黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『転生回遊女』小池昌代(小学館)

2010-01-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
舞台女優であった母と二人暮しだった17歳の少女・桂子。ある日、ひとりで出かけていた母が、旅先で落石事故に遭い、帰らぬ人となり、彼女だけがひとり残された。
そんな彼女に、母の知人であるワタリという男から舞台に立たないかと誘われた桂子。一度は断ったものの、やはり惹かれ、龍之介という青年とのふたり芝居を演じることに。
その舞台の稽古開始まで、あと一ヶ月。彼女は、母が生前そうしていたように<タビ>へ出ることを決意し、高校時代の親友で、恋人・弦徒と駆け落ちした美春の住む、宮古島へと向かう。
彼女の元でしばらく過ごすことになった桂子は、いろんな樹を知り、さまざまな人に会い、気持ちを通わせる。そして転がるように、自由に関係を持ちつづけながら、芝居に臨む桂子は……

母と同じ女優の道を歩みはじめた少女・桂子の魂の成長と遍歴、みたいな? 小池さん初の長編。
出会ったいろんな男性とすぐに肉体関係を結んでしまう桂子ですが、樹が大切なモチーフとして登場する所為か、どろどろせずに植物的というか、妙にみずみずしく、透明感にあふれた印象。

<10/1/25>