kotoba日記                     小久保圭介

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たくさんもらう

2018年09月27日 | 生活
雨のちくもり

ヤスオさんの黒電話
世の中には
もの凄い感じで
生きている人がいる
ヤスオさんがそう

ヤスオさんはケータイを持たない
「血圧が高い」
と言って
数値を訊くと
驚く
「ヤスオさん、医者行って薬飲んだ方がいいですよ」
と言うと
しばらく沈黙したあと
「医者は行かん」

医者にも行かない
お金がないわけじゃない
だから家にある黒電話が
唯一の電話手段
しかもダイヤル式
モジュラスコートはあるようだけれど
プッシュホンはこわれる
という理由で
ダイヤル式
だから
「だから向こう(どこかの電話ガイダンス)が『プッシュしてくれ』って言っても押せん」
とユーモアたっぷりに言う
もうYさんと笑う笑う笑う

あんなふうに
生きてみたい
と心底思う
一生懸命
誰よりも
労働し
人が休んでいるときも
労働している
だからといって
賃金があがるわけじゃない
そういうふうに
生きている人に出会うだけで
こっちがきれいになる
ヤスオさんは
本当にきれい

ヤスオさんと労働できる幸せ
たくさん
もらう

頭上
薄き青
発見

いびきの歌

手帖に書いた
3ページにわたる
歌詞の数々
そのページごと
はぎとり
まるめて
ャPットに
家に帰って
ゴミ箱へ
今日のうちに
燃えるゴミに出す

持っていてはいけない
歌詞
歌ってはいけない歌詞
ガラケーに書きこんだ歌詞も
スマホに書きこんだ歌詞も
全部
削除した
言霊は時に脅威となる
その恐ろしさを
この春からやっと
知るに至る

歌ってはいけない歌詞
歌ってよい歌詞
その境目

一見
最初は
歌って気持ちよい
だがしかし
言霊の脅威を
知るに至るのが遅かった
まだ間に合うと思い
破る
捨てる
消す

地上に見えるもの
薄暮の中にあるもの
それは言葉だった


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