで、笑みが広がった。

ことしの夏は、笊ケ岳を歩こうと決めていた。この2年ほど前から左ひざに痛みを感じるようになってから、山に対して弱気になっている。小心で臆病だからこうなる。それがいやだった。そこでハードな山に挑戦することで弱虫を追いだすことにした。無謀かなと心配で逡巡があった。準備として1週間前に北八ツをテントを背負って縦走した。よたよたながらも長い時間を歩けた。「これなら行けるかな」という自信につながった。

笊ケ岳は南アルプスを歩いていると、双耳峰だからすぐに同定できる。歩きたいと思うようになったのは何年前になるのだろう。このときのコースは身延側からテント持参の野宿とある。やっかいだ。しばらくして椹島からの日帰りコースがあることを知った。このコースの山行記を読んでみて、歩行時間は12時間から13時間が多かった。これなら歩ける。というのも、これまで一日に12時間歩いたいうのはなんども経験している。そこで椹島からの日帰りに決めた。いまの敵はわが心の弱虫だけだ。

このコースは、2万5千図に登山道の記載はない。登山道が不整備で道標はほどんどなく、赤テープだけが頼りだという。しかし踏みあとははっきりして山慣れた人なら迷うことはないという山行記を読んで意を強くした。

計画では4時30分に出発して、下山は17時とした。結果的にそうなった。途中までは16時30分には下山できるかなと思ったが、後半にやっぱりばてた。体力、気力、たえずコース取りを注意しなければならないタフなコースだった。道に迷うことはなかった。なんどもコースのシミュレーションをしていたおかげである。

下山して、登山者からも、椹島ロッヂのスタッフからも、「健脚ですね」と褒められた。もちろん口には出さないが「年のわりには」という言葉が頭につくことは承知している。細身でスタイルがよく、やや気の強そうでいて愛嬌のある、要はわたし好みの山ガールからも祝福された。いい気分だった。

弱虫とたたかいながら、このタフなコースを“この年”できちんと歩き通せた。それがなによりもうれしい。この調子だとまだまだ?山を楽しめそうか。


山行詳報
1日目
コース&タイム
8月17日(土) 我孫子駅=静岡駅9:50(南アルプス登山線)=13:15畑薙第一ダム手前・東海フォレストバス停14:30=15:30椹島ロッヂ・テント場(泊)
  

 

 笊ケ岳の姿を近くから眺める機会はない。それが実現した。椹島に向かう
東海フォレストのバスの運転手さんが、3つ並んだ右側の山がそうだという

この夏は「南アルプス登山線」が運行する。昨年は土砂崩れなどで運行中止になった。そのため毎日アルペン号が畑薙第一ダムまでバスを出すようになった。夜行だからこの笊ケ岳を日帰りするには日程的に無駄が出る。しずてつジャストラインは?と注視していた。

1週間前の北八ツテント縦走のときと同じく、テントを詰めた大型ザックで家を出る。重量は18キロ。基本装備は変わらないからいつも大体これくらいの重さになってしまう。

この日、静岡駅北口8番乗り場に集まったのは20人ぐらい。畑薙第一ダムからの帰りの登山者が多いというので、2台の大型バスで出発。1台に10人ずつ分乗した。

 途中でトイレ休憩。アプト式鉄道・井川線の井川駅。

畑薙第一ダム手前の駐車場。
ここで東海フォレストのバスに乗り換える。駐車場は1週間前がピークで、満杯になって道路まではみ出したと、入山届け受け付けの人が言っていた。きょうはだいぶ空きがある。

入山届けの用紙には、椹島から笊ケ岳へのルートが載っていない(下の写真)。それだけまだ認知度が低い道なんだと知った。それを言うと、新しい届け用紙を出してきた。こちらには載っていた。



