黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『鬼談百景』小野不由美(メディアファクトリー)

2012-07-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
Yさんの学校にある男女の生徒の銅像。背中合わせに立った二人の指先は欠けている。その理由とは……『未来へ』、
Sさんの通う高校には<K二六五>と呼ばれる怪談があった。<K二六五>とは、俗にいう<キラキラ星>のこと。
戦時中に、謎の死を遂げた男子生徒がよく弾いていた曲で、誰もいない音楽室からたびたびその曲が聞こえてきたという…
…『K二六五』、
Kさんのお母さんが子供だった頃。隠れん坊をしていると、男の子がひとり行方不明になった。その後、ひょっこり現れて……『隠れ鬼』、
Tさんが小学三年生のとき。半透明の猫を見かけた……『透明猫』、
Kさんが転校してきた友達から聞いた話。中学校の美術室に、白い絵の具で塗りつぶした白いキャンバスがあった……『白い画布』、
Sさんのお母さんが子供の頃、お祖母さんが胡麻の種を播いたが、その年は何故か芽が出なかった……『胡麻の種』、
Mさんが小学生の頃みた幽霊。夜中、白いシーツをかぶったような姿を見て、弟がおどかそうとしているのだと疑うが……『シーツ幽霊』、
Tさんが中学の頃。集落では、ある奥さんが太ったりやせたりしたことに対する噂が流れていた。ある日、Tさんの弟が、溝にマーちゃんが落ちたといって……『どろぼう』、
漫画家アシスタントのMさんは、修羅場中の真夜中に、コンビニに買い出しに出かけた途中で佇む家族を見かける……
『街灯』、
Nくんがカナダ留学中の話。友達のアパートメントに出かけた折のこと。突然ドアがバンバンと叩かれて……『特別な二階』、
Yさんの小さな娘が、しゃべれるようになった単語は、お気に入りのぬいぐるみ<みふぃ>と、お気に入りの遊び<ぶらんこ>。しかし彼女のいうブランコとは、一般的なブランコではないらしい……『お気に入り』、
ある夏。Sくんは、友人たちと海にキャンプへでかけた。彼はベンチに腰掛けていると、いつのまにか隣に……『海へ還る』、
Yさんの家では猫を飼っている。時々数が合わなくなって……『たぶん五匹』、
Nさんが小学二年生ぐらいの時のこと。7~8人と遊んでいたが、転んで怪我をしたりして、ひとりまたひとりと脱落していった……『続きをしよう』、
Kさんの祖父の家は大きい。めったに入ることのない表座敷が怖かった。以前どこかにあった屋敷から持ち込まれたという、龍を彫り込んだ立派な欄間があり、そこから仏間を覗くと地獄が見えるという……『欄間』等、99話収録。

怪談集。
内容的に『お気に入り』と『欄間』が、同時発売の長編『残穢』とリンク。
『残穢』に書かれたことを参照すると、読者から寄せられた怪談をまとめたもの、なのかな?
載っての数が数だけに、これだけ読んでもふつーに怖いですが、(『残穢』を読んで)穢れの概念を考えると、他のエピソードの中にも伝播してる穢れがあるのでは…と背筋が寒くなります;

<12/7/28,29>


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