現場からポータブルエコーの動画を送信して
医大専門医が4Kテレビを介し助言
2020年の実用化を目指し、総務省主導で研究開発が進められている超高速の移動通信システム「5G」を導入した遠隔診療の実証実験は、昨年に引き続き日高川町川原河の国保川上診療所と和歌山市の県立医大で実施。同診療所医師の訪問診療先と医大間を接続した遠隔診療や地方病院医師の医療分野の遠隔教育の実証実験は円滑に進められた。
昨年2月から3月に総務省から(株)NTTドコモが請け負い、首都圏以外では和歌山県が初、医療分野においても初めてとなる実証実験を実施。県が推進しているへき地診療所と医大を結ぶ遠隔医療システムの一環で日高川町保健福祉センター内にある同診療所と医大を結ぶ回線の一部に5Gを導入。高精細な映像(4K)をリアルタイムで共有することで、医大の専門医が高度医療をサポートする実証試験が行われた。
今年度は21日に行われた実証実験で同センター内に模擬訪問医療先を設けて、診療所の医師が慢性心不全の日高川町の男性(86)を診療。現場には持ち運びやすい小型の4Kテレビやポータブルエコーとタブレットを使い、高精細な動画を送信するなどしながら、現場の医師が患者の状況を伝え、医大の専門医が中継映像を見ながら、今後の治療方針を助言。このほか、診療所の若手医師が内視鏡カメラとシミュレーターを使い、技術指導する遠隔教育のテストも行った。
通信移動システム「5G」は、現行のLTE方式に比べて100倍の最高伝達速度などを実現する超高速、多数同時接続、超低遅延の性能がある。これまで数十例の遠隔診療を行っており、平林直樹所長は「今回も映像は鮮明で遅延もなく、円滑にコミュニケーションが取れて診察できた。高齢者になると移動手段を持たない人もいるため、今回の訪問先でできるシステムはありがたい。へき地医療に有効で、解像度の高い画像で正確に診断して、指導もいただける」と話し、今回、診察を受けた男性も「医大の先生に見てもらえるのはうれしい」と喜んだ。
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