非常に縁起の悪い話ですが、あくまで話の枕なので、その点はご留意願います。例えば、家族の誰かが亡くなったとする。その人がごく一般人で合った場合、新聞のお悔やみの欄に名前が載り、厳かに通夜と葬式を行った後、墓石に名前を刻む。リアルな世界ではそこまで。オンラインの世界はもっとあっさりしていて、例えばSNSにアカウントを持っていたり、Twitterで日々つぶやいていたり、あるいはHPやブログを持っていることもあるでしょうが、ある日を境に更新がぱったり途絶えて終わり。通常、そのアカウントを利用できるのは本人だけなんですから。
そう、案外素っ気ないんです。結局最後までパブリックスペースに残るのは墓石のみなんてことは、むしろ普通です。・・・今は、お墓も結構お高いですしね。
そこで、比較的スペースの用意しやすいオンライン上で、遺族が故人のために出来ることは何か?と言う問いに対し、「メモリアルサイト」という答えを用意してきたのが1000Memoriesです。
家族が死んだらオンラインでやることは何?–1000Memoriesにその優れた例を見る TechCrunch
今のわれわれの文化がまだ作り出していないのは、故人をオンラインで記念するやり方だ。人生のある時点以降は、身の回りで亡くなる人が増えてくる。 Googleなどの検索エンジンは、故人を検索するオプションを今後必ず加えるだろう。インターネット上に、生きている人よりも亡くなった人が圧倒的に多くなるのも、時間の問題だ。
-中略-
今日(米国時間7/9)立ち上がる1000Memoriesは、 Y Combinatorが投資している新しいサービスだが、故人の尊厳をオンラインで表現しようとする。
乱暴な言い方をすると、オンライン上の墓標です。私はそれ以上にうまい言い方を知りません。故人の写真、生前のヒストリー、ゲストブック・・・故人を偲ぶために、そして故人の人となりを後に残すためのささやかなサービスです。なるほど、これはすばらしいかも知れません。記憶は日々薄れていくものですからね。
そして、故人がこれを望んでいるかどうか、と言う事に関しては全く筋違いの話でしょう。なぜなら、墓にせよ葬式にせよ、そしてこのサービスにしても、故人のためではなく、遺された者の為にある訳ですからね。
そうは言っても・・・私は、そのようなサイトが残ってくれたら、何となくうれしいと思いますね。なんなら、生前から自分で作っておいて、遺書に公開用のパスワードを残しておくなんて使い方をする人も少なからずいるのでは無いでしょうか。やっぱり、自分が生きてきた痕跡がなんにも無くなってしまうと言うのは悲しいですからね・・・
ただ、残っていると困る痕跡もあるんですよねー。私が突然死んだとき、私の遺族は何も言わずにPCをぶっ壊し、バックアップメディアを一枚残らずへし折ってくれるでしょうか?・・・うーん、どう考えてもまだまだ死ねないですね!