近くに水場。ありがたい。



東海フォレストのバスを待つ。左のテントが入下山届けの受付。



東海フォレストのバスがきた。椹島まで1時間。畑薙第一ダムを通過。

 畑薙大吊橋。つり橋が苦手なわたしは、こんなところを渡る人の気が知れない。



東海フォレストのバスの運転手さんがいろいろ案内してくれる。
西に笊ケ岳(右端)。あしたはあそこか。

東に赤石岳。山は見る角度で姿が変わる。この赤石岳はなかなかの鋭峰に見える。



椹島ロッヂに着いて、テント場の申し込み。ここのテント場は最高だ。前からここにテントを張りたいと願っていた。左手前がわたしのいつものアライテント。

 フシグロセンノウ。オレンジの花。南アルプスではよく見かける。

テントを張り終えた。夕飯を作る前に登山口を下見することにした。というのもあしたは4時30分出発だ。ヘッドランプで暗闇の道を歩く。用心に越したことはない。
滝見橋手前で千枚小屋への道を左に分け、橋を渡る。



すぐ右手に、笊ケ岳の登山口。



登山道に足を踏み入れた。赤テープがあり、道形ははっきりしている。

しかし、翌朝の暗闇の中では、やっぱりというか、ルートがよくわからす、2度ほど「さあどっちに行くんだ」と迷った。



いよいよ明日が本番。夕食を済ますと早々に寝た。新しく買った耳栓をして。

⇒笊ケ岳ー椹島から激歩12.5時間(2)に続く


   


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カボチャはお盆のころに

2013-08-16 | カボチャ

カボチャが取れた。わが家のカボチャの第1号はいつもお盆のころになる。すっかり夏野菜が少なくなったいまの時期に、こんな大物が取れるのはうれしい。

お盆のあたりから、わが菜園の夏野菜はほとんど終わる。いま取れているのは、ナス、オクラ、トマト、インゲン、モロヘイヤ、クウシンサイとぐっと少なくなった。そろそろ秋冬野菜の準備で、夏野菜を片付けて、耕さなければならない。ハクサイのタネまきの時期でもある。

畑の隅に植えてあるカボチャは、ツルが伸びて絡み合っている。葉を手足でかきわけながら、何個ぐらい育っているかを観察する。その中から育ちがいいものを見つけ、これが収穫第1号かなとあたりをつけ、収穫のタイミングを見計らってきた。

収穫のサインはヘタのところがコルク状に変色したら、といわれている。わたしもそれを実行している。

ことしのカボチャは2種で、近成カボチャ(タキイ種苗)と白い九重栗(カネコ種苗)。前者はことしタネを買い、、後者は自家採種したもの。両者ともきのう15日に第1号が取れた。

カボチャは収穫後すぐは甘くなく、追熟させると甘くなるという。収穫すぐはホクホクだが、日数がたつと水分が出てベチャベチャになるという。わたしにはわからない。そういわれてみると、そんなものかなとも思うくらいだからなにもわからない。

それでも、収穫したものはすぐに食べたいものである。近成カボチャを煮物にしてくれた。さて味見だ。ふうふういいながら食べてみる。ホクホクでもなく、べチャべチャでもなく、甘くもない。それでもまあこんなものかなと。わたしにとっては合格である。安心した。

畑が広くないからカボチャは9月初めごろまでには片づけて、ほかの野菜にスペースを提供しなければならない。そのときはじめてことしの収穫数がわかる。いま雑草の中に隠れているのが何個かあるはずだ。カボチャはいくらあってもいい。冬至カボチャといわれるくらいだから、食べ続けても何個かは冬至まで残っている。


   


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北八ツよたよた彷徨(4)

2013-08-14 | 登山

茶臼山の展望台は掛け値なしでいい。八ツの峰々を一望できる。この3日間は晴れたが、
遠望が利かずに日本アルプスを見ることができない。そこがちょっぴり不満でもあった。


←北八ツよたよた彷徨(3)

山行詳報
3日目
コース&タイム
8月10日(土)白駒池キャンプ場6:22-7:00麦草峠-8:10茶臼山・茶臼山展望台8:30-9:10縞枯山9:30-10:00縞枯山荘-10:15北八ヶ岳ロープウエー11:00=北八ヶ岳ロープウエー・バス停11:35=12:35茅野駅=我孫子駅

前回に書いたように隣りのテントのおばちゃんたちのにぎやかさに閉口した。寝不足だ。やっぱりテントを張る場所を間違えた。

この日は3日目、テントをかついでの縦走も最終日となった。きょうの行程は北八ケ岳ロープウエーまでとした。乗り場にザックをデポして北横岳往復も考えていたが、さすがにその気力が残っていない。北横岳はすでに歩いているので今回無理をすることはない。ここまで重荷を担いで歩くことができて満足であった。それで十分であった。

