Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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CMC 1/18 Ferrari312P サスペンション調整

2014-03-14 21:05:02 | その他
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いや~昨夜の地震はビックリしましたね~。
昨夜私が就寝したのが0時30分くらいでした、疲れも有って爆睡してましたら誰かが体を揺すります・・・誰?と思った瞬間にグラグラっと来ました。
その後も当分揺れているのがわかりましたね~
家の中でも外でも大きな音はしなかったので多分大丈夫と思ってそのまま寝てしまいました。
震源は伊予灘辺りという事ですので九州から中国、四国、近畿辺りまで揺れたんじゃないでしょうか?
西日本にお住まいの方はたいそう驚かれたんじゃないでしょうか??
多少怪我をされた方は有った様ですが現時点では大事無いと伺っています。

今日は昨日のエントリーに続き調整編をお届けしましょう。
まずフロント側からですが特に酷い右のアップライトを外そうと思います。
アップライトの上下を留めるビスを外す為にはこの三角型のカバーを外さなければなりませんが・・・これがなかなか外れない・・・。
ただのプレスしたカバーに見えますが・・・実は・・・

よく見るとプレスしたカバーには3方の角に穴が空けてあってそこにピンを刺して接着されています。
普通ならこの三ヶ所のピンの頭もプレスで作ってしまうでしょう、でもこれがCMC流の構成なんでしょうか??
六角ボルトならまだ格好がつくのですが丸頭のピンではプレスと見間違える事は有ってもボルトには見えないのですが・・・結果部品点数が増えるのでコストが上がるだけの様な気がしますが・・・。

これでやっとアップライトを止める為のビスにアクセスする事が出来ました。
普通のビスに見えますが・・・実は先が尖っているタッピングになっています。
タッピングはねじ切りの手間を省略する為に使われたんでしょうね。

やっとアップライトを外す事が出来ました。
ネジ部分は少し膨らんでいましてアッパーアームのここが当たる部分も凹めてありましてビスを締めた時に位置がズレ難くしてあります。
この穴の位置が内側に寄り過ぎていましてアップライトが相対的に外側に出ているのです。

アップライトのアッパーアームの止まるビス穴をその外側にずらして開けました。
このアップライトは一見プラ製の様に見えますがここも実はダイキャストなので穴を開けるのが硬くて大変なんです。

もう一つ困った事にこのサスペンションまわりの止めなのです。
力がかかる部分はビスなのですがそう力がかからない部分は鳩目を使っているのです。
この鳩目をカシメて止めるのですが少し力がかかり過ぎるとダイキャストの穴のまわりに過大な力がかかって割れているのです。
恐らくはコストの問題から鳩目を使用したのかもしれませんが・・・今回はアップライトのステアリングロッドの受けにヒビが入っていた様でカシメた部分をダイヤモンドビットを付けたリューターで削り取った時点でポロリと折れてしまいました。ビス止めの場所ではこんな事は無かったのに・・・やはりカシメの力加減が難しいのでしょう。

折れた物は直さないともとに戻りません。
真鍮板でコの字型のステーを作りました、しかしこのまま接着ではステアしたときの強度が不足してしまいますので1.0mmのピンをステーにハンダ付けしておいてアップライトに接着する方法をとっています。
過去に何度か同じ方法を使って修理しましたが再修理になった物は一つもないので強度的には元よりも良いですね。
実車でもアップライトがマグネシウム合金の場合レース中の破断を恐れてこの部分だけにスチール製の部品を使った物を見た事が有ります、接着とボルトナットで止め方は違いますが考え方としては同じかもしれませんね。

新しく作った金具に極小ビスのネジを切る為にタップを立てています。
上側はバカ穴にしておいて下側だけにネジを切るのです。

ネジはこんな感じで・・・このネジでステアリングロッドを止めます。

いよいよアップライトに接着します。
こんな部分に使うのは2液製のエポキシ接着剤ですよ。

アップライトの止めビスも位置を変えていますのでステアリングロッドは長過ぎます、そしてこのステアリングロッドもダイキャストで出来ていますのでこのままでは短縮出来ないのです。
仕方が無いからこのロッドは真鍮で作り直しになります。
ビス穴の中間で12mm程ですね・・・。

