『ブレイクスルー・トライアル』伊園旬（宝島社）

“ブレイクスルー・トライアル”……それは、情報セキュリティを請け負うセキュア・ミレニアム社主催による懸賞金1億円のイベントで、技術の粋をつくした難攻不落の研究所に侵入し、制限時間24時間以内に、所定のマーカーをいち早く持ち帰った者にその賞金が与えられるのだ。
同社に勤めていた門脇雄介は、大学時代の友人・丹羽史朗に誘われ、ある思惑からイベントに参加することに。
一方、強盗犯グループの破風崎仁、棟安甚市、瓦柴透らは宝石の展示会場でダイヤモンドを盗んだものの、仲間の裏切りが発生。どうやら同じ場所で行われていたロボットイベントで使われるはずだった荷物の箱に、それを隠していたらしいことを突き止める。そしてその箱の送り先は、ブレイクスルー・トライアルの舞台となる研究所…彼らはダイヤモンドを取り戻すべく、イベントに参加することに。
そして保険会社の依頼で、その強盗を追う私立探偵・梁本剛と草壁梓は、研究所の管理人である梓の父・修造の元へ……

『このミステリーがすごい！』第5回大賞の受賞作。
せっかく早さを争っているイベントなので、もうちょっとその辺の緊張感が欲しいかなぁという気が……(笑)。あとは、門脇たちと強盗団のどちらにも協力してる某氏の設定が生かしきれてない感じも；

<07/6/14>