Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

”ノート”にも新製品

2008-09-19 21:13:42 | Life

 私は小さい頃から字は下手でして・・・そういう意味でもPCの恩恵を多大に受けています。学生時代も今でも、字がうまい人はうらやましいですね。いや、書いた字は読めますよ?もちろん。自分だけではなくて他人もちゃんと・・・きっと。

 私の字が下手に見える原因というのははっきりしています。個々の字の大きさとか字揃えがばらばらになるんです。最初は大きかった字が行の最後のあたりでは縮んでしまったり、字の天や地が綺麗にそろっていなかったり・・・PCは良いですね、綺麗にそろいますからね。画一的に。

 そんなですから、以前はノートを取るのに苦労したものです。読めるには読めるのですが、ごちゃごちゃして見にくかったり、うまくまとめられていなかったり・・・今はもらった資料にメモ程度に手書きすることが多いですので、そういう心配もそんなにありません。一から書類を作るときはPCを使いますしね。ですから、こういうノートはもうちょっと早く出てきて欲しかった・・・

 東大合格生のノートから開発 - "ドット入り"キャンパスノート発売 マイコミジャーナル

今回発売される「ドット入り罫線シリーズ」は、横罫上にドットが等間隔に印刷されているため、文頭を揃えやすい、図形や表が書きやすい、短い定規でも線を端まで真っ直ぐ引けるなど、"美しく"ノートをとるためのメリットが多くあるという。また、資料を真っ直ぐに貼ることができる、縦書きでも文字が揃うなど、さまざまな使用法にも対応した。

 等間隔の目印があると、文字の大きさがそろえやすくなりますし、うまくインデントをそろえられそうです。しかも、ドットは罫線上に配置してあるため、感覚的には今までのノートと同じように使えます。ちょっとした工夫での大きなリターンですね。デジタルアイテムの進化がめざましい今、昔からあるアナクロな道具でも、目立たないところでしっかり進歩しているのだと思い出させられる新商品ですね。

 日々PCに向かっていると目を向けることも少なく、ともすればおろそかにしがちになっている文房具。しかしながら、キーボードやマウス、ディスプレイと同じように「直接目にする、手に触れる」道具である事に替わりありません。久しぶりに文房具屋に立ち寄って、ふとあたりを見回すと、ペンの世界では新製品が所狭しと並んでいたりします。私もJetstreamの書き味に驚いたクチですが、会社支給やもらい物のものばかりじゃなく、自分で選んだ文房具は使い心地もひとしおです。
 この週末、自分用の文房具を選んでみるのも良いかもしれませんね。さて、私はこのノートを物色してみようかなと。


Windowsが目指すものは

2008-09-18 19:51:45 | Thinkings

 本日、Windows Live!の各ソフトウェアがアップデートされました。Writerもバージョンがあがりましたが、gooブログのプロトコル変更による「記事を投稿できない」不具合は相変わらず・・・gooRSSリーダーでも書けますけれど、あれ激しく使いにくいから嫌いなんですよね。今後もしばらくは、Writerで書いてコピペ対応が続きそうです。

さて、Microsoftの基幹WebサービスであるLive!のアップデートに伴い、Windowの今後の展開についても発表があった模様。しかしながら、それは「Vistaの次」として話題になっているWindows 7の話ではなく、Windowsのブランド展開についての大きな質的転換の話でした。

新しい「Windows」 MS、ブランド刷新で“脱PC”のプラットフォームに ITmedia

マイクロソフトはコンシューマー向け「Windows」ブランドをグルーバルで再構築する。PC向けOSとしてだけでなく、携帯電話やWebをシームレスにつなぐプラットフォームと定義し直し、ユーザーの生活を便利にするブランドとしてアピールしていく。

「Windows Vista」や「Windows Mobile」といった製品名の上位概念として、新たに「Windows」ブランドを定義。数年かけて浸透させる狙いだ。