付いていたロッドを計ってみると13.5mm程ですから1.5mmも長さが違っています。
アッパーアームの取り付け位置を変えた事と元々トーアウトの状態でしたのでそれを補修して1.5mmの違いになった様ですね。

ステアリングのタイロッドを作り直しますが只今旋盤で作っているのはボールジョイントの部分です。

おおまかな形状に切り出しておいて今度はリューターで先端を玉の様に削ります。

玉の部分はボールジョイント六角な部分は長さをアジャストする為のナットですね。

玉の部分の両面を削って整えます。

中央に穴を開けます。

組立てますとこんな感じでしょうか?
ロッドの両端にこれが付いて長さをアジャスト出来るのが実車ですね、これは模型だからで来ませんが・・・ご注文が有れば作りますけど・・・(笑


ハンダ付けをして作ったのがこれです。
上側は元々の部品でして少し長いのがわかりますね。

左右のタイロッドを塗装して取付けました。
タイヤの向きもこれなら良いですよね~!


左側のタイヤは位置関係が微妙だったので今回はアッパーアームの取付けを変更する事はせずにトーアウトだけ直しております。
左側が若干・・・ほんの僅かだけポジティブキャンバーですがミニカーとしてのタイヤのガタのうちに収まりますので今回はスルーしています。



さて今度はリアです。
リアはちょっと問題があります。
ウイッシュボーンを前から支えるテンションロッドが長いのが原因なのですがテンションロッドの前側はどうやっても全バラしない限り外す事が出来ないのです。
また例の鳩目なのでリューターのビットさえ入れば鳩目を取る事は出来ますが後でビスをねじ込む事が出来ないのです。
ですから付けたまま修正をしなければなりませんね~。
テンションロッドの後ろ側の鳩目を削り取って外しロッドを一度切り取ってパイプでつなぎました。
真鍮パイプは内径の丁度良い物がないので旋盤で内径を削っております。


テンションロッドを調節してやるとタイヤはホイールアーチの真中に収まってくれます。
これくらいで如何でしょうか?

反対側も・・・

前後の雰囲気も確認して下さい。

ここまで来たらフロントカウルも取り付けて確認しておきましょう。
オ~残念な事に給油キャップがカウルに当たってしまい取付けられませんので少し削りあわせました。
塗料が剥がれているのがその部分です。
この後塗料を調合してタッチアップをしておきました。

これだけ調整してもフロントカウルの下側は合いませんでした。
もしも完璧に合わせるならフロントカウルの塗装を剥がして削りあわせもう一度再塗装をするしかないですね。
今回はそこまでは要求されていませんので今回はここまでと致しましょう。


最後はお決まりのクリーニングです。
この完成品だけでしょうけれどリアのルーバーに艶出し剤か接着剤が付いた跡が有りまして模様になっていたので一番刺激の少ないタミヤエナメルシンナーで拭き取っておきましたらまずまず奇麗になりました。
最悪はフラットブラックを塗ろうかと思っていましたがこれで奇麗になったのでワックスをかけて終了に致しました。


CMCは確かに大変よく出来たミニカーです。
しかし3Dで緻密な設計していると思われますが、どうやら組立て現場での精度が不足し始めたのではないでしょうか?
設計はどんどん精密な模型を設計するのだけど部品の製作や組立ての現場では設計室の中での精密さが出せないのではないかと思います。
まあ販売の現場では他の商品との差別化でどんどん精密さが要求されて来ています。
そのバランスが乱れて来ている様に思えて仕方が無いですね、まあこれは僕が言ってもしょうがない事なんですが(笑)

本日フェラーリ312Pは発送致しましたので明日には帰宅すると思われます、宅配便さんによれば明日はご依頼者宅の近くてハーフマラソンとかのイベントが有る様で配送遅れが出る可能性が有るらしいです、無事に到着すると良いですが・・・。

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