現在発売されているコンシューマーハードは、全てネットワーク対応になっています。WiiもPS3もXBOX360も、DSもPSPも全部、何かしらのネットワーク接続方法を搭載しており、ネットワークもずいぶんと身近になったものです。
いくら身近になったとは言っても、いざ使うとなると話は別。テレビと繋いですぐ使えるというわけでもなく、相変わらず設定が面倒な物には替わりありません。有線LANならばまだ話は早いですが、無線となるととたんにハードルがあがります。・・・そりゃあ設定項目が少ない分、PCに比べれば簡単ですけれどね。
コンシューマー各社としては、できればネットに常時繋いでもらいたいと言うのが本音。ケーブル等の制約が無い無線LANは、設定は面倒でも設置場所に縛られず使えますので、リビングでの使用に最適・・・と言うわけで、Wiiを擁する任天堂は、何ともアグレッシブなアプローチをかけてきました。
DS後の任天堂は、他の二社と違って家庭内ネットワークワークにまで突っ込んだ販売戦略を行ってきました。例えば、DSの通信機能を使わせるためにPCにUSB接続するアクセスポイントを販売したり、NTT提携してフレッツ光とWiiを絡めたキャンペーンを行ってみたり・・・これらは、ゲーマー以外の誰かにネット接続してもらうために、任天堂が本気で取り組んできた結果ですが、とうとう来るところまで来てしまったみたいですね。
任天堂から純正無線ルータ「Wi-Fiネットワークアダプタ」 engadget
Wiiの常時接続率をなんとしても上げたいらしい任天堂から、純正のWiFiルータ「Wi-Fi ネットワークアダプタ」が発表されました。仕様はWAN側とLAN側それぞれ x1ポート (10BASE-T / 100BASE-TX)、無線は802.11b/g対応。特徴はAOSS対応でWii / DSと簡単に接続できること、WPA-PSK(AES)に対応しないDSのおかげでほかの機器までWEPのみに下げる必要のないマルチセキュリティ、ネットワーク環境を識別してルータモードまたはブリッジモードで使える自動モード切替、そして写真のように非常にコンパクトで軽量(135g)なこと。
とうとうルータまで自社販売とは・・・。AOSSが使えると言うことは、開発はバッファローのようです。
5,800円という価格は無線LANルータとしてはかなり安い部類に入りますが、コストを下げるためにかなり思い切った仕様になっています。ただ、色々と切り詰めた結果、CDケース二枚分くらいの大きさになっており、シンプルな筐体と相まってどこにでも置けるデザインとなっています。
これらから見えてくる想定された使用用途は、やはりリビングやキッチンと言ったライフスペースでの無線LAN接続。具体的には、LANケーブルを這わせたくない場所でのラスト数メートルを置き換える製品でしょう。家ごと無線LANというのは、他社様の普通の製品を使ってもらえばいい。あくまで家庭向けの間口を拡げる製品という位置づけでしょう。
この値段だと、スポット的に空きができる場所での補助的な使用、他の機器もつながるというメリットを生かして一人暮らしでのメインアクセスポイントにすると言った使い方もできそうです。
安価なハードウェアで普及促進を図る任天堂の姿勢はおもしろいですね。USBアクセスポイントの時みたいに、IO DATAとかコレガとかから競合製品が出てきたとしても、ある意味任天堂の思惑は成功したことになるのですから。