キッズインターナショナルスクール日記

愛知県長久手市のキッズインターナショナルスクールから、保育の様子や子育て情報を発信していきます。

正しい英語?

2011年09月25日 | 園長の雑感
日本人の保護者の方で、自分の英語の発音はよくないし、文法的にも間違っているから、子どもに話しかけたくないと言われる方がみえます。本当に話しかけないほうがいいのでしょうか。

まず、幼児期に学んだことは、小学生、中学生、高校生、大学生と進んでいくうちにどんどん修正されていきます。子どもたちが英語を書く活動の中で、文法的な間違いをしてもほとんど修正をしないのは、その後たくさんの英語にふれて、自分で修正をしていくことが明らかだからです。幼児期に過去形が言えない、書けないからと言って、大人になるまで過去形が使えないということは絶対にありえません。

では、発音はどうでしょう。確かに幼児はとてもいい耳を持っていますし、音を作り出す力に長けています。ネイティブの人の話す言葉をたくさん聞いて、その音だけでなくイントネーションやリズムにふれていくのは、英語らしい音を形成していく上では大事です。しかし、ネイティブの音だけしか聞くべきではないということには疑問を持ちます。

子どもたちが大人になって、いざ英語を駆使しようとする時に遭遇するのは、第二言語として英語を話す人の英語の方が今後どんどん多くなっていくはずです。第二言語として英語を話す人はもちろん、英語を母語とする人たちも話し相手の英語の文法の多少の間違いや発音の良し悪しはまったく問題にしません。問題は、「話す内容」なのです。「あの人の英語はネイティブみたいで素敵!」と評価するのは、日本人であって、英語を母語とする人たちは発音の良し悪しではなく、内容を評価するということです。

脳科学者の茂木健一郎さんが著書「ピンチに勝てる脳」で書いてみえましたが、彼が書く英語のブログに対するコメントが日本人と外国人では違うそうです。日本人の中には、単語のスペルミスや文法の間違いを指摘する人がいる一方、外国人の人はブログの実質的な内容にしか触れてこないそうです。内容ではなく、形式にこだわる日本人といったところでしょうか。

結局私の考えとしては、発音や文法の間違いにとらわれず、子どもが英語で絵本を読んで、といえば読んであげて、英語で話しかけてきたら答えてあげてほしいと思います。子どもとコミュニケーションを取る姿勢が大切ですし、子どもの思っていることを引き出してあげたり、例え文法が間違っていても言いたいことを辛抱強く聞いてあげる姿勢が大切だということです。「話したいことがある」こと、それを「聞いてくれる人がいる」ことが子どもにとっては大事なことなのです。もちろんそれは、母語である日本語ででも同じですね。