「それでもボクはやってない」
2007年公開
監督・脚本:周防正行
出演:加瀬亮・瀬戸朝香・山本耕史・もたいまさこ・役所広司


フリーターの金子徹平(加瀬亮)は、通勤ラッシュの電車で女子中学生から「痴漢したでしょ」と訴えられてしまう。
まったく身に覚えのない金子は、話せば分かってもらえると思い、大人しく駅の事務室に行った。
しかし、「ボクはやってない!」という訴えもむなしく、そのまま警察に連行されてしまう。
その日から、留置所暮らしを余儀なくされた金子は一貫して無実を訴えるが・・・。
日本の裁判制度がどう言うものか、ある痴漢事件を通してリアルに見せてくれます。
裁判に関して知らなかった事が数多く出てきます。
たとえば、
容疑を否認し続けていれば三ヶ月間は留置所暮らしであること。
起訴された場合に有罪となる確率は99.9%である(1000件に1件しか無罪とならない)という現実。
「疑わしき者は有罪」という警察や検察側の姿勢。
「無罪判決を下す」ことは「国家権力の負けを認めること」であり、「裁判官自身のマイナス評価になる」という裁判所の体質。
最後に、主人公が、
「ボクは”日本の裁判が真実を追究する場ではない”ことが今わかった。
”裁判とは<<とりあえず>>有罪か無罪かを決める場にすぎないのだ・・・”。」
と呟きます。
映画を観れば、この意味がリアルに胸に響きます。
明日は我が身に降りかからないとは言えない・・・。
この映画、観ておいて損はないですよ!
この映画のお勧め度:☆☆☆☆☆