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御坊市 千年に1回洪水(日高川水系)被害予想図 初の土砂災害も 今月末全戸配布 〈2020年8月2日〉

2020年08月02日 08時30分00秒 | 記事


浸水エリアは日高平野全域に及ぶ


 全国的に集中豪雨やゲリラ豪雨による大規模災害が多発している中、御坊市は豪雨災害に特化した洪水・土砂災害ハザードマップを1万2000部つくり、今月末に全戸配布する。洪水は県が作成した想定最大規模降雨(1000年に1回の割合)による日高川水系の洪水浸水予想区域図。土砂災害は県が指定した市内全域の土砂災害警戒区域をもとに初めて作成。市は来年度から浸水地域を対象にした避難マニュアルづくりも検討している。

 全国各地で毎年のように豪雨や台風などで大きな被害が発生し、平成27年に国の水防災意識社会再構築ビジョン、水防法等が一部改正されたのを受け、県が日高川水系で24時間総雨量770ミリ、複数個所で堤防が決壊して浸水する最悪の場合をシミュレーションした洪水浸水想定区域図(浸水区域、浸水深、浸水継続時間、家屋倒壊等氾濫想定区域)を作成し、今年2月に公表した。
 浸水エリアは従来の100年に1回想定から大きく広がっており、御坊市の市街地を中心に市内の河北地区、野口から美浜町や日高町の西川流域、日高川町役場周辺にかけての日高平野全域の広範囲に及ぶ。浸水深は河川沿いや低地など最も深いところで10メートル以上あるが、平野部は0・5~3メートルのところが多い。
 御坊市内の浸水エリアは旧御坊町全域、JR御坊駅にかけての湯川町、道成寺駅周辺にかけての藤田町、野口など広範囲。最も深いところで河口左岸など3~5メートルがあるが、市街地の多くは0・5メートル~3メートル、あるいは0・5メートル未満。主な地点の浸水深は名屋地区津波避難タワー周辺で2・8メートル程度、新町地区同で1・8メートル程度、薗会館周辺で1・3メートル程度、市役所周辺で1メートル程度。
 平成19年度に作成したハザードマップは100年に1回の豪雨を想定したものだが、今回は「洪水時の逃げ遅れによる人的被害ゼロ」実現をめざした1000年に1回の豪雨を想定したもので、広範囲に及ぶ浸水範囲や浸水深を色分けし、分かりやすく表示することで利活用されるハザードマップをつくった。市民の防災意識を高めるために災害時に取るべき行動、風水害のリスク、わが家の家庭メモ、適切な避難行動なども掲載し、家庭や地域での避難対策に役立ててもらう。
 土砂災害は平成26年に改正された土砂災害防止法にもとづき県が「土砂災害警戒区域」を指定。急傾斜地崩壊、土石流、地すべりの3種類あり、急傾斜地崩壊は警戒区域90カ所(うち重複する特別警戒区域は86カ所)土石流は警戒区域51カ所(同40カ所)地すべりは警戒区域2カ所をそれぞれ指定しており、これに基づき指定区域をハザードマップに掲載した。


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