kotoba日記                     小久保圭介

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バンジョーと最果タヒ

2020年06月30日 | 生活
  



青い帽子の人
台車を押して
北へ向かった

あやとりをする
市場の床は土だった

バンジョーを買った時のことを
憶えている
うれしくて
小さなレコード屋の壁に
鰍ッられていたバンジョー
チューニングは簡単で
どこも指で押さえなくても
Gの音が出る
楽しくて楽しくて
凄く音が大きくて驚いた

お金を貯めて
買った安いバンジョー
あの日の夕飯は
スパゲティだった
それも覚えているのは何故だろう
「圭造、食え!」
と言われても
スパゲティを少し食べては
バンジョーテンテケかき鳴らし
悦に入っては喜の極み

ほどなく
友にギターを弾かせ
合わせてバンジョーテンテケ奏でては
近所どころか
同級生で
バンジョー弾きは誰もいず
「圭造、ええ音やな。貸して。どう弾くねん?」
と簡単なキーを伝授すること数分間
友も簡単に
バンジョーテンテケかき鳴らし
悦に入る

室生犀星くんと
小島信夫の『残光』について話す
『残光』の作品批評を話す
それから
吉本隆明の詩について話す
それを写生している吉増剛造のことを話す
つまりは
室生犀星くんとは
文学の話しかしない
というか
社会のさまざまを話していても
最後は
文学の話になる
それくらい
わたしたちは
文学が好きでしょうがないという
ことになるんじゃろうね
「ここ数年、最果タヒ」
「うん、判る」
みたいな






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