黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『奇譚を売る店』芦辺拓(光文社)

2013-08-15 | 読了本(小説、エッセイ等)
また買ってしまった。古本屋でつい買ってしまった本は、「帝都脳病院入院案内」という冊子。小説家である私は、それを元にそのジオラマづくりに勤しむ。ところがその模型の中に人影を見て……『帝都脳病院入院案内』、
古本屋で見つけた本は、戦後まもないころの作品で、満天星子という名の女探偵が出てくる話。
その手の情報に詳しい評論家のS氏に訊くと、賞への応募作の中にその名をみたということがあるという。その作者は筆禍により冤罪となった人物であるらしい。詳しく調べることにした私は……『這い寄る影』、
古本屋で、懐かしい雑誌・月刊少年宝石を数冊買い、そこに連載されていた「こちらX探偵局 / 怪人幽鬼博士の巻」を読み進める。理学博士結城鬼一郎が、幽鬼博士となって、復讐の為牧村宝石王の娘ミチルを狙う。それに対抗するのは名探偵十文字竜作の助手のX探偵局の少年探偵団の団員である江楠くん。ところがその江楠くんが消えてしまうという謎の終わり方で話が終わっていて……『こちらX探偵局 / 怪人幽鬼博士の巻』、
古本屋で、戦前二大奇書のかたわれとされるカルトな作品の映画化のための資料らしき文書を見つけた私。そこに載っていた七條薔子という女優が気にかかる。
しばらくたったある日、都下の映画撮影所を訪ねた私は、その作品について誰かに訊ねてみようと考えるが、そこに彼女そっくりの容姿と名前を持つ美少女・翔子と遭遇するが……『青髯城殺人事件 映画化関係綴り』、
何者かに追われて逃げ込んだ古本屋で、たまたま手にした「時の劇場・前篇」。成り行きから買うことになったが、後篇は追ってきた人物の手により買われていた。
その前篇には、自分の一族のことが書かれており、後篇には自分のことが書かれているらしい。何とか後篇も読みたいと探し求めるが、他にも探している人間が多くおり……『時の劇場・前後篇』、
古本屋で「奇譚を売る店」という本を買った。凝った造本のその本にはおかしな作品ばかりが並び、混沌とした内容で……『奇譚を売る店』の6編収録の短編集。

私が入った古本屋でつい手に取ってしまった本が巻き起こす、ちょっと怖いお話。「私」はみんな違うヒトです。
活字からしておどろおどろしいレトロな造本の凝り具合が、素敵♪

<13/8/15>