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印南中3年生 中学生が講師となり防災講座 児童に体験談や紙芝居、実演も 〈2021年1月23日〉

2021年01月23日 08時30分00秒 | 記事

 印南中(野田明校長)の3年生8人が21日、印南小学校(榎本龍也校長)で「たのしく学ぼうぼうさいおすそわけ講座」を開いた。8人は児童に、昨秋に3年生全員で取り組んだ防災キャンプについて話したり、防災紙芝居を上演、テント設営や車いすの使い方を教えたほか、クイズも交えながら、防災キャンプの体験を通して感じたことや過去の災害教訓を次世代に伝えることの大切さなどを喚起した。

 おすそわけ講座は中学3年生の岡本亜結奈さん、山本玲奈さん、井川咲世さん、森心羽姫さん、保川惺奈さん、樫尾咲依里さん、周家大輝君、木下航希君の8人が印南小を訪れ、3、4年生48人を対象にランチルームで行った。はじめに岡本さんと山本さんが、昨年10月23日、24日に3年生38人が印南避難センターで取り組んだ防災キャンプで感じたことなどについて、昼間と夜間の2回、高台にある印南避難センターへ避難したことや、食事を準備する班などにに分かれて避難所運営に取り組んだこと、断水を想定して一人1・5リットル(ペットボトル水)で食事作りに使う水から飲料用までをまかなったこと、女子はセンター内2階和室に段ボール間仕切りを組み立て、男子はセンター前の芝生に一人用テントを設営し宿泊したことなどキャンプの様子をプロジェクター用スクリーンに写真を映し紹介しながら話した。
 夜間の避難では「街灯が少なく暗かった」、車いすの使って避難では「段差があったり、雨上がりでグレーチングが滑りやすかった」と所感を交え「日ごろから危険なところがないか調べて気をつけておいてください」と喚起。また「避難所生活で一番大切なことはみんなが協力することです」とし、最後に「災害は避けたくても避けられないものです。でも備えておけば被害を少なくすることができます。避難バッグを用意していますか? まだ用意していない人は食べ物と水、今の時期ならマスクやカイロ、上着なども入れて準備しておきましょう」と呼びかけた。
 (1)防災の日は何日?(答え・9月1日)(2)エレベーターに乗っている時に大きな地震が起こったらどうする?(全ての階のボタンを押す)(3)大地震に備えて非常食は何日分必要?(1週間)-など防災に関連した3択クイズのあと、防災紙芝居を上演。紙芝居は宝永の南海地震で犠牲になった157人の供養とともに二度と多くの犠牲者を出さないように作られ地元の印定寺に残る津波の記録などが記された「津波溺死霊名合同位牌」などを調べ、これがあったから147年後に起こった安政の南海地震では犠牲者ゼロだったことを基に、中学生が「つなぐ~犠牲者0を再び」を題名に創作したもの。過去の教訓を次世代に伝えることの大切さを訴える内容で、2月中に動画配信サイト「ユーチューブ」に公開する予定。
 最後に防災キャンプで使ったテントの設営方法や避難訓練で実践した車いすでの避難と車いすの使い方を実演。児童はテントに入って寝転がるなど体験した。
 4年生の中家奏瑠さんは「テントに入って寝たけど痛かった。防災の日が9月1日ということを初めて知った。家に帰ってお父さんやお母さんに話して防災バックを用意しておくようにしたい」。講師を務めた森心羽姫さんは「マスクや消毒液なども入れて防災バッグを用意しておいてくれる家庭が増えれば。伝えていくことで被害を少なくできるので、そのことを少しでも分かってもらえたのならうれしい」と話した。


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