ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

アン・ペリー『見知らぬ顔』

2012年12月25日 | 読んだ本(日本語)
吉澤康子訳、アン・ペリー著『見知らぬ顔』

主人公が病院でいきなり記憶喪失で目覚める。どうやら彼はスコットランドヤードの刑事らしい。生活のため、記憶がないことを隠して職場に復帰する。だが、彼を憎んでいるらしい上司からは、とうてい解決できそうもない、そして解決すれば自身の地位が危なくなるような事件の捜査を担当させられた。主人公モンク(おじさん)が淡い恋心を抱いた女性は人妻だし、その義理の妹はこの時代にあっては有り得ないような気の強い女性で主人公に対してけんか腰だし。なんだかかなりかわいそうな主人公だ(笑)。

舞台はヴィクトリア朝ロンドン。想像力を駆使しなくても、自然と情景が目に浮かび、19世紀半ばのロンドンにタイムスリップできる。

事件の概要は、貴族の三男坊(超美男で性格超よし、評判超よし。傷痍軍人)が無残にも撲殺される、というもの。死んでもなお殴られており、相当の恨みを買っていたものと思われる。だけど、評判ではすこぶる好青年で・・・? どうやら家族間の確執に鍵がありそうだ・・・。というわけで、モンクは部下のエヴァンとともに美しいカントリーハウスを訪ねる。自分探しと同時に真犯人捜しを進める飽きの来ないストーリー。

ひとつ気になったのは、この時代のロンドンのお屋敷に〝押し入れ〟が出てくること。closetの訳語なのかはわからないが、うーん、押し入れって……畳の部屋にあって、ふとんが入ってそうな気がするのはわたしだけでしょうか。

それはさておき、ヴィクトリア朝の雰囲気満載のほどよい緊張感のあるおもしろい本でした。

訳者あとがきにひとつショッキングなお話もあり。

原題はThe face of a Stranger。退院後家に戻ったモンクが、鏡を見ても自分の顔に見覚えがなく、誰だかわからない・・・。『知らない顔』とか『他人の顔』ではなく『見知らぬ顔』というのがしっくりきます!

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