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民衆会議/世界共同体論(連載第12回)

2017-10-19 | 〆民衆会議/世界共同体論[改訂版]

第3章 民衆会議の組織各論①

(3)民衆会議の基本構制
 民衆会議は全土と地方の各圏域に相似的なネットワークとして設置されることになるため、代議員の選出方法、任期や運営などに係る基本構制はすべての民衆会議で共通している。
 まずその構成員となる代議員は、抽選によって選出される。その際、単純な抽選ではなく、免許制とし、免許を取得した有権者の中から抽選する制限抽選制を採る。
 抽選の場合、選挙とは異なり、選挙区のような地域区分制はなく、全域一区である。従って、全土民衆会議であれば、例えば日本全域から抽選される。ただし、連合型の場合は、連合領域圏を構成する準領域圏ごとに同数または人口に比例した数の代議員が抽選される。
 全域一区を採る場合、選出された代議員の居住地は均一にならないが、民衆会議代議員は居住地の利益代表者ではなく、あくまでも民衆の代表者であるから、地域的な不均一は問題とならないのである。
 また、民衆会議は政党なき民主主義の制度であるから、政党ベースで代議員が選出されることもない。従って、政党の結成自体は禁止されないが、政党としてまとまって代議員を送り込むことは禁止される。
 代議員は任期制であるが、任期は長すぎても短かすぎても適切ではなく、ローテーション制により入れ替えを定期的に行なうことが民主主義に適うので、1期5年程度に固定することが望ましい。連続での再選は認めないが、期間をおいて再選されることはできる(ただし抽選制のため、当選確率は低い)。
 民衆会議の運営は、議長を中心に副議長並びに常任委員会及び特別委員会の委員長で構成する政務理事会が行なう。民衆会議は全権統括機関であるため、内閣や首長部局のような行政機関・部署は独立に設置されず、民衆会議の運営機関である政務理事会が行政機関的な機能も同時に果たす。
 議長及び副議長(複数)は、代議員の中から選出する。常任委員会及び特別委員会の委員長は各委員会で互選する。その際、議会のような会派の結成は事実上の党派政治の形成につながるため禁止され、代議員は個人単位かつ所属委員会ごとに活動する。所属委員会は三つ程度まで兼任してよいものとする。
 なお、民衆会議制は国家なき統治を前提とするため、国家元首はそもそも存在し得ないが、全土/連合民衆会議議長は象徴的に元首的な役割を果たす。同様に、地方自治体にも首長は存在しないが、地方民衆会議議長は象徴的に首長的な役割を果たす。

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