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旧野口橋~小熊大橋間の堆積土砂掘削し大規模な川替えへ 〈2016年12月18日〉

2016年12月19日 08時30分00秒 | 記事

堆積土砂(写真右側)を掘削し、護岸(写真上部)を強化する日高川


 御坊市、市議会から強い要望のあった野口、藤田町藤井地内の日高川防災対策で、県が新たに平成29年度から3カ年計画で旧野口橋~小熊大橋間の堆積土砂を掘削し、藤井~小熊の右岸に工事用道路を新設して護岸を強化する大規模な「川替え」を実施する。野口新橋下流で行った「川替え」で一定の効果があったことから第2弾として実施。今回は10万立方メートルという大量の土砂を掘削するため、市や議会も「大きな効果が期待できる」としている。

 平成23年9月の紀伊半島大水害以降、日高川ふれあい水辺公園や藤井多目的グラウンドの浸水被害が相次いでいることを受け、市と市議会が日高川の堆積土砂しゅんせつなどの対策を強く要望。堆積土砂を除去するには多額の予算がかかるため、県はまず平成27年度に野口新橋下流で行った低水護岸の災害復旧工事にあわせて「川替え」を実施する妙案をひねり出し、堆積土砂でつくられた中州の中央部分に延長560メートル、幅30メートル、深さ約2メートルの直線の河道を設け、水がまっすぐ流れるようにした。
 その後、上流部の対応についても検討し、旧野口橋~小熊大橋間でも河川修繕に併せて「川替え」を行うことにした。大量に堆積している土砂を延長約900メートル、幅約50メートルにわたって深さ1メートルほど掘削。掘削する土砂は約10万立方メートルあり、その土砂はすべて河川修繕で藤井、小熊側護岸の川を埋め立てて新設する延長約600メートル、幅約4メートルの工事用道路に活用する。堆積土砂を取り除き流下能力を向上させるとともに、川の流れを中央部方向に寄せることで増水時の陸上部への衝撃を緩和する狙いもある。
 工事は29年度から3カ年計画で実施。29年度は秋以降に堆積土砂のうち、まず旧野口橋からの延長約400メートルについて掘削し、それを藤井の土生川河口部を起点に新設する工事用道路に活用する。あわせて河川修繕で同河口部に新たに護岸根固めブロック(1個4トン)を陸上部134個、水中部165個置き、護岸を強化する。
 30年度~31年度で残りの堆積土砂約500メートルを掘削し、工事用道路を完成させるとともに河川修繕で小熊の護岸3カ所(総延長219メートル)で崩れてきている根固めブロックの補強、補充として新たに陸上部158個、水中部100個を置く。事業費は概算で約8000万円。うち川替えにかかる費用は約5000万円。
 先日の市議会産業厚生常任委員会で執行部が県の計画を説明したのに対し、委員から「県の取り組み、市の努力を評価したい。野口新橋下流の川替えで一定の効果があったが、今回の川替えではさらに大きな効果が期待できる」と評価し、引き続いての堆積土砂対策を要望した。日高振興局は第3弾として野口オートキャンプ場、市防災センター前の堆積土砂についても同様の川替えを計画している。


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