auのユーザー離れが止まらない。iPhone等々でソフトバンクが台頭してきたこともあり、今や一人負けのKDDIことauブランド。他の二社が革新的な端末を続々と投入しているのに比べ、夏モデルのラインナップも料金プランも、どれもパッとしないという不遇の時期がずっと続いていました。
ただ、auの強みは若者の加入者が多いこと。高校生くらいからの、いわゆるカジュアルユーザーが一番多いのがauであるのは今でも変わりません。その為、auは着うたフルやLISMO、LISMO VIDEOなど若者向けのメディアコンテンツをいち早く採用、模索してきた経緯があります。ただ、音楽だけではなく映像まで売るようになると、携帯の回線ではやはり力不足。また、せっかくLISMOが使えても、CDのリッピングや楽曲の転送にはPCが必要とあって、PCの所有率が低い高校生などの若年層やカジュアルユーザーに対しては訴求力がそがれているという問題がありました。
この課題に対してauが取ったのは、Eee PCを1円で販売することでもWiiやPS3用にソフトを開発することではなく、新たな据え置きハードウェアを提供することでした。
ケータイ専用 アミューズメント・ボックス「au BOX」の提供開始について KDDI プレスリリース
「au BOX」は、テレビを接続するだけで、お手持ちのCDや、au携帯電話でダウンロードしたEZ「着うたフル®」を「au BOX」内蔵スピーカーでお楽しみいただけます。「au BOX」は最新の音響技術「EUPHONY™」を搭載し、サラウンド再生が可能です。また、CDの楽曲を、簡単にau携帯電話やウォークマン®に転送したり、DVDプレーヤーとしてお使いいただくことも可能です。
au BOXは、それ単体でDVD・CDプレイヤーとして使用でき、さらにインターネットの閲覧も行えるというハードウェアです。単体でもメディアセンターとして十分多機能なハードウェアですが、最大の魅力としてPCが無くともLISMO、LISMO VIDEOからブロードバンド経由でコンテンツをダウンロードし、au BOXから携帯に転送したり、そのままテレビで楽しめたりすることにあります。今まで携帯だけでは十分に楽しめなかったauのサービスを補完し、且つテレビと繋げることでプラスアルファを提供できるという、auの製品で久々におもしろいと思えた製品です。
au BOXのレンタル料の月額315円という設定も、着うたフルやLISMO VIDEOのダウンロードを考えればすぐに元が取れる計算(通信ストレスや通信費など総合で)ですし、支払いも通話料にまとめられますので、カードもいりません。
メディアコンテンツに特化すること、専用のハードウェアを用意することで、auがターゲットにしているカジュアルユーザーへの訴求力を高めており、これはauの強みをしっかりと見据えた製品だと言え、au BOXを使うためにキャリアを変えるのもアリなのではないかとさえ思えます。
私はPCユーザーですので確かに魅力が薄いですが、これまで「携帯電話以外のインテリジェンスなハードウェアを用意する」というアプローチは無かったものですから、色々と可能性を感じてしまいます。他社が追従するとはあまり思えませんし、今後、auの大きな強みに成長していくかも知れませんね。
あとそれから・・・先ほども書きましたけれど、セットトップボックスとしてWiiを活用できたらおもしろいのではないか?とも思います。すでにある物を利用するわけですから在庫として持つのはソフトウェアだけですし、テレビとネットに繋げると言うところまで一緒なのですから・・・ソフトバンクあたりがやってくれませんかねえ。