Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

もしかしたら、携帯電話事業はもっともクリアな事業なのかも知れない

2007-11-23 23:59:56 | Thinkings

 「料金プランが分かりにくい」「オプション契約が解約しづらい」「端末の販売形態が多様すぎる」

 このような様々な不満が叫ばれている携帯電話事業ですけれど、実は日本で行われている事業の中でも、もっともクリアでわかりやすいものの一つではないかと思い始めました。

 なんでそんなことを思うかと言いますと、まず各社が使っている「電波帯域」というのが有限にしか存在しないため、事業を始める、拡張するためには他社と競争をしなくてはいけないこと。そして、参入業者が少ないことと社会的注目度が高いため、各社間のカンファレンスや国との討論会の内容が、逐一報告されると言うこと。

 今回報道された2.5GHz帯の事業参入についても、かなり詳細な記事が各ニュースサイトから配信されており、各社の持論が読めるようになっています。

2.5GHz帯事業参入を巡り公開討議,ソフトバンク孫社長がウィルコムとKDDI陣営の排除を主張 ITpro

「誰が日本を世界一ブロードバンドが安くて速い国にしたのか。誰が一番この分野で“毛が抜ける”ほど頑張ったのか。パソコンを使ったブロードバンドのワイヤレス化ということであれば,我々の方が得意である」

 今回がんばっていたのは孫氏ですが、各社のプレゼンや意見にしても、それぞれに納得できる点があり、大変おもしろい内容です。

 以前のモバ研との「SIMロックフリー問題」の一件でもそうでしたけれど、国や各社の思惑が逐一オープンにされています。そのことで、その後に行われた料金プランの変更や方針転換の経緯が分かりやすくなっているのです。

 決めごとを密室で行っておらず、帯域に厳格な制限がかけられている以上、Blu-RayとHD DVDのような完全につぶし合うような規格の乱立も防がれています。(今は問題ない、ってだけですけれど。)さらに、いくら分かり難いとはいえ、各社ごとに特徴のある料金プランと価格を用意しており、自由競争が(小規模ではあるけれど)保たれています。

 こういう状況に持ってこられたのは、私は孫氏の影響が大変強いと思っています。外に向けてのセンセーショナルなパフォーマンスと、会議さえも注目「させられる」言動。しかも、強引な点があるとはいえ、大概は説得力のある意見である事も重要です。
 私はソフトバンクユーザーではないですし、Yahoo!BBも使っていなければ、検索はもっぱらGoogle使っているという関係なさ具合ですけれど、今後も孫氏にはがんばっていただいて、モバイル、ひいては日本の通信事業をオープンな市場にしていっていただきたいですね。・・・そのためにも、ドコモ、auには「ソフトバンクをトップにしない」ようがんばっていただきたいです。



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