長靴
足の皮がむけて
痛し
労働場で
ガムテープを探し
貼って
解決
中村哲さんのことを
思う
動画の中で
64歳の中村医師は
アフガニスタンの人たちと
袋に入った
おそらく石を背負う
よろける
唐黷サうになる
重くて
それを背後から
二人のアフガニスタンの人たちが
助け
支える
中村医師は無事に背負い
一緒に歩いてゆく
用水路の
堤防を作るための
石だ
その一連の動作の中で
中村医師の表情は
『必死』『一生懸命』以外
何物でもなかった
64歳で医師だから
体力も腕力もない
だのに
自身で運ぼうとする
運ぶ
その姿に
どれだけ
現地の人たちが
信頼を寄せたか
計り知れない
水路の一部を
楕円形にするように指示している
動画があり
そこから
空海を想起した
空海は中国に渡り
密教だけではなく
建築技術も学んでいた
日本に帰り
洪水ばかりある村で
土嚢を積む
そこに楕円形にするように
指示が空海から出される
まったく同じだった
つまり
楕円形にすることで
強度が保たれる
映画『空海』で
それは描かれています
中村医師から
やはり想起する人物がもう一人いる
それは電脳姉妹からの吹き矢に付けられた
紙切れの文字にも刻されていたけれど
宮沢賢治です
砂漠を治水によって
緑に変えた
農のために働いたイメージは
宮沢賢治と重なる
友達であった養老孟司とのこと
いろいろ
思うこと
たくさん
『江戸の想像力』の著者
田中優子との対談動画も素晴らしい
用水路建設の際
両脇に柳の木を植えたこと
これは石垣で作った堤防に
強度を保つため
コンクリートではなく
石垣にした理由
もう思うことが多すぎて
そんな話を淡々さんにずっと話す
「小久保さんは死んだら中村さんと同じ場所に行けます」
と言う
そんなことよりもむしろ
淡々さんがちゃんと中村哲さんのことに
耳を傾けてくれたことがうれしい
忍び武士にも中村哲さんのことを話す
「柳の木は、根を張って川の堤防を補強します」
と即答する
「日本人の江戸の技術というのは盆栽しかり、庭園しかり、あらゆる手先の文化と合理性に秀でていて、日本人は凄い」
とだんだんナショナリズムに傾いてくるのが
忍び武士らしくて楽しい
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