Microsoftは、これまでの「Windows=OS」という図式をあえて崩し、同社の持つWindows OS、Windows Mobile、Windows Live!や今後他の商品やサービスも含めて作るシームレスなエコシステム全体についてのブランドとしてWindowsという名前を採用しました。つまり、今後Microsoftが展開していくサービスは全て「Windows」というブランドの元に展開されることになります。

もっとわかりやすく具体的に言うならば、松下電器産業が「Panasonic」ブランドで商品展開を行っていたのと同じ感覚でしょうか?今は、ブランド名に取って代わられましたけれど。

Microsoftにとって、Webサービスやモバイル関連事業の比率が大きくなってきたこともありますし、XBOX360の展開もそうですが、ビジネスメインからコンシューマーに比重を振っていくという全社的な決意の表れとも見ることができます。

とりあえず、最初に思いついた感想は、WindowsはLinuxを目指しているのかと言うこと。単一ブランド名で様々な分野に進出しているLinuxの展開方法と、今回の発表はかぶったように見えました。
しかしながら、よく考えると全然違う方向性の施策ですよね。汎用のコアではなく、それぞれの全く違ったサービスをWindowsの名の下にまとめ上げようとしているのですから。

これは、むしろGoogleの囲い込みの図式によく似ていますが、Googleがサービスでもって囲い込みを行うのに対して、Microsoftは環境で囲い込みをかけようとしています。果たしてどちらが正解なのか・・・結論を出すのは時期尚早ですが、うまくブランドの浸透が図れたならば、Googleに対する大きな牽制となるのではないでしょうか。


テレビでもガジェットが BRAVIAアプリキャストの開発ツール公開

2008-09-17 20:35:34 | Technology

 デスクトップの片隅に置いておく、ちょっとしたガジェット。Windows VistaやOS X、Googleデスクトップなど、様々な対応ツールが出回ることで、結構な市民権を得るに至りました。画面の解像度にもよりますが、使ってみると案外便利なんです。

 解像度と言いますと、最近のテレビも相当な物です。すでにSD解像度は一部の低価格機のみで、HDが標準。フルHDも徐々に勢力を拡大しています。PCのディスプレイにもひけを取らないどころか、フルHDだと、多くの場合解像度が高くなるのです。だからかどうかは分かりませんが、ソニーのBRAVIAがガジェットを扱えるようになったようです。
 それだけでもちょっとした驚きですが、さらに、ソニーはガジェットの開発ツールまで公開してしまいました。

作ったアプリがBRAVIAで動く--ソニー、アプリキャストの開発ツールを公開 CNET

 ソニーは9月17日、液晶テレビ「BRAVIA」に採用されている「アプリキャスト」の開発ツールを個人向けに公開すると発表した。同日15時より、ソニー・スタイルの「体験空間」サイト内でダウンロードできるようになった。

 基本的に全画面表示であるテレビに、どうやってガジェットを表示するのだろうと言うのが第一の疑問でしたが、サイトを見てみると、どうやらテレビ画面が3分の2に圧縮され、左寄りに。ガジェットは空いた右側3分の1を占有する形になるようです。今のところ公開されているのは、天気用法やカレンダーなど、よく見るVistaのガジェットのスタンダードな物という印象。もともとガジェットはちょっとしたアプリという体裁であるのに加え、限られたスペース、限られた入力方法と結構な制限がついています。ですので、そこまで気合いの入ったアプリというのは、やはり筋違いですよね。

 アプリキャストをBRAVIAに搭載し、さらに開発ツールを個人に公開したことで、ソニーは何を目指しているのでしょうか。私が思いついたのはchumbyでしょうか。以前、このブログでも紹介しましたが、枕元に置けるネットガジェットです。気軽に情報を見られたり、息抜きにちょっとしたゲームで遊べたり。テレビにそのような機能を付加できるならかなり便利になるのではないか、というものです。

