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kotoba日記                     小久保圭介

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雨を待っていた

2008年04月07日 | 生活
電車は北に向かっていった。
駅で降り、トンネルを抜けた。
橋を渡り、道を行った。
花、舞い散り、
十字路で信号待ち、直進。
山の間の道を、上り坂を。
右横に渓流、
モズが運んだみかんの皮、
が、冬の間、枝に刺さっていた。

空はグレイ、風、少し。
植物の名前の数々、
蛇行する道。
ふり返ると、
山の木々が、
風に揺れている。

茶店は、午後から開店。
そのテーブルは、
渓流の間近。
道路を横切り、
石段を登る。
終わりかけのしだれ桜。
新しい墓石。

定、
言葉の煙、
定、
言葉の母屋。

来た道を戻り、
空はグレイ。


岩沿いに道を行き、
川を見。
トンネルを抜け、
電車はさらに北へ向かう。
一回、乗り継ぎ、
改札を抜けて、
空、さらにグレイ、風、出、
公園へ向かい、
桜だらけの道を行き、
浅瀬の川。
東の山の、
もっと向こう、
雪がまだ山頂に残り、
空、グレイなれど、
桜、桜色、

グレイと桜色のコンビネイション、

旧道は細道、
さらに東に向かい、
小川の音に耳全部、
水の流れの音の楽譜の創始者は誰。
桜、桜、雨風、
苔の茶色、
春の終いに、緑と化す。
空、いよいよ、グレイ極まり、
来た道でない道を、
歩、歩、
雨、来、
傘。
歩、さらに速く、
最後の桜の姿、

今夜の強雨で、
小川も桜も池も道も、
その姿、変わりゆく。

電車は南へ向かい、
一度乗り換え、
南、南へ、
窓、雨の模様、
山に雨降り、
雨を待っていた、
雨を待っていた、
雨を待っていた、

駅に立ち、
バスに乗り、
またバスに乗る時は、
雨、さらに強く、
バスは暗き道をねじり行き、
光1丁目、
光2丁目、
光3丁目、
と進み、
切符を手にし、
桃の木の続き、
桃色、ピンク、
桜より、それ濃き。
バスは迷宮へ、
終いは予想通り、
異界の門、
バスを降り、
水たまりを歩き、
丘の上で、
妙技の雨、
絶え間なく、
手拍子、鳴り、
新たなバスに乗り、
丘を下り、
まるでここは旅先の山道、

雨を待っていた、

手拍子を打ち鳴らし、
春の雨の夜のバス、
窓に水滴、
道路を跳ねる無数の水立ち、
雨を待っていた、
雨を待っていた、
異界から戻り、
バス停は、水だらけ、
渓流も、墓石も、
緑の池も、
雨で姿変え、
空に映す。

電車は、
駅から走り出す。
傘は、
雨を待っていた、
言葉の旅、その行方、
言葉の旅、その、行方、
虹色の魂、
いつになく、交わり、
雨を待っていた、
雨を待っていた。















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