警察官や消防士、自衛隊など危険性の高い業務に精励した人に贈られる第33回危険業務従事者叙勲の受章者が決まった。日高地方から瑞宝双光章に警察功労で御坊市塩屋町北塩屋739の39、元県警部の北本大雄氏(71)と、御坊市熊野122、元県警視の山添武二氏(72)。瑞宝単光章に矯正業務功労で由良町大引、元法務事務官の中谷有吾氏(62)-の3人が選ばれた。12月中旬に東京や県庁で伝達され、東京で拝謁する。県下受章者は31人で今回を含めて855人(2面に関連)。
瑞宝双光章 北本大雄氏 地域、刑事畑で活躍 昭和43年4月、県警察官に採用され、翌年4月に和歌山東署を振り出しに湯浅、新宮、串本、白浜など紀南地方を中心に勤務し、主に地域、刑事畑で活躍。
平成13年に御坊署に配属され「人とのつながりの大切さ」を心掛けて、薗、駅前交番で地域住民の安心安全のために尽力した。
印象に残っている事件は、30代で串本署で刑事をしていたころ。
事件現場からの帰り、国道をオートバイで走行する男を発見し、地元では見かけない人だと思い職務質問したところ、オートバイを盗んでいたことが分かり、その場で検挙した。その後の調べで、中国地方から関西にかけての広域窃盗を働いており、余罪が数100件もあったことには驚いたという。
「御坊署に勤務している時は、いろんな人に出会い、いろんな経験をさせていただいた」と振り返る。御坊署管内の防犯組織やボランティア団体は熱心で警察業務に協力的な人が多いため、各種団体の役員らとの関わった際にはさまざまな情報提供をしてもらったという。「人間関係が築けないと信頼してもらえない。信頼してもらうことが一番大事」。
退職後は、交番での相談員として、住民とのパイプ役となり、特殊詐欺防止の呼びかけなどに努めてきた。
北本氏の話 ありがたいことです。40年間健康で務めてこられたのは、いろんな人に支えていただいたおかげです。
瑞宝双光章 山添武二氏 事故の真相解明に尽力 昭和41年10月、県警察官に採用され、翌年10月から御坊署を振り出しに、本部交通事故係、本部交通指導課、海南署、高速道路交通警察隊、和歌山北署、岩出署、本部交通規制課、和歌山西署、本部交通部運転免許課、田辺署に勤務。ほとんどが交通畑で、事故現場での交通事故捜査や交通安全対策など業務に従事した。
主に、事故現場での交通捜査係として、死亡事故やひき逃げ事故などの際、当事者への聞き込み、車の損傷、スリップ痕、本人立ち会いの実況見分を行い、事故の真相解明に尽力した。
新人で御坊署に配属されたころ、警察官が今の消防救急隊のような活動をしていたという。由良町の国道42号から車が池に転落した事故では、血まみれの女性を背負い、斜面を登った。「真っ先に負傷者の救護をするのが当たり前だった。当時は事故が多くパトカーに乗せて病院まで運び、シートに着いた血を非番の日に洗っていた」と振り返る。
平成5年、2度目の御坊署勤務では交通課長として、地域の交通安全、円滑対策に努めた。御坊IC開通前に、交通量の増加が予想される道路の渋滞防止のために各行政機関と智恵を絞り合って協議し、道路交通の円滑化を図った。
退職後は県交通安全協会職員として活躍した。
山添氏の話 本当に光栄で名誉なことだと思うが、単に仕事をしてきただけです。多くの皆さんに助けていただき感謝しています。
その他の主なニュース
● 日高看護学校で宣誓式 看護の道目指し決意新た
● 全国防犯功労者及び団体表彰で米原史夫氏(北野口)に栄誉銅章、西富安パトロール隊は功労ボランティア団体
● 印南町 あいさつ声かけ運動標語入賞者決まる 最優秀賞に廣原悠眞君、吉岡美優さん、山本怜奈さん
● 中学生対象の日高地方競書会審査会 硬筆、毛筆で特賞100点選ぶ