僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

グレートギャツビー(フィッツジェラルド)

2018年12月29日 | よむ

ストーカー。

その言葉が存在する前の物語。

高度成長にわく1920年頃のニューヨークを舞台に

繁栄と

その裏に潜む心の満たされなさ

虚無を描いた

100年前の青春小説。

日本でたとえると

バブル直後にはやった

90年代のキラキラした苦悩に彩られた

青春ドラマをみてるかのよう。

もしかするとあれらは

グレートギャツビーを目指して作られていたのかもしれないな。

中国で観た映画「小時代」もそうだったな。

言葉を尽くして

永遠のキラキラと退廃を描いている。

二人は幸福ではなかった。

さりとて不幸でもなかった。

キラキラ輝こうとして何者にもなれなかったギャツビー。

虚しさに気づいて身を引いたキャラウェイ。

最初から何者でもなかったデイジー。

未だ輝くことのみに身を投じ続けるトム。

虚しさを知りながら現実と渡りをつけたベイカー。

物語から100年。

人類は少しずつ強くなれているのだろうか。