というわけで、きょうの行程は白駒池キャンプ場からさらに北を目指して北八ケ岳ロープウエーまで行く。きのうに比べるとだいぶ短い歩きになる。きょうは楽勝だなと余裕の気分でいる。出発はきのうより一時間ほど遅い。水は1リットル入れた。

麦草峠に向かう。麦草峠の駐車場からの登山者が続々来る。今回わかったことだが、「ニュウ」を登る人が多かった。

眼下に麦草峠が見えてきた。ガイドブックでは白駒池から麦草峠まで30分とあるが40分かかった。30分で行くには急ぎ足で行かなければならない。正面にはこれから登る茶臼岳が大きい。

 麦草峠の麦草ヒュッテ 



茶臼山への入り口がわからない。道なりに行くと舗装道路に出る。向こう側に道が続いている。たぶんこれだろう。少し行くと「茶臼山」の道標が出てきた。



登っていくと、「ここは中小場」の標識。茶臼山が大きい。



麦草峠(2127㍍)から茶臼山(2384㍍)までの標高差は250㍍の登り。たいしたことはないのだが、登山道は一本調子のまっすぐで急な道。こんなに厳しいのかなとすっかり汗だくになった。



樹林の間から空が見えてきたら山頂だった。すぐに展望台に向かう。

茶臼山の展望台はお勧めです。ぜひ立ち寄ってください。風景が広がる。南北に走る八ツの峰々が見渡せる。なんども見ているが、やはり南八ツの山々はいい。 

そして、北に目を向けると、これから向かう縞枯山、そして北横岳、蓼科山。 きょうは時間に余裕があるからついゆっくりしてしまった。



さあ縞枯山へ。このピークを越えればあとは登りはない。途中で振り返ると、茶臼山の向こうにやはり南八ツ。



縞枯山。世代交代が進んで、昔と比べたらずっと緑が多くなってきている。

縞枯山の山頂。展望なし。



縞枯山からは下り一方になる。縞枯山荘までくると、北八ケ岳ロープウエーでやってきた観光客がここまで足を延ばしている。観光客の姿を見て、これでテント縦走は終わったなという気持ちになる。



北八ケ岳ロ-プウエ―山頂駅前の坪庭入り口。
ここまできょうの歩行時間は4時間弱。やはりラクだ。

 ここからロープウエーで一気に下界へ。 

2、3年前から左膝が痛くなり、それに脚の筋肉が山行中に攣ることが多くなった。年なんだからしょうがないなと膝の状態を心配しながら山を歩くようになった。弱気になった。その気分がいやだった。それで今回はテントをかついでの縦走にした。重荷は膝を痛めることは承知している。そこで出発前に同じ重さのザックを背負って毎日歩くウオーキングコースを4,5回も歩いて様子を見た。これが功を奏したのかわからないのだが、疲れ果てたものの、膝の痛みも、脚の痙攣もなく歩けた。

青春の“北八ツ彷徨”から幾星霜を経て、介護保険第1号被保険者となった記念の“北八ツよたよた彷徨”を無事に歩くことができた。この夏本命の南アルプス・笊ケ岳へ向かう自信が少しばかり出てきた。


   


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北八ツよたよた彷徨(3)

2013-08-13 | 登山

根石岳から見る西天狗岳(左)と東天狗岳(右)。高山の雰囲気になってきた


←北八ツよたよた彷徨(2)

山行詳報
2日目
コース&タイム
 8月9日(金) 赤岳鉱泉5:35-7:30硫黄岳7:50-8:28夏沢峠8:35-9:25根石山荘9:40-9:50根石山-10:25東天狗岳11:00-12:06中山峠12:25-13:00中山展望台13:30-14:33高見石小屋-14:42高見石-15:45青苔荘・白駒池キャンプ場(泊)

2日目のきょうはがんばらなくちゃいけない。3日間の中で一番の長丁場になる。赤岳鉱泉から白駒池のキャンプ場まで歩く予定だ。目的地までは登っては下り、下っては登るの繰り返し。水は1リットルを用意した。根石山荘に水場があるからそこで補給する。八ツは小屋が多く水の補給には困らない。

