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危険業務従事者叙勲、管内は門完次(日高川町)垣内孝司(御坊市)両氏受章 〈2016年10月9日〉

2016年10月11日 08時30分00秒 | 記事

 警察官や消防士、自衛隊など危険性の高い業務に精励した人に贈られる第27回危険業務従事者叙勲の受章者が決まった。日高地方から瑞宝双光章に日高川町佐井580の2、元県警部の門完次氏(70)、瑞宝単光章に御坊市野口830、元同市消防司令の垣内孝司氏(65)-の2人が選ばれた。それぞれ警察、消防業務に献身的に務め、住民の安心、安全に尽くした。11月上~中旬に東京や県庁で伝達され、東京で拝謁する。県下受章者は28人で今回を含めて685人となった。国の栄典制度改革で平成15年秋の叙勲から創設された。

地域を愛し、愛された警察官
瑞宝双光章 門完次氏

 平成5年から13年まで8年間赴任した御坊警察署中津駐在所時代は「村の駐在さん」として地域に愛されるなど、昭和39年に県警に採用されて以来、41年余り地域の治安維持に努めた。
 湯浅、串本両署の刑事課や古座警部派出所、和歌山西、新宮両署の交通課を経て平成元年に御坊署に赴任。同署交通課などのあと、平成5年に中津駐在所に移った。「中津で過ごした8年間が最高の警察官人生だった」と話すなど、地域を愛し、地域に愛された警察官として活躍した。
 中津駐在所で印象に残るのは、日高中津が分校史上初の甲子園出場した平成9年春。村民のほとんどが甲子園に駆けつけ、出発の応援バスを見送ったあと、人気がない村中をパトロール。敗戦後のテレビ取材では感極まって言葉に詰まりそれを見た全国の視聴者から励ましの手紙をもらったのが忘れられないという。
 40年余の警察人生で遭遇した一番の事件は、古座駅ホームで発生した薬物中毒者による改造拳銃乱射事件。同僚と2人で現場に駆けつけ、威嚇発射する同僚と犯人が銃撃戦となり、銃を乱射する犯人に警棒だけで立ち向かい、銃を叩き落として逮捕し、2度目の県警本部長賞(6回)を受けた。「当時の銃は性能が悪く弾が当たらなくて本当に運が良かった」と振り返る。
 門氏の話 地域の人に大事にしてもらったことが一番。地域とともに頂けた章だと思います。地道に健康で勤務できたことが何よりうれしいです。

長い間消防の発展に貢献
瑞宝単光章 垣内孝司氏

 昭和45年3月、御坊市消防本部消防士に拝命され、42年余の長い間、豊富な知識と経験を生かし、消防本部の発展に貢献。現場では、実行力と卓越した指揮力を発揮し、被害を最小限度に抑えるなど功績は顕著だ。最終階級は消防司令。
 県立南部高校卒業後、「人助けをしたい」「人のためになりたい」との思いから、消防士になることを決意。その後、警防業務を中心に様々な災害現場や、人命救助の最前線で活躍した。入って1年ほど経ち、まだ新人だったころ、大規模な林野火災が発生。負傷者はなかったものの、御坊市名田町から印南町にわたり、草木などが燃え広がり、鎮火するまで3日間かかった。寝る暇などなく、延焼を抑えるため、木を伐採したり、消火活動を続けた。
 平成21年4月1日、消防署長に就任。「被害に遭っている人だけではなく、隊員のことも考えなければならなくなった」と振り返り、多くの葛藤もあった。平成23年1月に発生した民家全焼火災では、猛烈な勢いで火が瞬く間に燃え広がる中、冷静に状況を判断し、職員、消防団員らに的確に指示。細かい配慮で安全管理を徹底しつつ、消火活動を指揮した。救急業務の高度化に伴い、救急救命士の養成にいち早く着手したほか、地域の救命率の向上を図った。
 垣内氏の話 人に恵まれました。家族、先輩、後輩、みんなに助けていただいたことに本当に感謝しています。今後も地域のために協力していきたい。


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