 一瞬、「アクトビラと競合しないか?」とも思いましたけれど、ずっと手軽ですし、カスタマイズにも優れています・・・よくよく考えたら方向性も全然違いますね。

 文字放送やそれこそアクトビラみたいに、「ほとんど需要が無い」という事態ももちろん考えられます。まだ対応機種も少ないですので未知数ですが・・・ただ、テレビにそういう機能を載せるというのは、アクトビラよりもずっと、テレビにおけるネットの正しい使い方に見えます。テレビ番組の表示場所を残しておくことで、共存を図るようになっていますし。
 好事家のオモチャで終わったら非常に残念。もし可能ならば、他社にもライセンスして広がっていったらおもしろいかなあと思いますが。


Linuxの教科書を無償配布

2008-09-16 20:14:55 | Thinkings

 Linuxが使われるようになってもうずいぶんと経ちましたが、相変わらず世の中はWindowsが支配的。Linuxをメインに使うのは、一部の好事家か、企業内、大学などの特殊な環境に限られるのが現状です。

 実際のところ、一般の人がPCのOSとしてのLinuxを使う機会というのはほとんどありません。使う必要が無いというのもありますが、そもそも触れる機会が少ないのです。なぜなら、市販のPCでLinuxがプリインストールされているPCは非常に少なく、ほとんどの人がWindowsを前提としてPCを使っているからです。

 しかしながら、産業界においては非常に様々な分野で使われており、エンジニアとして働くならば、何らかの形で関わることになる可能性は非常に高いと言えます。小型機器の組み込み制御に使ったり、サーバーを組んだり・・・汎用性とライセンスの関係で用途は広がっており、Linuxの学習の重要性は増してきているのです。

 Linuxは、ユーザー同士の交流によって今日の発展を遂げました。そのような性質故に、ネット上には大量のドキュメントが転がっており、調べようと思ったならいくらでも資料が見つかります。また、各出版社から関連書籍も山のように発行されており、学習教材には事欠きません。
 とはいえ、「本当の初心者が体系的に学習」しようとしたときに、今の状態が優しいかと言えばそうでもありません。あまりにも情報があふれすぎ、且つ断片的に散らばっているので、どこから手を付けて良いのか難しいのです。もちろん入門用の書籍を入手すると言う手もありますけれど、「時期にあった最適に物」を選び出すのは、また苦労が伴います。

 そこで、Linux技術者認定試験を主催しているLPI-JAPANが非常にスマートな解決策を用意しました。教科書を自前で作成し、クリエイティブ・コモンズライセンスで無料配布を行うことにしたのです。

「Linux標準教科書」開発プロジェクト LPI-JAPAN

このたび、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンは、Linux技術者教育に利用していただくことを目的とした教材、「Linux標準教科書(Ver1.0)」を開発し、インターネット上にて公開し、提供することとなりました。

この「Linux標準教科書」は、多くの教育機関から、Linuxを「基礎」から学習するための教材や学習環境の整備に対するご要望があり、開発したものです。

 ものとしてはPDF形式で配布されており、ダウンロード前に簡単な登録とアンケートへの回答が必要になります。また、製本にも実費にて応じてくれるようで、まるで計ったかのように256ページあるこの教科書を、何十部も印刷するうんざり感はなんとか回避できそうです。

 私も早速ダウンロードしてぱらぱらと読んでみましたが、教科書に恥じることなく読みやすいと感じました。これなら、普通に冊子にして売っても良いんじゃないでしょうか。日経Linuxあたりの別冊で出ないものでしょうかね。

 こういう教材までもがCCで出てきてしまうのはLinuxならではというか・・・これからも随時改訂されていくようですので、学習のとっかかりとして、手軽なドキュメントして、ハードディスクに入れておくのも良いかもしれませんね。


KDDIがとうとうスマートフォンを発表

2008-09-15 23:14:19 | Thinkings

 2007年6月、auがスマートフォンに参入することを発表。あれからすでに1年3ヶ月が経ちました。発表から今までの間に、iPhoneが発売され、W-ZERO3は二回ほどモデルチェンジし、E MOBILEも市場参入。Eee PCを始めとしたネットブックが幅をきかせるようになりました。

