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アジア文化財 日メコン交流年10周年記念、花本嘉一さん(印南町)の作品「七夕」を認定  〈2019年8月2日〉

2019年08月02日 08時30分00秒 | 記事

認定書を手にする花本嘉一さん

アジア文化財に認定された「七夕」


 日本とメコン地域諸国(カンボジア、タイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス)で2009年から始まった交流年から10周年を迎えるにあたり、記念交流展「日本美術とメコン美術『アジア芸術検証』」で、印南町古井、花本嘉一さん(83)=全日本写真連盟所属=の作品「七夕」がアジア文化財認定を受けた。認定を受けた作品は洋画や水墨画、書など36点。写真は花本さんが唯一で、このほど届いた認定書を手に花本さんは「とても栄誉なことでうれしいです」と喜んでいる。

 2008年1月に日本で開催された日メコン外相会議を機に「ともに未来へ、日本とメコン」をキャッチフレーズに翌年、日メコン交流年が制定。以来、経済や文化など幅広い分野で交流事業が行われている。今回、10周年を迎えるにあたり、アジアにおける美術の重要性と教育性を検証するため、今年2月に東京・上野の東京文化会館で「アジア芸術検証」が開かれ、実行委員長で元国立シラパコーン大学芸術学部長、アマリット・チュスワン氏が作品選考を行い、日本から出品の花本さんの作品を含め、洋画19点、水墨画6点、書4点、日本画と工芸各2点、版画と陶芸各1点の合わせて36点がアジア文化財に認定された。
 認定を受けた花本さんの作品「七夕」は、地元の河原を七夕飾りを持って走る親子を収めたもの。これまで同作品はタイ王国の国王にも献上し、国王の所蔵品に収められている。アマリット氏も講評で「初めてこの作品を見た時、笹の葉を持ってなぜ走っているのかと思ったんです。日本の伝統行事は非常におもしろいと感じましたが、流し撮りという花本先生の独自の技法ということを知りました。躍動感やスピードが作品に与えられ、走っているように見える。こうした作品を見ると画家も写真作家から学ぶことがあると感じました」と絶賛している。
 作品が認定を受けたことに花本さんは「選ばれたことに驚いている。これを励みにこれからも作品を撮り続けたい」と喜んでいる。


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