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美山産品販売所、開店半年で売り上げ3倍増も出品量伸びず 〈2016年10月21日〉

2016年10月21日 08時30分00秒 | 記事

木の温もりが感じられる店内だが、品揃えの不足が経営に影響も


 日高川町が、椿山ダム畔のリフレッシュエリア美山の里森林公園前駐車場に4月9日に開店した新美山産品販売所「道のほっとステーションみやまの里」は、オープンから半年が経ち、売上が対前年度比で約3倍の約1450万円に激増した。一方、愛徳荘内に併設していた前年までに比べ、人件費や光熱費などの経費が大幅に増加し、店頭に並ぶ商品の数量が増えない影響などもあり、経営環境は厳しい状況にある。

 新産品所は、4月9日にオープンし、記念の催しが行われた初日は、大勢の買い物客で賑わった。その後も隣接する森林公園でふじまつりが開かれ、開店から1カ月間で、前年1年間の6割分に相当する約540万円の売上を記録するなど好調なスタートを切った。
 高速道路の南進などで、販売所付近から龍神方面と金屋方面に通じる国道424号線の交通量は、以前に比べて激減。平日の来店者数の増加が望めない環境だが、指定管理で運営する(株)フラット・フィールド・オペレーションズは、本社のある大阪府泉大津市から愛徳荘への日帰り客を誘致するなど、産品所への誘客に努めたこともあり、半年間でレジを通った利用者は約1万5000人で、売り上げ同様に前年度比で約3倍に伸びた。
 売り場面積が広くなり、地元民の利便性を考えた日用雑貨などを販売するスペースを設けたことも来店者と売り上げ増に寄与しているが、収益は販売手数料などによる約400万円にとどまっており、常駐2人分の人件費や光熱費などの経費を差し引けば赤字に。愛徳荘併設時は、人件費などの経費が削減できたため、わずかに黒字運営だったが、新施設の開店で必然的に経費が増加し、経営面では厳しい状況に転じている。
 赤字経営解消のためには、品揃えを増加させ、1人の来店者に対する売上増が必要で、運営側では地元に出品を呼びかけているが、出品数は増えない状況が続き、他の販売所から商品を調達している状態。このため、生産者が出品する商品の集荷にあわせ、逆に生産者が購入する商品を配送するシステムも検討したが、公的施設という配慮から制約を受けるなど、住民や生産者の要望に応えられない状況も商品の不足に影響しているという。
 来店者が比較的多い秋から年末年始を過ぎれば、春までは閑散期になり、経営上、従業員の減員を余儀なくされる恐れもある。同社では「地元の声に耳を傾け、まずは利益より住民の利便性を高めることで、出品数の増加に取り組むことが安定した経営につながると考えています。お年寄りの生産者が1つの商品でも出品できるような地域限定のシステムなどで商品が循環する仕組みを構築できれば」と話している。


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