ザ・コミュニスト

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リベラリストとの対話―「自由な共産主義」をめぐって―(23)

2015-05-31 | 〆リベラリストとの対話

21:非暴力平和革命について④

コミュニスト:前回、私の世界同時革命論について、空想あるいは机上の空論だというきついご指摘をされましたね。

リベラリスト:言葉が過ぎたかもしれません。でも、狭いようで広い地上に、現時点でも70億の人口が200近い国に分散する惑星上での同時革命など想像もつかないと感じるのは私だけではないと思います。

コミュニスト:同時革命というとき、「同時」を文字通りに取る必要はありません。ここで言う「同時」とは、5年くらいの幅を持たせた時間概念なのです。そういう一定期間内に、次々とドミノ倒しのように革命が継起するようなイメージですね。

リベラリスト:5年で世界が変わるというのは、私からすると、一夜で世界が変わるというのに等しい感覚です。私はそのような事態を想像できませんが。

コミュニスト:それは「世界は変わり得ない」という物理的な不能論ではなく、「世界は所詮変わらない」という諦念が、あなたの革命的想像力を奪っているのです。「世界は変われる」とポジティブにとらえてみてはどうでしょうか。

リベラリスト:問題はどう変わるかですね。歴史上、多くの人が世界を変えると称して、革命に身を投じたものの、かえって以前よりひどい体制を作り出したことは珍しくありません。私はむしろガンジーに従って、自分が世界によって変えられないために何かしたいと思う立場ですね。

コミュニスト:世界によって悪い方向ではなく、良い方向に変えられるならば、あなたも反対はしないでしょう。民衆会議インターナショナルは、あなたを悪い方向に変えようとしている現存世界に対するアンチテーゼであり、そのような世界革命運動なのです。

リベラリスト:あなたの言うことが、教祖みたいに聞こえてきました。民衆会議運動は、少し宗教がかってはいませんか。

コミュニスト:そう受け取られたなら、非は私にあります。私は決して教祖的であろうとは思っていません。私の役割は、民衆会議運動の先駆的な提唱者にとどまります。あえて宗教になぞらえるなら、教祖より預言者に近いかもしれません。

リベラリスト:実際、あなたは我がアメリカ合衆国が世界ドミノ革命のスタート地点になると預言しておいでですが、アメリカで共産主義革命が起こるだろうと確信できるあなたの才能に感服しています。

コミュニスト:確信というより、希望も混じった預言なのです。真の共産主義革命はロシアでも中国でもなく、アメリカで起こるべきであろうという・・・。それは、まさに世界を変える動因となるでしょう。

リベラリスト:その預言は、次期大統領選挙のレース予想に夢中になっているアメリカ人同胞たちの頭を冷やすためには、たしかに革命的に効くかもしれませんね。

※本記事は、架空の対談によって構成されています。

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