黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『まんまこと』畠中恵(文藝春秋)

2007-06-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
江戸は神田の町名主、高橋宗右衛門の息子は、評判のよい若者だったが16歳を機に、お気楽な若者に……そんな彼が活躍する連作短編集。
麻之助の悪友で、同じく町名主である八木源兵衛の息子・清十郎が、“念者のふり”を頼んできた。太物問屋の娘・おのぶからお腹の子の父と名指しされたが、まるで身に覚えのなく困り果てているという……『まんまこと』、
質屋・三池屋小左衛門の庭から、柿を盗んだ麻之助。ところがそれをきっかけに、小左衛門は話し相手を務めることになってしまった麻之助。昔好きだった娘・お亀との恋話がもっぱらだが、何度も語るうちに話がどんどん変わってくる始末。そんな中、お亀と小左衛門の娘だと名乗るお紺が現れ……『柿の実を半分』、
麻之助に縁談話が。相手は友人の吉五郎のまたいとこで、武家の娘・お寿ず。彼女には水元又四郎という思い人がいるが、病を得、余命いくばくもない為、一緒にはなれないという。そんな中、万年青を巡る裁定が持ち込まれ……『万年、青いやつ』、
清十郎の弟・幸太の祖父だと名乗る武家が現われ、怒った清十郎は麻之助の家で大暴れ。その武家・大木田七郎右衛門の亡き息子・松三郎が江戸にいた際につきあっていた女性が、源兵衛の後妻に入ったお由有ではないかというのだ。松三郎が書き残した文にあった、3人の女性の名を頼りに、探し回る麻之助たちだったが……『吾が子か、他の子か、誰の子か』、
又四郎への見舞いの品を買う為、高名な菓子司・鈴木越後に寄った麻之助は、一匹の狆と娘・おしんを拾ってしまう。その後、おしんを、赤い手絡をした娘“こりん”と勘違いした岡っ引きに追われてしまい……『こけ未練』、
幸太が攫われた…要求は金五十両。しかも源兵衛はその心労で倒れてしまう。たまたま訪れたお寿ずも巻き込み、幸太の行方を探す麻之助たちは……『静心なく』の6編収録。

同じ畠中さんの時代モノということで、しゃばけシリーズと比較してしまいがちですが、こちらは主人公が
健康体な分アクティブな感じ?
一見お気楽な若者な麻之助ですが、そうなってしまった経緯にはちょっと切ないお話もあったり。
麻之助とお寿ずの行く末も気になるところですね~(笑)。

<07/6/13>


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