Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ネットブックは主役になれるのか

2009-05-26 23:59:59 | Thinkings

 まずはっきりさせておかなければならないのは、モバイルデバイス・・・スマートフォンやネットブックだけですべての作業ができるというのは幻想だと言うこと。少なくとも、今の時点では。しかしながら、「それができる」と主張して、自分で実行することに対しては一向にかまわないと思います。それは全く持って個人の自由であるからですが、それを他人に対して押しつけたりはしない方が良いでしょう。失笑を買うだけです。まあ、逆も又しかりだと思いますけど。

 と言うわけで、結局の所何が言いたいのかと申しますと、日本において17インチのノートブックを常に持ち歩くのは無理がありますし、フルサイズのキーボードと19インチディスプレイのある隣で、iPhone+ZeptPadでプレゼン資料を作る必要も無いだろうと言うこと。適材適所ってやつです。
 そういう観点から、ネットブックは企業には普及しないと切って捨てたのが以下の記事です。

Netbookは企業市場に食い込めるか? ITmedia

 Netbookは会社から客先へ手軽に持ち運べるので、企業に向いていると主張する人もいる。また、企業ユーザーが本当に求めているもの、すなわち、Hewlett-Packard(HP)、Dell、Lenovoの高価格ノートPCに代わる安価な選択肢をNetbookが提供するという人もいる。しかしこれらは、企業の重要なニーズを考慮していない議論だ。コンピュータをオフィスからオフィスへと持ち歩けるかどうかは、企業にとってそれほど重要な関心事ではないのだ。安価というのも確かに重要なポイントだが、それよりも重要なのはその投資の効果だ。

 Netbookに関していえば、投資効果はあまり高くない。

 簡単に主張をまとめると、

・XP Home Editionを搭載している機種がほとんどで、ドメインネットワークに入れない
・非力なのでエンタープライズ向けのシステムを動作させるのは無理がある
・モバイル向けにはスマートフォンがある。メールのやりとりはそれで十分
・サイズが中途半端に小さくて長時間の使用に向かない

と言ったところでしょうか。確かにうなずけるところもありますが、私は企業にネットブックが入り込める余地が無いとは思えないのです。

 確かに、比較的重いエンタープライズツールを使う部署ならば、ネットブックが入り込む余地は全くないでしょう。しかしながら、企業はそのような部署ばかりで構成されているわけではありません。ネット閲覧とグループウェアの使用と軽めの事務作業しか行わない部署だってあるわけです。そういった部署に配置するPCとして、キーピッチが比較的確保されているネットブックをシンクライアント代わりに利用するのはアリだと思うわけですよ。また、機密の関係上、スマートフォンを持ち歩けない企業だっていくらでもあるわけですからね・・・そもそも、日本ではそこまでスマートフォンは普及していませんし。もちろんドメインに入れないのは問題ですが、パブリッシャーがやる気を出せばクリアできること。そうすれば、安価に環境をリプレースできる手段になり得ると思うのですが。

 もっとも、ネットブック登場の余波を受けて、ビジネス向けのノートPCの価格下落は目を見張るものがありますから、今後、価格競争力が無くなったときはこの限りではないわけですが。ただ、クラウドの機運が高まっている今だからこそ、うっかり企業向けの高解像度モデルを用意してしまうパブリッシャーがあらわれたなら、事務用として一定数が普及する余地はあると思いますよ。



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