 当時とは、がらりと事情が変わってしまったのです。

 ですので、ようやく・・・正にようやくですが、KDDIはauブランドのスマートフォンの投入を決定しました。

 KDDI、HTC製スマートフォン「E30HT」投入──VGAタッチパネルにQWERTYキー搭載 ITmedia

KDDIは9月11日、Windows Mobile 6.1 Professionalを搭載したKDDIとしては初のQWERTYキーボード搭載スマートフォン「E30HT」を発表した。「HTC Touch Pro」ベースの端末で、EV-DO Rev.Aに対応し、2.8インチのVGAタッチパネルを搭載する。

 スマートフォンとしては、ハードウェアキーボード、VGAタッチパネル、それなり以上に速い通信速度など、かなり魅力的。ただ、他のキャリア同様に従来型サービス、つまり、EzWeb系のサービスの使用に関しては使用できない様子です。ezwebのメールがそのまま使用できたり、メールの受信お知らせが使えたりするならば即乗り換えてもよいくらいですが、他社の状況を見るあたり、そのあたりは余り期待できなさそうです。それに、そもそも、

型番に「E」を冠していることからも分かるとおり、法人向けに提供予定

ということで、本来個人向けのサービスであるメールがそのまま移行できるとは考えにくく、そのあたりはまず無理でしょうね。

 iPhone後、スマートフォンを取り巻く事情はずいぶんと変わりました。鳴り物入りで登場したiPhoneの不振により、「やっぱり個人向けにはスマートフォンは売れない」というあきらめ感が漂い始め、各社は戦略をビジネス向けにシフトしました。そういう意味でKDDIの方向性は正しいと思いますが・・・販売時期は2009年春。半年後です。たった数ヶ月でがらりと変わった市場を見ると、半年後というのはちょっと長いかなあ、と言う気がしないでもありませんね。

 今後の市場において、個人向けにこのような端末を売っていこうとするならば、純粋なスマートフォンではなく「スマートフォンっぽい何か」を選択する方が賢いかも知れません。それこそ、ソフトバンクの922SHのような・・・初のスマートフォンが企業向けということで、相変わらず機種変更は待ちになってしまいましたが、今後のauのラインナップに期待します。


日本人は遊びすぎ?

2008-09-14 23:12:55 | Life
 この週末を利用して、金沢~能登の方に旅行に行ってきました。HAMAさん推薦のまいもん寿司という回転寿司店やホテルでの夕食など、海辺だけあって魚介類と、二日目に訪れたのとじま水族館は本当にお勧めですね。

 さて、旅行に結構な金額を使ってしまいましたが、それ以外にもPC周辺機器や本といった、ひっくるめて趣味関連にそれなり以上にお金を使っています。
 ところで、ここに面白いデータがあります。それによりますと、そういう人はどうやら私だけでは無いようで・・・

日本は娯楽にお金をかけすぎキングダム GIZMODO

1位がアメリカなのはまあ納得です。2007年は8810億ドルも使ってるようですね。しかし驚くべきは2位。各国を抑えて堂々の日本ランクイン。

 つまり、日本人は世界で二番目に娯楽にお金を使う国民だということです。つまり、非エンゲル係数が高すぎる人が私以外にもたくさんいるということですね!

 だから安心していいというわけでもないですけれど、娯楽に金がかけられるということは、不況とはいえ豊かであるということは間違いないでしょう。
 いや日本の場合、娯楽関連の産業がすでに後戻りができないくらい肥大化してしまっているとも言えるのではないでしょうか。ある程度成熟してしまった産業を極端に減らすことは、もはやできません。

 今後も、日本においては娯楽にかける金額の割合は高止まりし続けるでしょう。だとしたら、日本の娯楽産業をこれまで以上に輸出していくのがいい方向性ではないでしょうか。たとえば、国のバックアップをより強化していくとか・・・斜陽産業と化している建設業にこれ以上突っ込むよりも、よほどいいお金の使い道だと思うのですが・・・

