kotoba日記                     小久保圭介

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川っぺりムコリッタ

2022年09月18日 | 生活

         

荻上直子監督

という見出しを新聞で

見ると

安心する

この監督が制作した作品で

『かもめ食堂』『めがね』は何度も見た

見ていて安心する

雑雑とした現代社会で

このような監督が一人いるだけで

ホッとするのは

わたしだけではないでしょう

足るを知る

作品は最小限の登場人物で構成され

最小限のセリフ

最小限の動作

『めがね』の中で

「梅はその日の難逃れ」

という言葉がでてくる

朝 梅干しを一個食べるだけで

その日の難を逃れることができるという意

梅干しは強い殺菌力があり

口内環境を整え

胃腸の環境を整える

梅干しは塩分こそあれ

アルカリ性の食べ物

人体が酸性に傾くと

錆びが出てよろしくない

そこでアルカリ性食品かつ発酵食品の

梅干しを食べる

理にかなった諺

現代人がすっかり忘れている

アルカリ性の身体と

生物が本来持っている

生きる速度を

元に戻す作品群

ともかくゆっくりすること

生活を小さくすることが

二つの作品で描かれている

異常なスピードと情報の渦中で

みんな心身が壊れる

作品には海が出てくる

防波堤に座って

ビールを飲みながら

フランス語で詩を朗読したりする

知的な作品と言ってしまえば

身も蓋もない

知的とは

そんなふうに使う言葉ではない

本来の人の生活

人体に合った

生きる速度と知るべき知恵

生きる知恵とでもいいたい

荻上直子監督の作品を

全部見たわけではない

気に入った作品を何度も見る

監督もそれが本意だと思う

新聞で紹介されているのは

新作『川っぺりムコリッタ』映画『川っぺりムコリッタ』|2022年9月16日(金)全国ロードショー (kawa-movie.jp)

見たい

何故か

見たいから

こういう言い方が

荻上直子監督の雰囲気に合っているのではないかな

詩人に置き換えると

谷川俊太郎

違う

あそこまで作為的ではない

茨木のり子

違う

あそこまで勇ましくはない

石垣りん

違う

あそこまで

生活的でもない

もっと森羅万象に沿って

一体となって

過ごす生活

足るを知る

今回の題「ムコリッタ」とは

仏教の時間の単位の一つらしく

現代の時間に直すと

48分となるそうな

そこで思い浮かべるのは

平明で誰でも読める詩人

八木重吉に似ている

八木重吉は

敬虔なクリスチャンだったけれど

今回の新作は仏教を通じて

死生を緩やかにユーモラスに

描いた作品だそう

キャストを見れば

みんな繊細なひとたちばかり

強欲な世界からはほど遠く

真の静けさを体現する

映画監督の

新作は

きっと仏像が並んだ

仄暗い御堂の静けさを

たたえているに違いない


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