まずは硫黄岳を目指す。赤岳鉱泉から2時間の予定。きのうでザックの重さに少しは体が慣れた。1時間半ほどで稜線が見えてきた。まだガスが晴れない。当然ながら青空を期待している。 

硫黄岳山荘に泊まった登山者がつぎつぎと下山してくる。朝はガスでなにも見えなかったいう。わたしは登山者によく声をかけて情報を仕入れる。 というよりひとり旅だから、よく話しかける。山ガールで若くきれいな子には必ずといっていいほど声をかける。よたよたじいさんはそれだけで元気になる。他意はない。



様子がどうもおかしい。青空が消えて、ガスがどんどん広がってきた。なんかまずいぞ。



コースタイム通りに硫黄岳山頂に着いたのだが、ガス、ガスである。硫黄岳からの展望を楽しむはずだったのにこのガスだ。なんともいまいましい。山頂標識近くの石室の前に座って20分ほどガスがはれるのを待ったがとうとうだめだ。これ以上ゆっくりもできないので腰を上げる。

ここからいよいよ北八ツの縦走だ。

硫黄岳の稜線は広い。ガスが出ると迷いやすい。そのためにケルンがあちこちにある。2人連れが右往左往している。このガスで夏沢峠への下山口が分からないでいるようだ。大きなケルンが目の前にあるのに、まったく見ようとはしない。山慣れしていないのは見ていてすぐにわかる。わたしも夏沢峠に向かう。2人連れに声をかけて、下山口はこちらですよと教えてあげた。



硫黄岳を下山していると北方面のガスが取れてきた。あれれと声をあげる間もなく天狗岳、真下には夏沢峠の山小屋が見えてきた。振り返ってみると南方面はあいかわらずガスの中だが、気分ががらりと変わる。だれだってそうなる。



硫黄岳から40分で下って夏沢峠。ここは東西南北の道が出会う十字路で登山者が多い。



夏沢峠からはまた箕冠山への登りになる。急坂が続くわけではないのだが、この登りがこたえた。木の間から東西の天狗岳に挟まれたかっこうの根石岳が見えてきた。


やっと箕冠山。見通しのない山頂だ。やたら道標がある。八ツは分岐になると標識が多い。



ここがら下って根石岳との鞍部。そこに根石山荘がある。周囲はコマクサの群生地。盛りは過ぎてそろそろ終わりだ。



根石山荘。ここで水を補給する。ありがたい。

根石岳への登り。振り返ると南八ツはいまだガスの中。硫黄岳の爆裂火口がよく見える。

根石山荘から根石岳への登りは短い。ここからの展望がよかった。

目の前に西天狗岳(左)と東天狗岳(右)がそびえる。あそこまで登るのか。大変だ・・・と思ったら。 

根石岳と天狗岳の鞍部に下り、天狗岳の登りになる。登るにつれて、振り返ると南八ツの山山が姿を現した。やっとだ。左から硫黄岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳。見慣れた風景でも、やはりこうして見らるのはうれしい。



東天狗岳の山頂直下は急なガレ場だ。よろけて落ちないように、ここは気をつけて通過。

東天狗岳の山頂。
根石岳からは思いのほか近かった。すぐに着いてしまったといった感じだ。この青空。がんばってきたかいがあった。さすがに眺めがいい。頂上にはトンボがたくさんいた。この写真にもトンボが写っている。



南には、南八ツの山々。

北にはこれから向かう北八ツの山々。



そして隣りの西天狗岳が大きい。西天狗岳はパスした。この東天狗でゆっくりしよう。先が長い。体力温存である。30分ほど展望を楽しんだ。じつに気分がいい。

下山にかっかる。東天狗岳の北側も急だ。ここは慎重に。下るほどに大きな石がごろごろ。歩きにくい道ったらなかった。足元を見ながら注意して下っていく。八ツは北も南も石がごろごろして歩きにくい、つまずきそうで苦手だ。



