黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『予告探偵 木塚家の謎』太田忠司(中央公論新社)

2008-09-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
自分が謎を解くという事実と、その時刻だけを告げる予告状を勝手に送りつける、傲岸不遜な探偵・摩神尊。彼が、木塚東吾を連れ、今回訪れた先は、装飾から調度に至るまで全てが猫モチーフにまみれた異様な館。その主であった辻宮俊憲は有名な猫マニアで、彼の死後、自分の為に造成した墳墓も猫で飾りつくされていた。折りしも、その落成前の内覧会で、孫娘・史織の婚約者・田波孝治が姿を消したところへやってきた摩神たちは、消えた男の謎を追うが……『カタコンベの謎』、
光村商事の社長秘書・匂坂篤子に予告状を送ったという摩神。木塚孝道は、社長・光村孝臣のインタビュー記事を書く際に彼女に会っており、ほのかに思いを寄せていた。彼らが出向くと、篤子は、彼女の幼なじみ・波矢晴比古が父・紅炎の絵画“母子像”を画廊から盗んだ容疑をかけられているのだというが……『母子像1953』、
限界社の編集者・木塚貴希は、病気で出席できない同僚・田嶋の代わりに、グラフィックデザイナー・森景八夢のS湖のログハウスで行われる夏至祭に参加することに。そこに何故か摩神も合流。例によって予告状を送り付けてあるらしい。フィンランド人であった亡き妻・エルナの影響で、行われている祭だが、そこで使われたコッコ(大きな焚き火)の下から、参加者の1人がバラバラ死体が発見されて……『夏至祭2008』、
月へ向かうシャトルの中で、手品師・木塚敬文は、隣に乗り合わせた男・摩神から予告状を受け取る。マジックコンベンションに参加する為にやってきた木塚は、そこで、コンベンションの実行委員長で評議会議長の息子・和井内光興が行う手品を手伝うが、その最中に亡くなり……『手品師2135』、
辻宮家の殺人事件の翌月、木塚東吾の元に摩神から予告状が届いた。折りしも、今まで交流のなかった大叔父・信義が亡くなり、彼の遺品として、歴代の木塚家の人々との日記や手帳が届いた。それを読むと、様々な時代に登場する摩神が出没しているらしい。事実を調べるべく、信義の弟・信孝に話を聞きに行くが……『木塚家の謎』の5編収録。

ただ自分が謎を解くことだけを予告する(その時まで自分も何を解決するのか知らない)探偵・摩神尊が活躍するシリーズ・第2弾。短編集。
『カタコンベ~』のみ、アンソロジー『C☆N25』上で既読。
……まさか、最後がそういうオチになるとは…(笑)。

<08/9/26>


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