呑んベエSTING

ロック、やきとん、丼、ERをこよなく愛するオヤジのたわ言

DOORSのヴォーカル

2007-07-29 22:51:40 | ロック
言わずと知れたジム・モリソンである。

多くの名曲と多くの逸話と多くの謎を残してバンド&人生半ばにして死んでしまったため、
伝説のロッカーとなっている。

この人はヴォーカリストとしても非凡な存在ではあるが、
死して名を残した面は「詩人」としての才能である。

時代は70年代。
シンガーソングライターという言葉が世に出てくる。
今ではあたりまえな「自分で唄う歌は自分で作る」と言う行為が当時のアメリカでも珍しかったのだ。
そしてそれは、歌にメッセージを込めるシンガーにとって大切なことであり、
リスナーからも尊重されたことである。

つまり、曲を作ることは演奏者にとってリスナーにより聞かせるためもっとも大切なことになるわけである。

そしてさらに、シンガーが「詩」を書くということは、
他の演奏者にはあり得ない特別なことであるのだ。

ヴォーカルは詩を声にのせて歌う。
詩の内容を理解してどういうように歌うかを考えるわけである。

自分の歌う歌を自分で書けるヴォーカリストは2つの武器を持っていることになる。

ジム・モリソンは優れた「詩人」であったが故に、
ヴォーカリストとして素晴らしいパフォーマンスを残してきたのだ。

1970年代アメリカはベトナム戦争真っただ中で病んでいて、
DOORSはウエストコーストのロス出身でありながら、
とても重く暗いサウンドとメッセージを奏でていた。

外へのストレートなメッセージをあえて内なる自問に置き換えて、
時代への疑問と警鐘を投げ掛けた。
ジムの詩は狂気でもあり、自慰行為でもあり、遺書でもある。


When The Music's over ~音楽の終わるとき~

今、言葉はオモチャになり、言霊に込められた力は無為となった。
詩は魂が抜け、言葉は伝わらなく記憶に残らない。

そんな音楽シーンを予告したジムの詩かもしれない。

わたしがジムの歌にチャレンジすることは、恐らく永遠に無い。 
できない。