怖い話は好きですか?
お盆なので、いつもと違った話題を・・・
この話は私が子供の頃の話です。
当時、私は人口300人程の小さな村に住んでおりました。
その村のはずれには、祠(ほこら)があり、その祠の裏手に小さな沼があったのです。
そこは、鬱蒼とした木が生い茂っており、昼間でもあまり日が差さない薄暗い場所でした。
大人からは、子供は絶対に近づいてはいけないときつく言われてる所でした。
でも、子供の事ですから近づくなと言われると、ますます行ってみたくなります。
そして、夏休みも終わりの頃、
私達は肝試しと称して、友達と3人である夜その沼に向かったのでした。
村はずれまで行くとそこから先は両側に雑草が生い茂る狭い一本道です。
当時、懐中電灯もあったのですが、子供達は空き缶の底に釘で穴を開け、その中にロウソクを立てて、針金で吊るす取っ手を付けた手作りの提灯を持ち歩いてました。
「ロウソク出せ、出せよ。出さなきゃ、かっちゃくぞ~」
こんな唄を歌いながら、暮れ行く道を村はずれで歩いて行きました。
徐々に夜も更けて、聞こえるのは虫の音ばかり・・・・。
両側を雑草で覆われた山道を風に揺らめくロウソクの明かりを頼りに祠へと目指しました。
と、遠くに見える祠にうすぼんやりと灯りが・・・
ちょうどお盆の頃でしたので、誰かがお参りに来て、ロウソクを消し忘れて帰ったのでしょうか・・・
恐る恐る私達は祠に近づいて行きました。
やはり、そこには誰もいません。
ロウソクの炎だけが風に揺らめていました。
すると、裏手の沼の方からかすかに音が聞こえてきたのです。
ちょうど、地面に落ちている
枯れた小枝が
ペキッ・・・、ペキッ・・・と
折れる音のようです
ますます、怖くなった私達ですが3人寄り添いながら沼の方へ少しずつ近づいて行きました。
藪の中から音がする沼の方をロウソク提灯の灯りで照らしますがもちろん遠くまで照らす事はできません。
目を凝らしながら音のする方をジ~ッと見ますが暗くて見えません。
今度は
ズリッ・・・、ズリッ・・・と
何か地面を引きずる音がしました。
私達は恐怖で足が震え、そこを動く事が出来なくなりました。
ズリッ・・・、ズリッ・・・
ズリッ・・・、ズリッ・・・
少しづつですが、確実に何かが近づいてきます・・・
ズリッ・・・、ズリッ・・・
ズリッ・・・、ズリッ・・・
それから、小一時間も経ったでしょうか・・・・
ようやく音の正体が見えてきました・・・・
ロウソクの灯りに手照らし出されたものは・・・・・
甲羅の大きさが50cm程の・・・
亀だったのです・・・
亀・・・ の、のろい・・・・
以上、
亀ののろい
でした・・・・。
最後まで読んで頂き有難う御座いました・・・・。
楽しい夏休みを・・・。 