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故・西脇邦佶准尉(由良町出身)の日章旗返る 〈2016年12月21日〉

2016年12月21日 08時30分00秒 | 記事

故・邦佶さんの日章旗を手にする杉本会長、西脇さん、
畑中町長(右から)


 太平洋戦争に出征し昭和19年10月16日にニューギニアで戦死した由良町出身の陸軍准尉、西脇邦佶さんの遺品・日章旗が見つかり、19日に由良町役場で日高郡遺族連合会関係者から邦佶さんの兄の孫、西脇公一さん(65)=里=らに引き渡された。戦死の知らせしか聞かされてこなかった遺族にとっては唯一の遺品で、亡き邦佶さんをしのぶとともに平和への願いを一層強くしていた。

 日章旗は元米兵が戦地から持ち帰り長く保管していたが、死亡後に譲り受けた家族の希望によって、戦没者の遺品返還活動に取り組む米国の団体「オボン ソサエティ」を通じ日本遺族会、県遺族連合会、日高郡遺族連合会へと渡った。
 その後、県遺族連合会副会長で日高郡遺族連合会長の杉本正博さん(73)=みなべ町=が調査し遺族が判明、畑中雅央町長らが立ち会い手渡された。
 返還には西脇さんのほか、おいの梶哲雄さん(86)=大阪市=、めいの山本一恵さん(73)=由良町江ノ駒=も出席。日章旗は縦60センチ、横80センチで、日の丸の旗に故・西脇さんへの寄せ書きがされており、70年以上経た今も保存状態は良い。
 遺族によると、邦佶さんは8男2女の10人兄姉の末っ子で、20歳ぐらいで出征したという。
 戦争で父を亡くしている杉本会長は「役場から出征の赤紙が出ているので、ここで旗を返し終わりにさせないと、との思いがあり、役場で返還させて頂いた。西脇さんの日章旗が返ったことは自分たちの遺品が戻ってきたような気持ち」としみじみ話した。
 亡き大叔父の遺品を受けた西脇公一さんは「戦後70年以上経ち、こういう機会を与えて頂きありがたい。戦死した本人も喜んでいると思います。戦死しただけしか知らされず、遺品は一つもないので大事に保管していきたい」、おいの梶さんは「戦死した人たちの遺骨のある場所さえ分からない状況の中で、遺品が我々に戻ってきて非常にうれしく思っています。送って下さったアメリカの方々にありがとうとお伝えしたい」、めいの山本さんも「これで無事に家に帰れます。亡くなった父にも報告したいです」と話した。
 郡遺族連合会によると、日章旗など戦死者の遺品はこれまで日本に戻ってきているが、大半は遺族が判明しないため返還できないことが多く、今回のように遺族に引き渡されたケースは珍しいという。


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