MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.123 「武士の一分 」 (2006年 日本 121分 ビスタ)

2006-12-16 00:43:43 | 2006年劇場鑑賞
監督 山田洋次
出演 木村拓哉
    檀れい
    坂東三津五郎



藤沢周平原作の映画化作品がここ数年続いているが、「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「蝉しぐれ」と製作されているが見たのは「蝉しぐれ」のみでした。
昨年の「蝉しぐれ」は自身の2005年度のベストテンに選んだほどの高得点を付けた作品だったが今回のキムタク主演で話題の「武士の一分 」は果たしてどうか・・・?

(あらすじ)

下級武士の三村新之丞(木村拓哉)は、妻の加世(檀れい)とともに幸せに暮らしていた。しかし、藩主の毒見役を務め、失明してしまったことから人生の歯車が狂い始める。妻が番頭の島田(坂東三津五郎)といい仲であることが判明し、絶望のなか離縁を決意。愛する妻を奪われた悲しみと怒りを胸に、新之丞は島田に“武士の一分”を賭けた果し合いを挑む。

前半まだ目の見えてるキムタクの演技を見てると「あ~いつものキムタクやな~」ていう感じで時代劇だからどうのて言う感じはなかったけど、視力を失い盲目になってからの芝居が予想以上上手かったと思いますよ。
周りのキャスティングにも助けられてるかも知れないけど、盲目の演技の中での存在感が充分感じられました。

時代劇の割りには立ち回りがほとんど無く、クライマックスの坂東三津五郎との果し合いが唯一の立ち回り(まだ「蝉しぐれ」の方がリアルな立ち回りがあった)
しかしこれもそんな派手なものでなく、どちらかと言うとアッサリ決着が付くほう。

この作品はキムタク扮する新之丞と檀れい扮する加世との夫婦愛をメインに描いたラブストーリーだと思います。
視力を失くした新之丞を献身的に看病し、ひたすら尽くして行くいじらしいほどの愛情を注ぐ加世の姿は古き日本特有の奥様像かも知れないですね。
彼を救うために番頭の島田の言いなりになってしまう姿に自己を犠牲にしてまで想う気持ちの深さと悲しさを檀れいさんが上手く表現していたと思います。

悪役の島田を演じる坂東三津五郎がさすがの貫禄で、登場場面はそんなに多くないけど、彼がスクリーンに映るだけで画面が締まりますね。
これはさすがの天下の木村拓哉でも足元に及びません!

若い2人の夫婦愛とそれを取り巻く様々な人間模様、そしてタイトルにある「武士の一分」を架けた男のプライド・・・時代劇=チャンバラではなく、様々な思いが交差する深い人間ドラマって感じの作品です。



★★★★ 2006.12.14(木) 動物園前シネフェスタ4 シネマ2 18:00 中央端