こんな道だから中山峠までは長く感じた。さすがに疲れた。ここでザックを放り出して大休止だ。ここまでは、重荷でよたよた歩きながらも、コースタイム通りにきたのだから、たいしたものだ。しかし疲れた。きょうはここでやめて、すぐ近くの黒百合ヒュッテのテント場にしようかと弱気になった。それでもいい。明日の予定コースは短いのだから。さあどうするか。やっぱりこの稜線を先へ進もう。高見石、ニュウ、白駒池への道を取る。



ここからも石がごろごろしたいやな道だ。いいかげんにしろといいたくなる。すぐに展望が広がった。天狗岳をこんどは北からら眺めることができる。左は硫黄岳。



中山展望台。中山峠から45分。広々とした空間だ。大きな石が重なって平らな場所だ。展望台というだけあってさすがにのびやかな風景が広がる。きょうは遠望が利かない。見えるのは先程からの八ツの峰々ばかりだ。ここでも大休止。

 



高見石小屋までは中山展望台から約一時間。すぐにうしろの高見石に登る。



高見石から白駒池を俯瞰する。ボートが浮かんでいる。

白駒池まで下りてきた。池のほとりに立つ。やはりボート乗り場があった。とてもいい感じのたたずまい。わたしも無性にボートに乗りたくなった。しかし一人だ。いくら一人が好きだって、ボートだけは好きなひとを前に座らせて漕ぎたい。きっといいだろうな。そんなシーンを思い浮かべながら、ぼんやりと湖面を眺めていた。



目的地の青苔荘の白駒池キャンプ場に着いた。がんばりました。5時35分出発で15時45分着。予定ではもっと早く着くはずであったが、後半は疲れ果てて休憩が長くなった。この年になっても10時間も重荷を背負って歩けた。ヘタヘタになって倒れ込んでしまうのではと思ったりもしていたのに。

小屋の隣りがキャンプ場。水場は近いが、トイレは遠い。いい場所を見つけた。隣りに大きなテントがすでに張ってあった。ある心配があったが、ここでいいかとテントを張っていたら、その人たちが山から下りてきた。男性1人に女性が9人ぐらい。すべてわたしより年長の人ばかり。じっちゃんとばっちゃんばかりで、埼玉の山の会の仲間だという。山歩きに慣れてようだ。

心配が現実になった。なにがっておしゃべりだ。うるさい。いつまでたってもしゃべっている。ご飯を食べたら眠ってくれよといいたい。周りは静寂に包まれているのに、このテントの声だけが広いキャンプ場に響く。これじゃたまったものではない。注意した。30分ほどたったらやっと静かになった。やれ安心とおもいきや、こんどはいびきが鳴り響く。さらにテントの出入り口を開けたり閉めたりするファスナーの音が続く。年寄りはトイレが近いから頻繁に出入りする。わたしはいびきに弱い。だから山小屋は避けてテントにしているのだが、さいきんはこういったケースによくぶつかる。

今晩も寝る前に丹念にストレッチ。きょうのコースは長く、それにアップダウンが多くて厳しかった。夜中に脚が攣って飛び起きるのではないかと心配したが、まったくなかった。疲れ果てたとはいえ、どこかふだんより調子がいい。まだまだできるかなと思ってしまう。これだからいけない。 

 →北八ツよたよた彷徨(4)に続く


   


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北八ツよたよた彷徨(2)

2013-08-12 | 登山

 

2日目(8月9日)の東天狗岳山頂。ここからは北に南にと八ツの展望が広がる。

←北八ツよたよた彷徨(1)


前置きが長くなった。ここからが山行記。
北八ツと南八ツを分けるのは夏沢峠かなと思う。そこで今回の北八ツ縦走コースは、赤岳鉱泉から硫黄岳に登り、そこから稜線を北上し、北八ツロープウエーまでとした。
コースはガイドブックに記載されているタイムで歩けたのだから、18キロの重荷で足の運びがよたよたのじいさんには上出来であった。意外と元気なのである。しかし2日目後半の中山峠あたりから、休憩時間が増えた。さすがに重荷がこたえてきた。以下が今回の山行の概要で、詳報を加える。

