MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.120 「トゥモロー・ワールド」 (2006年 米/英 109分 ビスタ)

2006-12-10 00:34:41 | 2006年劇場鑑賞
監督 アルフォンソ・キュアロン
出演 クライヴ・オーウェン
    ジュリアン・ムーア
    マイケル・ケイン



ぼつぼつ正月映画の公開が始り出したこの時期だが大体11月中旬からつなぎ的な役割の作品が公開されて正月番組へとつながれて行く。
そんな意味でこの「トゥモロー・ワールド」はあまり期待もしてなかったし、これよりむしろこの作品の前に公開されていて見逃したK・サザーランドの「ザ・センチネル/陰謀の星条旗」の方が見たいぐらいだった・・・

しかし今年の劇場鑑賞数120本目となるこの映画だが、期待してなかった分を差し引いても思わず画面にのめり込んでしまったのでありました・・・
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン監督作だが、どうしてどうして「ハリポタ」よりも数倍オモシロイぞ~この映画は!

(あらすじ)

西暦2027年、人類は18年間の長期に渡って子どもが生まれない未曾有の異常事態が続いており、このままでは人類絶滅の危機は免れなかった。そんな中、国家の仕事に就くテオ(クライヴ・オーウェン)が、人類存続に関係する重要な情報を握り始める。人類の未来はおろか自分の将来でさえ興味を示さないテオだったが……。

近未来といっても現代の都市とあまり変わり映えのしない街中での突然のカフェ大爆破のシーンから幕を開けるこの作品ですが、現実にテロリストが蔓延る現代と近未来もあまり変わらないね。
SFサスペンスのつもりで見ていたんだが、ドキュメンタリータッチの描写に意表をつかれました。
特に車を襲撃されるシーンの長回しはカメラを狭い車内で回し、前方と後方を交互にパーンさせながら襲撃される車内の{緊迫感}を出し、それがスクリーンを通して観客に{臨場感}として伝わってきますね。
こういう効果的な技法はクライマックスでもクライヴ・オーウェンの後をカメラが銃弾が飛び交う中を追っていく場面にも使われています。
ローアングルから手持ちカメラによるロングショットはS・キューブリック監督の「フルメタルジャケット」を彷彿させます。
まるで戦争映画を見てるかのような迫真の場面が続々出てきます。

ジュリアン・ムーアが意外と出番が少ないの意外だったな~

子供が産めなくなった近未来に産まれてしまった子供を守るため奮闘する主人公のセオ=クライヴ・オーウェンの姿に生きるための悲壮感を感じます。
この映画のような恐ろしい時代が来るのか?小さい命を守ろうとする人々の姿に時代や情勢が変わっても命の大切さと人類という種族を残していく意味=希望を痛切に感じます。



★★★★ 2006.12.7(木) アポロシネマ8 スクリーン3 16:10 H-3