僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

空白を満たしなさい(平野啓一郎)

2023年12月18日 | よむ

少し前にドラマ化した「平野版黄泉がえり」。
初期平野作品とのことで
分人なんかもまだまだでてくる。
今まで読んだ平野作品の中では
圧倒的に読みやすい。
ハードカバーと文庫本の間のような製本も
敷居の低さの表れなのだろうか。
音楽に例えると
ピンクフロイドの
「コンフォータブリーナム」と
「ザウォール」を
交互にきいているようで
心の痛みと麻痺が波のように襲ってくる。
相変わらず虚実の織り交ぜ方が変態的で
現実と想像の境がわかりにくい。
この世で絶対なんてことはないが
生まれた後に死ぬ。
という理が破られることだけはないんじゃないかと思う。
働きすぎたり
思い詰めたりしないように気をつけよっと。