僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

30年がかりで燕(常念山脈1日目)

2022年08月11日 | ぶらぶらする
台風4号も近づきつつある2022年夏休み。
燕山荘のテント場の予約も1か月かけて
なんとか抑えることができ
天候によっては撤退前提で
北アルプス燕~蝶が岳を慣行。
本日の行程は
中房温泉1462mから
燕山荘2704mまで
4時間10分の登りに次ぐ登り。
5時40分中房温泉到着。
まぁ人が多い!
上高地に劣らずの混雑っぷり。
ソロから10人パーティまで
装備もトレランから幕営縦走まで
山道具の展示会のように実に多様で面白い。
ゆっくり体を慣らして
トイレも2回いっちゃったりして
6時20分入山。
ここから北アルプス3大急登と言われる
標高差1200m、4時間の登りが始まる。
7時10分
1km先にある第一ベンチ到着。
樹林帯の急登が続くが
水野心配が少ないルートなので
荷物を減らすことができ
気持ちの上でも体力の上でも
かなり楽に歩くことができる。
第二ベンチ手までの荷揚げ用リフト。
7時40分第二ベンチ到着。
行軍のようにずーーーっと列で歩くので
早いパーティを頻繁にパスしたり
下りとすれ違ったり
そのあたりがストレスといえばストレス。
その中でも似たようなペースの人もいて
勝手に親しみを感じたり
この人よりは後ろに行かないようにしよう
と勝手にペースメーカーに仕立て上げてみたり。
そんなことをしているうちに
8時半第三ベンチ到着。
中房温泉から燕山荘まで5.5kmの
ちょうど中間地点にあたる。
そんなに疲れているわけではないけど
一応休んでみる。
9時半富士見ベンチ。
ひな祭りのように段々に腰かけて
プレーリードッグのように全員で1点を見つめて休憩。
おもしろい笑。
この辺りから道が明るくなって
気分的にも晴れてくる。
合戦小屋まであと10分。
山道の時間表示は結構に頻度で
ガセネタであることが多いのだが
この10分は正しかった。
左手に明日のルート
大天井岳と
その肩の大天荘を仰ぐ。

表示からきっかり10分後
合戦小屋到着。
30年前に来たときは曇天で
雷が来ると脅されて
ここから走るように登ったものだっけ。
先ほどのリフトで荷揚げされた
名物のスイカを頂く。
瑞々しくてうまい。
なにより甘い。
みなさん満足げな表情で外れがない様子。
絶対に甘いスイカを
選別しているのだろうか。
お値段は「表」銀座プライス。
11時半合戦沢の頭。
ここでついに北アルプスの盟主
槍ヶ岳が登場。
ここまで5時間の疲れの吹き飛ぶ瞬間。
この辺りから森林限界のようで
視界がぐっと開ける。
11時40分
本日の目的地
燕山荘をついに視認。
しばらく控えめな坂道が続くので
山小屋が近づくものの
高度感があがらず
断崖の上に
ドンッと鎮座する小屋を
だんだん見上げる格好になってくる。
山小屋の東斜面直下は花畑になっており
気を花で気を紛れさせながら
ゆっくりと高度を上げる。
12時20分
燕山荘到着!

いやーついたついた。
取り急ぎ幕営受付を完了させる。
コロナの折、
幕営も縮小営業で完全予約制。
お陰で気持ちに余裕をもって登れたが
12時半現在でサイトの半分ほどは空いていた。
皆さん意外とゆっくりなのね。
そしてそして
小屋からは槍ヶ岳・後立山・白馬までが一望。
素晴らしい。
念願の燕岳へ手ぶらでゴー!

ご存じ通り燕岳は花崗岩と砂地でできており
こういう景色は北アルプスはもちろん
他でも珍しいんじゃないかな。
13時半
近年話題のいるか岩。
昔はよじ登れたらしい。
砂地に群生するコマクサ。
13時40分めがね岩。
こちらも以前はよじ登れたらしい。
花崗岩のステップを上り切れば
燕山頂はすぐそこ。
14時燕岳2763m登頂!
バックは美ヶ原高原。
山頂は狭く高度感もあって
ちょと恐ろしい。
それだけに言うことなしの眺望。
燕岳から燕山荘に来た道を戻ることもできるが
そのまま15分ほど北上して北燕岳を目指してみる。
北燕への道は
燕山荘~燕岳とにたようなものだが
山頂直前の岩場は両手を使うのでが
ちょっとだけ大変。
けど危険ではない。
14時15分
北燕岳2723m登頂!
北燕まで足を延ばす人は少なく
絶景の貸し切りを楽しめる。
燕の奇岩越しに
鹿島槍~白馬、水晶~裏銀座を
しばし独り占め。
ここから先は似たような画像が続く。
雲の平方面。
北鎌尾根越しの槍ヶ岳。
北側から眺める燕岳。
燕から小屋へ戻る道すがら
明日のルートを眺める。
手前に大天井、
左に横通岳を経て上り返すと常念。
アップダウンはないけど結構あるなぁ・・・。
燕の稜線上では
先ほどのいるか岩とめがね岩が有名だけど
そのほかにも奇岩がうじゃうじゃしており
自分だけの奇岩を探すのも面白い。
振り返ると燕岳。
南アの女王、仙丈岳に対し
北アの女王、燕岳と言われるのも納得。
小屋に戻ってさぁビール。

標高2700mとはいえ日差しは強く
まだ日影がありがたい天候。
19時日没。
東側の松本市から月が上り
西側の槍ヶ岳に日が沈む。
夕闇に沈む燕岳。
テント場は小屋の右下で
この日は20張りくらい。
なお、こちらの燕山荘は
日本でもトップクラスの素晴らしい山小屋で
外観・収容力・ロケーション・食事と
どれをとっても比肩するものがなく
一息ついたその瞬間に
次はいつ来よう。
と間違いなく思ってしまうほど。
とくにそのホスピタリティは
他に類をみず
ご主人による山の話や
コロナで中断中のホルン演奏まで楽しめる。
どれも大人気でご主人の話の終わりに沸き起こる拍手は
もはや燕山荘の名物と言って差し支えない。
ケーキやコーヒー、
果ては喫茶室なんてものまであり
山小屋ではなくもはやホテル。
今日もいい一日だった。
明日は晴れるといいなぁ。