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東京で開催の「地域伝統芸能まつり」に御坊祭の上組が出演へ 〈2016年12月14日〉

2016年12月14日 08時30分00秒 | 記事

上組の四つ太鼓と獅子舞


 来年2月26日に東京・NHKホールで開かれる「第17回地域伝統芸能まつり」(実行委員会、一般財団法人地域創造主催、総務省、NHKなど後援)に、御坊市の小竹八幡神社秋季例祭「御坊祭」が近畿で唯一出演することが決まった。日本各地の伝統芸能が一堂に会するイベントで御坊祭は獅子舞と四つ太鼓に白羽の矢が立った。同神社氏子組の中から上組(岩渕貞実行司代表)が実演する。県内からの出演は10年ぶり2回目で、その模様は全国ネットでテレビ放映されることから伝統芸能の継承と地域活性化とともに御坊祭のPR、観光面での誘客にもつながると期待されている。

 地域伝統芸能まつりは地域の伝統文化の保存・継承、魅力ある地域づくりや地域活性化など図ることを目的としたイベントで平成12年度からスタート。これまで16回で全国169演目が披露している。今回は「妖(あやかし)~惑わされ、引き込まれ、狂わされ~」をテーマとし出演は、岩手県大船渡市の「浦浜念仏剣舞」や秋田県羽後町の「西馬内盆踊り」、広島県安芸高田市の「ひろしま安芸高田神楽」、沖縄県うるま市の「エイサー」など7演目。御坊祭は歴史的にはっきりとした由緒があり、勇壮な獅子舞と力強く威勢のいい四つ太鼓はイベントにふさわしく、演出的にも華やかなことから祭礼に詳しい関係者が注目、NHK理事や京大名誉教授、国際日本文化研究センター顧問や作家、画家ら10人の有識者による実行委員会の選考の結果選ばれた。県内からの出演は和歌山市木ノ本の獅子舞以来となる。
 御坊祭は毎年10月5日に行われる日高地方最大の祭礼。祭りの起源は定かではないが、中世に中断した後、寛永19年(1642年)に「すぐさま祭を行え」と神のお告げがあり再興したと伝えられる。現在は獅子舞や奴踊、戯瓢(けほん)踊、雀踊など奉納。歌舞伎風に化粧した男児を乗せた四つ太鼓が伊勢音頭に合わせて練り歩き、10メートル以上の大幟が力自慢の若衆によって差し上げられる。
 本番では上組の若衆ら総勢約60人が出演。出演時間は12~13分程度に限られているため、獅子舞と四つ太鼓は見せ場を短縮した形で披露し、屋台や幟差しも見せることにしている。来年1月の御坊市民文化会館でのリハーサルやNHKホールでの直前リハーサルなどで仕上げて舞台に臨む。
 12日にはNHK関係者が市教育委員会を訪れ、行司代表の岩渕さんらに出演を依頼し、本番に向けての打ち合わせを行った。当日の模様は後日Eテレで放映される。岩渕さんは「めったにないことなのでとても光栄。しっかりと練習して当日は盛り上がって、勇壮な獅子舞と威勢のいい四つ太鼓を披露したい」と意気込み、行司会の柚瀬清会長は「全国に御坊をアピールして観光にもつなげられれば」と期待を寄せている。


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