予言者は言った「地震が来ます」

2008-09-12 19:07:48 | Thinkings

 たまにテレビに出てくる予言者や予知能力者。番組では盛んに「的中率100%」とかそれに近いことを言い、そして災害の予言を残していく。
 まあよくあるパターンですよね。

 で、予言される災害で一番多いのは地震。地震国日本にとって地震とはすぐ隣にある危機でありますし、やはり一番センセーショナルですからね。で、よく分かりませんが、南米の予言者が2008年9月13日午前4時に中国のどこかか東海地方に地震が起きると言っているらしいんです。

 予言なんぞされなくても、日本では毎日地震が起きているわけです。また、この人、世界中の災害を色々と予言していますが、実際のところ的中率90%という訳ではなく、ことごとく外れています。当たった物もありますけれど、台風の通り道になっているところでの台風被害だとか、起きて当たり前の物が多く、非常に疑わしいです。

 身も蓋もない言い方をしますと、ミクロな世界では確率論で全てが動いていますので、未来を正確に予測するなんて事は神様にだって不可能なんです。結局のところ、予言者の人たちはありそうなことを適当に、「たくさんばらまく」ことで当たっているように見せかけているに過ぎません。・・・そもそも、本当に未来が見えるのならば、そんな重大災害だけではなくて、もうちょっと身近なこととか予言すればいいのに・・・例えば、競馬の1日の全レースを全て的中されられるなら、その人は間違いなく本物でしょう。

 まあ、そんなわけで。明日の地震についても私は全く信じていないわけですが、職場のある人がやけにフィーバーしてまして。窓から雲を眺めて「地震雲だ」とのたまってみたり、ことあるごとに心配しているわけです。
 その様子を見ていると、「ああ、例え当たらなくても地震予言は有用かもね」などと思うわけですよ。

 と言いますのは、中部圏の人たちは、それこそ昭和50年代くらいからずっと「東海大震災が来る」と言われ続けており、毎年各学校や自治体規模で地震を想定した避難訓練をやったり、注意喚起を受けているわけです。はっきり言って待ちくたびれました。マンネリですね。
 しかしながら、阪神大震災などの大きな地震を目の当たりにしたり、このような予言を聞いたとき、とたんに地震が身近な物に浮上してくるわけです。普段はゆるみがちな防災意識を引き締めるという点では、まあ悪くないかなあと思います。

 とはいえ、それに踊らされて全財産を使ってしまったり、悲観して自殺してしまったり、徒党を組んで暴動を起こしたりするのは非常に問題。そういう事例が出てくるならば、予言者の連中やそれをまことしやかに放送したテレビ局の責任というのは、きちんと問いただす必要があるのではないかと思います。
 ちなみに、1999年のノストラダムスでは実際にそういう事件が起きたりしたそうです。先日の「LHCでブラックホールができて世界が滅びる」という主張にショックを受けて、自殺してしまったインドの少女なんてのもありましたね・・・

 まあ、そんなことわざわざ言われ無くっても元から信じてないですか?そうですか。
 でも、防災意識についてはちょっとは思い出して上げてください。


LHC始動 ノーベル賞級の発見に期待

2008-09-11 19:46:17 | Science

 9月10日は新しいiPodの発表の日でしたが、人類科学史においてとんでもなく重要な研究施設がその産声を上げました。その名は「Large Hadron Collider」略してLHC、和訳すると「大型ハドロン衝突型加速器」です。その名前の通り、とんでもなく巨大な陽子どうしを正面衝突させるための設備です。

宇宙誕生の謎を探るCERNのLHCプロジェクトがいよいよ始動 ITmedia

 LHCでは、地下100メートルに敷設された周長27キロのトンネル内に巨大な電磁石を並べて設置し、高エネルギーの陽子ビームを加速して光速に近い速度で正面衝突させる。大聖堂のような高さの測定装置でこの衝突の反応を観測する。

 コンピュータが、ビッグバンの「火の玉宇宙」のこのミニバージョンが作られるたびに何が起こるかを記録し、収集された膨大なデータは世界中の約1万人の研究者が分析し、ビッグバン後の宇宙の様子の手掛かりを探る。