山行日 2013年8月8日(木)から8月10日(土) テント2泊3日
天気 8日晴れ、9日曇りのち晴れ、10日晴れ
山域 八ケ岳
メンバー 単独
コース&タイム
8月8日(木)我孫子駅=茅野駅10:25=11:02美濃戸口11:10-12:25北沢・南沢分岐-14:45赤岳鉱泉・キャンプ場(泊)
8月9日(金)赤岳鉱泉5:35-7:30硫黄岳7:50-8:28夏沢峠8:35-9:25根石山荘9:40-9:50根石山-10:25東天狗岳11:00-12:06中山峠12:25-13:00中山展望台13:30-14:33高見石小屋-14:42高見石-15:45青苔荘・白駒池キャンプ場(泊)
8月10日(土)白駒池キャンプ場6:22-7:00麦草峠-8:10茶臼山・茶臼山展望台8:30-9:10縞枯山9:30-10:00縞枯山荘-10:15北八ヶ岳ロープウエー11:00=北八ヶ岳ロープウエー・バス停11:35=12:35茅野駅=我孫子駅


山行詳報
1日目
コース&タイム
8月8日(木)我孫子駅=茅野駅10:25=11:02美濃戸口11:10-12:25北沢・南沢分岐-14:45赤岳鉱泉・キャンプ場(泊)
 

 赤岳鉱泉。後ろに赤岳から横岳の稜線が見える。ここのテント場は快適だ。
近くに水場、屋根のある炊事場がある。テントを張る平らな場所が少ないのが難点

梅雨が早く明けたわりにはその後の天気は不順だった。いつ夏山らしい天気になるのかと待っていた。やっと今週から太平洋高気圧が張り出してきた。さあこのときとばかりに家を出た。

初日の8日は美濃戸口から赤岳鉱泉まで。歩行時間は3時間ほど。初日だからゆっくり歩こうと自分言い聞かせても、せっかちだからつい先を急いでしまう。

茅野駅から諏訪バスで美
濃戸口へ。バスの中の登山者はこんなものかと少ない。やはりみなさんマイカーか。めずらしく登山計画書を提出。すぐに出発。まずはザックの重荷になれること。ザックの重量はいつもの通り18キロ。

 

山小屋「やまのこ村」のベンチで昼飯。昨夜にぎったおにぎり。わたしが作った梅干しが入っている。

北沢と南沢の分岐。赤岳鉱泉へは道なりに左へ。

なにを思ったのか、コンパクトカメラのセルフタイマー機能を使ってみることにした。これまでまったく使ったことはない。もっとまじめに歩けよと自分に突っ込みを入れながらも、路傍の岩の上にカメラを置き、ファインダーをのぞきながらもう少し上向きかなと下に小さな石を挟んで調整。うまく撮れた。はじめてにしては上出来だ。
まだザックの重さに体が慣れないでいる。正直なところ、この時点でははたして歩き通せるかなと不安であった。というよりここまできたら行くしかないのである。



北沢の清流を眺めながら歩く。

 八ツの稜線が見えるところまで来た。ということ赤岳鉱泉までもうすぐだ。



八ツらしい森が続く。

 

赤岳鉱泉に到着。2時間35分できた。コースタイム通りにきてしまった? 不安だといいながらやるじゃないか。
今日の天気はこんな感じ。やっぱり晴れは気分がいい。とくにテントだとそうだ。

すぐにテントを張る。一人1000円。小屋の隣りの斜面のため平たんな場所が少ない。あちこち“物色”した。いい場所を見つけた。ここのテント場は水場とトイレに近く、さらに水場の近くには食事ができるキャンパーのためのテーブルまである。一部は屋根付きだ。雨の日なんか、この中にテントを張ってしまうと快適だなと思ってしまう。たぶん禁止だろうな。行者小屋のテント場よりもこちらの方が快適だ。



赤岳鉱泉の標高は2215㍍。4時を過ぎると肌寒い。下界の暑さがうそのよう。肌寒いというより寒い。半袖の上に長袖を羽織り、さらにダウンベストを着た。

テント場からは、主峰の赤岳がみえる。来ましたよとあいさつ。



さらに、阿弥陀岳もちょこんと頭をもたげてこちらを見ている。


 
食事を済ませると、なにもすることはない。6時を過ぎて寝袋に入った。そのまえにストレッチだ。これは意識してたっぷり必ずやるようになった。ストレッチの効果は年を取るに従いわかるようになった。この数年はアップダウンが激しい山を歩くと脚の筋肉が攣る。夜中でも攣る。その痛さといったらない。丹念にストレッチをする。明日の2日目は長丁場になる。


