kotoba日記                     小久保圭介

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超理性

2021年09月24日 | 生活
  






「それはセロリでござる」
と忍び武士が言った
つまりは
育った環境が違うので
好き嫌いは当たり前なのだ
と山崎まさよしさんが『セロリ』という
楽曲で歌っているではないか
とのご指摘

早速調べる

『育ってきた環境が違うから
 好き嫌いはイナメナイ
 夏がだめだったり
 セロリが好きだったりするのね』

という歌詞の冒頭から
あとは恋愛の歌になってゆく

問題は忍び武士の引用の素晴らしさである
山の中で忍びつつ
この男は
山崎まさよしを聞いていたとは
知らなかった
いったい山の中で何をしてござるのか。。。


つまり、貧困家庭で生まれた、中産階級で生まれた、裕福家庭に生まれた、
日本で生まれた、韓国に祖先を持つ、フィリピンに祖先を持つ、
背が高い家系、そうでない家系、親がハンバーグしか食べない家、そうでない家、
犬がいた家庭、猫がいた家庭、まあそれはそれで
いろいろあって
育った環境が違うので、いろいろ違うのは当たり前です
ということですね

電脳姉妹から吹き矢が飛んできたので
とっさに手で掴み
その吹き矢に挟まれた文字を見る

かくかくしかじか

そこで我、物思う人となる

かくかくしかじかで
と忍び武士に聞いてみると
「いや、それは違うと思います」
と言う

まず生殖論になった
「ねえ、精子って何億も発射されてそれで『どけやあほだら』だか『何じゃあおのれ、前どかんかい』と蹴り飛ばしたり、邪魔してとにかく卵巣まで尾ひれを使って必死に泳ぐよねえ」
「違います」
忍び武士は否定した。
「精子を選ぶのは女体でござる」
「は」
「女性のDNAの中で優秀な精子を選別しているのであって、精子同士が競い合っているわけではござらぬ。あくまで全員泳ぐのですけれど、最終的に受け入れるのは女体の中に仕組まれている優劣の精子を見分ける能力遺伝子でござる」
「あ、あ、そう」
わたしは今までずっと精子同士が競い合っているのだとばかり思っていた
なるほど

次は優生論
「果たしてトリアージは優先論なのか」
ということになり
「そうですね」
と忍び武士は納得した
その後
一人で考えて
「いやちょっと待って。トリアージは人間の経験年数が多い人とまだこれからたくさん経験する人をくらべ、優生論ではなく、経験と未経験との区別ではなかろうか。もうたくさん人生を経験した人とこれからの若き人というトリアージではなかろうか」
「確かに」
と忍び武士も納得

「自分が正しいという考え方は、利己主義だよね」
「そうですね」
「それって、他を認める能力があるかないかだもん、そう思う」
「確かに」

忍び武士が行ったあと
わたしは『ソフィーの選択』という映画について
考えていた
それはまあおいておく

忍び武士が戻ってきた
わたしは熱く語る
「そもそも『理性』という言葉が本能に対応していないんじゃないか」
「……」
「本能を抑えるために理性が生まれた。理性→IT、ロボット。本能→身体感覚。本能って凄いもんなんだよ。たとえば、海の波が本能なら、理性って堤防だよね。山火事の炎が本能なら、理性ってたかが火消しだもん。かなわないし、とうていスケールが違う。本能ってセックスでも食べることでも何でもそうだけど、破壊でしょ。波って堤防壊すし、超えるし、山火事の炎は延々と燃え広がり、山を焼き尽くすまで燃えるから。そこで消防車なんて話にならない。雨だって無理だよ山火事は。こうやって熱い日光が来るとみんな帽子被るけど、それって帽子なんかじゃ到底太陽にはかなわない。つまり、本能に理性っていうのは付け焼き刃みたいなもんで、焼け石に水、程度なんだって」
「なるほど。だから小久保さん、社会は全部が本能を抑えるために総動員するのでござる。法律も制度も教育も福祉もすべてが全力で取り組まないと本能っていうものは抑えられない」

忍び武士が去ったあと
わたし
鉄の箱を見ていた
「これだ」
と直感した

理性とは金属である
檻、鉄箱、鎖

すべて鉄でできている

だったら三種の神器
剣(鉄)
勾玉(?)
鏡(?)

おそらく鉄と鉱物が原料を担っているはず
となると
神道の神器とは
鉄ではないのか
それは身体感覚を抑えるための
抑制物としても在るのではなかろうか?

本能は常に動的
理性は常に静的

これは文字から連想した
能動的=受動的

一番大きな問題は
『言葉の問題』

サウス先生が来た
「かくかくしかじか」

サウス先生の言葉はある種
的を得ていた

これは世代と地方と都会とでも
ずいぶん様相を異にすると結する

つまりは個々人の捉え方であり
全体をどっちということではない
と忍び武士とサウス先生の言葉を聞いて
納得した


そうか、起源がそこにあったのか
と膝を打つ

いずれにしても
巨大な本能に
AIの如く
鉄の思想で
はじめて
本能に対応できる言葉を
見つける
理性など
まったく脆弱極まりない

とりあえずは
本能に対応する言葉を
超理性とでも呼んでおく

大きなものに
ぶつかった
それは電脳姉妹の吹き矢の書き切れから
問われたもの
わたしはまだ訓練せねばならない

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