 陽子どうしを衝突させていったい何を調べるのかと言いますと、これがなかなか多岐にわたります。しかしながら、どれも物理学的には重要な問題ばかり。

 例を挙げると、物質に質量を与える存在である「ヒッグス粒子」の発見や、現在見つかっている粒子に対する「超対称性粒子」の観測。極小ブラックホールの発生による「余剰次元」の観測などが挙げられています。得られる発見から、「一般相対性理論」と「量子論」を統一する「大統一性理論」構築のヒントが得られる可能性があったりします。まさに世界を変えるかも知れない一大実験施設なんです。

 ところが、この実験施設に否定的な一団が。人類科学史を大きく塗り替えるかも知れないLHCにいったいどんな文句があるんでしょうか。

 彼ら曰く、「ブラックホールができたら地球が飲み込まれて人類は終わりだ」と言うことらしいです。確かに、余剰次元、つまり縦・横・高さ・時間にくわわる何かがある存在するならば、ミクロ的な領域にかかる力がより高くなり、ブラックホールができると言われています。逆に言えば、ブラックホールができるなら余剰次元があるということです。
 ただし、その時にできるブラックホールの質量は「極小」であり、ホーキング放射によって一瞬で蒸発すると考えられています。ですので、極小ブラックホールが安定して存在し続けるということは考えにくく、人類の終わりはやってきそうにありません。

 現代物理学を覆す可能性さえ秘めたLHC。現在はまだ試運転の段階であり、実際に陽子衝突が起こるのは年末あたりとみられています。さらに、そのデータを解析して何らかの成果が出るのは3~4年かかるとか・・・途中経過や断片的な情報はこれからも入ってくると思いますが、何とも結果が待ち遠しいですね。


新しいiPod、新しいiTunes

2008-09-10 19:31:05 | Thinkings

 と言うわけで、現地時間の9月9日、Appleから新しいiPod nanoとtouch、容量が増えたClassic、そしてiTunes 8がお目見えしました。

 iPod + iTunes

 新nanoの話題については、発表前から噂が飛び交っていましたし、流出情報とほぼ同じで驚きませんでしたが、新touchはちょっと意外でしたね。

 まず、筐体の裏側が滑らかなカーブを描くようなデザインに変更され、持った感じがさらに薄くなったとか。また、バッテリー駆動時間が音楽再生22時間から36時間に延長され、一万円値下げ。ソフトウェアの変更点はアップデートで前機種にも提供されます。
 ここまではよくあるマイナーチェンジですけれど、スピーカーとボリュームボタンの追加には本当に驚きました。ハードウェア的に何かを追加するなんて思ってもみませんでしたから、まさかボタンを追加するなんて・・・。しかしながら、前機種を使ってきた身としては、実にツボを突いたバージョンアップだと思います。

 旧touchにはボリュームボタンがついていませんでしたので、ボリュームの調整も当然ソフトウェアから。スリープを解いてプレイヤー画面から操作するか、ホームボタンをダブルクリックで簡易プレイヤーを表示させるしかありませんでした。とっさの操作なんて当然できませんので、いらつくこともしばしばです。
 スピーカーについては、ちょっと動画を見ようと思ったときにわざわざヘッドホンを繋ぐのは非常にめんどうくさいと言うことを常々痛感しておりました。音楽はそういうもんだと割り切れても、動画は何故か別なんです。個人的に。また、他人に見せるときに外付けスピーカーを持ち出すのもおっくうですからね。

 そういった、地味ですが痛い欠点をうまく解決した今回のバージョンアップ。よくリサーチしているなと感心しました。・・・でも、前機種でしばらく頑張ります。

 nanoに関しては、加速度センサーが搭載され、画面が大きくなって薄くなりました。ですが、デザイン的には前の方が好きですね。のっぽすぎてかっこ悪く思えてしまいます。湾曲したスクリーンもちょっと苦手です。ムービーでみると、表示に関しては気にならなそうでしたけれど。とにかく薄くて長いという印象です。
 最初は前の縮んだnanoも違和感がすごかったので、なれればかっこよく見えるのかも知れません。

 やはり、Appleはnanoを売りたいんでしょうね。毎回大きくデザインを変えてきたり、上位機種の機能をいち早く取り込んだり・・・出たときはminiの替わりだったのが、いつも間にやらいいとこ取りのメインストリーム機になってしまいました。
 値段的にも機能的にも隙が無くなっていくiPod nano。次の世代ではどんな形になるんでしょうかね?


