僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

またも五里霧中、大天井(常念山脈2日目)

2022年08月12日 | ぶらぶらする
晴れた!
台風4号の近づく中
5時10分
常念を目指して表銀座コースを南下。
5時20分
雷鳥のご家族といきなりばったり!
これは出だしからマックスハイテンション!
大天井を眺める雷鳥くん。

さて先を急ごう。
本日の行程は燕山荘2704mから
大天井岳2922mを超えて
表銀座を常念小屋2466mまで南下する
5時間半の稜線歩き。
5時45分蛙岩。
何が蛙なのかわからないけど
カメラを向けずにいられなくなってしまう
雰囲気のあるこちらの岩の塊が蛙岩。
蛙岩をすぎると大下り。
実に快適。
虫が多いことを除けば・・・。
この辺り実に小虫が多く
文字通り並行しながら歩く。
これさえなければ実に快適なのだが。
この辺りに為右衛門吊岩なる巨岩もあったようだが
よくわからず素通りしてしまった。
さて晴れ間がのぞいたのは早朝の一瞬だけで
完全に雨模様になってきた。
喜作レリーフ直前でレインカバーをつけ
レインスーツにそでを通すも時すでに遅し。
この時すでにザックは浸水していたようす。
7時50分喜作レリーフ到着。
ここからが本日最大の登りの始まり。
まずは槍ヶ岳、常念岳、燕岳の三俣分岐で
槍ヶ岳コースの人たちとお別れ。
合戦尾根であった人々の
7割くらいは槍に向かうものと思われ
この先は静かな山旅となる。
稜線に出るため
斜面を横切る急登が続く。
振り返ればここまで3時間の道程が・・・。
8時40分
大天荘到着!
山小屋にザックをデポして
雨の中大天井を目指して岩歩き。
平たい礫の上をガシャガシャ歩くこと10分。
8時50分
大天井岳2922m登頂!
もう雨雨雨。
なにも見えねえ。
9時大天荘帰着。
デポのザックを回収しつつ
同じレインスーツの若者と遭遇し会釈。
なんとなく疲れの飛んだ瞬間。
ここから先は
登りの全くない
雲上の散歩道。
途中東天井岳へ寄り道するつもりが
分岐を見落としてしまったようで
スルーしてしまった。
後で調べると直覚に折れる標識から
砂礫を上ると東天井だったようす。
おしいことをした。
ハイマツの中をガサガサと進む。
晴れてさえいれば
とんでもなくご機嫌な鼻歌ルートとなるはずが
とにかく雨と霧で
五里霧中を彷徨うような道が続く。
あまりにもイベントのない日となってしまったので
予定になかった横通岳に寄り道。
山頂まで実にルートのはっきりしない
砂礫を上るような道で
山頂らしき高台に出てからは
さらにルートが不明瞭。
ふみ跡も少なくルートの目印もなく
気が付いたら切れ落ちた岩場の直上を歩いていた
なんてこともしばしば。
霧が深い日は
遭難してもおかしくないくらい。
進んでは戻ってを何度か繰り返して
11時10分
なんとか横通岳2767m登頂。
久々の難ルートだった。
常念側へのルートは多少ふみ跡があり
なんとか元の縦走ルートに戻る。
11時40分
常念への縦走ルートは意外にも樹林帯へ。
この高さで樹林帯に突入するとは思わなかった。
樹林帯を抜けると視界がぽっかり開くと
そこは常念小屋テント場。
幕営の手続きを済ませて
おビールを頂く。
昼過ぎに雨がやんだので
濡れた装備を乾かしながら
目と鼻の先の常念岳の様子を見ることに。
13時30分登頂開始。
みなアリンコのように
ジグザグと頂きを目指す。
小屋から見える範囲を
30分ほどで登り切って気がついた。
あ、小屋から見えるのは山頂じゃねーや。
と。
永いのはむしろここから。
前も後ろも上も下も真っ白の中
ただただ進む。
先にうっすらとかすむ影を目標に
あれが頂上かな
あれが頂上かな
と進むが
どれも頂上ではない笑。
案内はしっかりして
迷うことはないが
霧で目標が定まらず
いつまでも歩き続けるのがつらい。
あそこの見える人影が今度こそ頂上!
と思ったら連続ケルンエリアに突入。
頭上に祠のような物体を視認!
今度こそ!
と思うがこれも頂上でなく。
ただこの祠のような物体をこえてしばらく行くと
今度こそ
14時40分常念岳2857m登頂!
いやぁ長かった。
手ぶらで登ったのに1時間20分もかかった。
コースタイムでは1時間だったのに・・・。
明日の蝶が岳へのルートも下見。
めめめめっちゃキレとる・・・・!!!
これはおっかないなぁ。
なんにも見えないけどしばらく山頂を堪能。
常念はどこから見ても三角錐ってきいてたけど
どうもそうじゃない気がする・・・。
15時三股分岐。
三股への下りは注意と小屋に書いてあったけど
なにがあったんだろ。
ケルンエリアをすぎて
片側が切れてるエリアをすぎて
ようやく小屋を眼下に見下ろすエリアへ戻ってきた。
ここで神様がくれた
1日頑張ったご褒美か!
なんと北側の雲がわずかながら晴れて
横通から大天井・燕までが
部分的ながら露わに!
全てが一度に晴れる瞬間はなかったけど
2日間の道程を一望できるのは
縦走登山の中で最大の喜び。
思いがけない僥倖に
時間を忘れて30分、
至福の時を過ごす。
なおテントに戻ってからは
一晩中雨と風が激しく、
特にベンチレーションからの雨漏りには
夜を徹して悩まされる。
外に出て入り口を縛ればそれでよかったのだけど。
台風がやってきたぽいし
常念の登頂したし
蝶が岳までは行かず
明日は一の沢へ下山かな。