黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『オレがマリオ』俵万智(文藝春秋)

2014-06-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
醤油さし買おうと思うこの部屋にもう少し長く住む予感して
のらくじゃくナオーンナオーンと鳴く夜をぎゅっと何かに抱かれて眠る
「オレがいまマリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ
今のおまえをとっておきたい海からの風を卵のように丸めて
子と我と「り」の字に眠る秋の夜のりりりるりりりあれは蟋蟀
七匹の子ヤギ残して母さんは何の用事があったのだろう
無垢、無邪気、無心、無防備 笑顔とは無から生まれるものと思えり
この人の何を私は知っていて何を私は知らないでいて
死を悼む文章をさえ推敲し百合の花匂いすぎる食卓
危ないことしていないかと子を見れば危ないことしかしておらぬなり

第五歌集。
震災を挟み、息子を連れて沖縄へ移住し、島での生活。親しいひとたちの死などが詠われています。
俵さんの歌集を読むのはかなりひさびさかも(「サラダ記念日」が流行った時以来…)。

<14/6/10>


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