*水場情報 夏山の縦走で水場の把握は重要だ。きょうのコース上の水場は、やまのこ村、赤岳山荘、美濃戸山荘、そして赤岳鉱泉の各小屋で得られる。スタート時に500㏄あれば問題ない。

⇒北八ツよたよた彷徨(3)に続く


   


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北八ツよたよた彷徨(1)

2013-08-11 | 登山

 

赤岳鉱泉への道。北沢の清流を眺める「よたよたじいさん」。セルフタイマーではじめてわが身を撮った。

8月8日から10日までの3日間、テントを担いで北八ツを縦走してきた。年を取ってはザックの重さはこたえる。年ごとにそう感じる。「もう年なんだからそろそろテントはやめたら」とかみさんはいう。ことしから介護保険の第1号被保険者になったのだし「たしかにそうなだな」とわたしも思う。

それでもテントにした。やっぱり重荷を背負っての縦走はこたえた。ザックの重さに疲れ果て、へたり込んでしまった。それでも歩き通すことができた。これなら体力気力ともにまだ捨てたものではないという自信がほんの少し持てた。意欲あってこその山歩きだ。幸いにしてその意欲が燃えカス程度でもまだ少し残っていた。稜線の涼風が汗だくの体に心地よかった。

この夏の山は、南アルプスの笊ケ岳と決めていた。長時間の歩行になる。それに耐えられるかという不安があった。そんな不安を持つようになったのは、振り返ってみると2010年の「平ケ岳」のときからだ。あのときから体力に不安を覚えるようになった。

今回もそんな不安を感じた。笊ケ岳の前に体慣らしに本格的に歩いて体調を見なければならない。さてどこの山へ行こうかと思いを巡らした。ふと八ケ岳が出てきた。ことしのはじめの入笠山からの眺めが意識の底にあったのかもしれない。よしそうしよう。それも北八ツにして、テントで縦走だ。これでこの夏の山は、北八ツと笊ケ岳の二つに早々と決まった。

八ツには思い出が多い。そうはいっても数えて10回ぐらいしか行っていないのだが、とくに北八ツには特別の感慨がある。若いときに北八ツを歩くきっかけとなったのが山口耀久著「北八ツ彷徨」だ。若いからこそストイックな気分で地味な樹林帯の北八ツを歩けた。ここで青春の北八ツをもう一度縦走したい。大きなザックを背負ったわたしの姿を見て「よたよたじいさん」とかみさんがいった。その言葉が気に入った。

長いこと山を歩いていると、山に対する思いがあふれる。その思いを語るのが長くなりがちで、ぐずぐずと書いてしまうから登山口までなかなか至らない。次回からやっと山行記になる。

⇒北八ツよたよた彷徨(2)に続く


   


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不揃いのキュウリたち

2013-08-07 | キュウリ

キュウリがそろそろおしまいになってきた。計画よりだいぶ早い。下葉が枯れてくると、果実の形はしだいに悪くなり、サイズも不揃いになってくる。形を見ればすぐわかる。株の勢いが衰えて、まもなく寿命を迎える。

キュウリは夏の間は朝と夕に食べる。朝にはナマで、夕には漬物で毎日食べる。その間は収穫を欠かさないようと、間をあけて3回に分けて植えつける。初回は市販の苗を、2日目と3回目はタネから育てる。毎年そんな計画だ。

ことしは3回目をさぼってしまった。しまたっと悔やんでも遅い。初回の市販の株はすでに終わり、2回目の株も盛りを過ぎた。あとわずかしか収穫できそうにない。せめて8月いっぱいまで収穫をみこんでいたのだが無理のようだ。

この夏のキュウリは、6月上旬に初収穫はじまった。それから2カ月間、毎日取れた。順調だった。2カ月間も毎日楽しめたのだからこれで良しとしなければならないのだが、あと少しとなると、いっそうほしくなる。ここにきてしまったと思ったとろでどうなるものではない。ここはあきらめるほかない。それでも残念だ。毎年やっていてもこの始末だ。


   


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