任天堂の本気 純正無線LANルータ発売

2008-09-09 19:27:25 | Thinkings

 現在発売されているコンシューマーハードは、全てネットワーク対応になっています。WiiもPS3もXBOX360も、DSもPSPも全部、何かしらのネットワーク接続方法を搭載しており、ネットワークもずいぶんと身近になったものです。

 いくら身近になったとは言っても、いざ使うとなると話は別。テレビと繋いですぐ使えるというわけでもなく、相変わらず設定が面倒な物には替わりありません。有線LANならばまだ話は早いですが、無線となるととたんにハードルがあがります。・・・そりゃあ設定項目が少ない分、PCに比べれば簡単ですけれどね。

 コンシューマー各社としては、できればネットに常時繋いでもらいたいと言うのが本音。ケーブル等の制約が無い無線LANは、設定は面倒でも設置場所に縛られず使えますので、リビングでの使用に最適・・・と言うわけで、Wiiを擁する任天堂は、何ともアグレッシブなアプローチをかけてきました。

 DS後の任天堂は、他の二社と違って家庭内ネットワークワークにまで突っ込んだ販売戦略を行ってきました。例えば、DSの通信機能を使わせるためにPCにUSB接続するアクセスポイントを販売したり、NTT提携してフレッツ光とWiiを絡めたキャンペーンを行ってみたり・・・これらは、ゲーマー以外の誰かにネット接続してもらうために、任天堂が本気で取り組んできた結果ですが、とうとう来るところまで来てしまったみたいですね。

任天堂から純正無線ルータ「Wi-Fiネットワークアダプタ」 engadget

Wiiの常時接続率をなんとしても上げたいらしい任天堂から、純正のWiFiルータ「Wi-Fi ネットワークアダプタ」が発表されました。仕様はWAN側とLAN側それぞれ x1ポート (10BASE-T / 100BASE-TX)、無線は802.11b/g対応。特徴はAOSS対応でWii / DSと簡単に接続できること、WPA-PSK(AES)に対応しないDSのおかげでほかの機器までWEPのみに下げる必要のないマルチセキュリティ、ネットワーク環境を識別してルータモードまたはブリッジモードで使える自動モード切替、そして写真のように非常にコンパクトで軽量(135g)なこと。

 とうとうルータまで自社販売とは・・・。AOSSが使えると言うことは、開発はバッファローのようです。
 5,800円という価格は無線LANルータとしてはかなり安い部類に入りますが、コストを下げるためにかなり思い切った仕様になっています。ただ、色々と切り詰めた結果、CDケース二枚分くらいの大きさになっており、シンプルな筐体と相まってどこにでも置けるデザインとなっています。

 これらから見えてくる想定された使用用途は、やはりリビングやキッチンと言ったライフスペースでの無線LAN接続。具体的には、LANケーブルを這わせたくない場所でのラスト数メートルを置き換える製品でしょう。家ごと無線LANというのは、他社様の普通の製品を使ってもらえばいい。あくまで家庭向けの間口を拡げる製品という位置づけでしょう。

 この値段だと、スポット的に空きができる場所での補助的な使用、他の機器もつながるというメリットを生かして一人暮らしでのメインアクセスポイントにすると言った使い方もできそうです。
 安価なハードウェアで普及促進を図る任天堂の姿勢はおもしろいですね。USBアクセスポイントの時みたいに、IO DATAとかコレガとかから競合製品が出てきたとしても、ある意味任天堂の思惑は成功したことになるのですから。