ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

東野圭吾『マスカレード・イブ』

2018年10月26日 | 読んだ本(日本語)
東野圭吾著『マスカレード・イブ』

あの『マスカレード・ホテル』の二人が出会う前の物語、と来たら、読まないわけにはいきません!

こまごまとしたことを。

あるママ友さんのご主人は警察官なのですが、ママ友さんはいつも「だんな、会社やねん」と言うんです。
正確に言えば会社とちゃうのにな~と思ってたら、ありましたよ。
p66に「多くの警察官が自分たちの職場のことを会社という」。
外で話すときに、周りの人に自分たちが警察関係者だって知られたくないから、ということらしい。
なるほどなるほど。

編集者さんが出てくるのですが、編集者の仕事は「動物園の飼育係と同じ」とおっしゃってます(p149)。
「習性を理解して、おだてたりなだめたりしながら付き合っていく必要があります」だって。
じゃあ、私はいったいどんな動物だと思われているんだろ……。でも、そんなことは
ないと思いたい。ま~、なにしろ、その編集者さんがついているような超売れっ子とは違うしね(笑)。

それはさておき、尚美さんの口が悪すぎる~。心の中でつぶやいたセリフが全部、男!?と
思ってしまった。尚美さんは私の中でステキな女性認定されているので、
めんどくせーな、とかはやめてほしいです……ぐすん。周囲にそんな話し方をする女性、いないもん。

『マスカレード・ホテル』では尚美さん、嬉々として違う推理を披露していたような記憶があって、
もうちょっと頼りないイメージでした。でも、『マスカレード・イブ』ではかなり頭が切れています。
いろいろなトラブルをうまく解決しています。新田刑事よりもかっこいい。

新人刑事の新田さんのほうが、上司にだいぶんいじられて……まあ、
『マスカレード・ホテル』の前の物語ですもんね。

どちらかというと、フロントクラークの尚美さん大活躍物語!という感じでしょうか。
同じ女性として、デキル尚美さん、そしてどこかほのぼの交通課の穂積さんを
応援したくなります。

肝心のマスカレード・イブの殺人トリックは、マスカレード・ホテルに通じるものが。

南潔『質屋からすのワケアリ帳簿 シンデレラと死を呼ぶ靴』

2018年10月24日 | 読んだ本(日本語)
南潔著『質屋からすのワケアリ帳簿 シンデレラと死を呼ぶ靴』

裏表紙にあるように、まさに「ダークミステリー」!

「モノをめぐって問題が起こるとき、悪いのはモノではなく人間の方だ」(p281)という言葉に、
質屋の経営者、烏島の性格が凝縮されています。

彼は値段の高いものではなく、人の不幸や欲望に値段を付ける。持ち込まれたワケアリの品を
コレクションしている一風変わった男性です。

今回は遺品整理を頼まれ、売れなかったものを持ち込んだ羽毛鷲(はげわし)さん
から買い取った、片方だけの靴が事件の鍵。

血塗られた靴なわけですが、そこには悲しい恋の想いが絡んでいます。
想いゆえに手を血に染めた人たちがいるのですが、烏島は警察に突き出すのでもなく、
私刑にする。それがなんともダークです。うん、ダークミステリー、言い得て妙。

女性主人公・千里にほのかな恋心を抱く宗介くんががんばるわけですが……
なかなか報われないねぇ。報われることあるのかなぁ。

あ、ちなみに千里はモノに触れたら、そこに宿る人間の記憶を読み取ることができるという
不思議な能力の持ち主です。

P.G. ウッドハウスの原著読みたいなぁ

2018年10月23日 | 日記
おもしろそうな本と聞けば、黙っていませんよ!
さっそくアマゾンでポチッと。『ジーヴズの事件簿―才智縦横の巻』を注文しました。

が、さすが噂の的になっているだけあって、お届け予定は2018年10月30日 - 2018年11月10日ですと!

解説を読むとすごくおもしろそうなので、届くのが楽しみです。

近藤史恵『マカロンはマカロン』

2018年10月22日 | 読んだ本(日本語)
近藤史恵著『マカロンはマカロン』

またまたビストロ・パ・マルに行ってきましたよ!

近藤史恵さんの「ビストロ・パ・マル」シリーズは、あるとってもお世話になった人に
お勧めされて読み始めました。以来、大好きになりました。

私がよく読む、イケメン&逞しい探偵(もしくは刑事)がすんごい難事件を華麗に解決するとか、
被害者(もしくは同業者など)の美貌の女性と駆け引きしたり、恋に落ちたり……なんて
派手な展開はないのですが、お客さまが持ち込む頭を捻ってしまうような謎を、
名シェフであり名探偵(?)でもある無愛想な三舟シェフが解決します。

「え~……」と思うストーリー(今作では『青い果実のタルト』)あり~の、
じ~んと来るストーリー(『ムッシュ・パピヨンに伝言を』)あり~の、
おまけにおいしそうな料理の描写あり~の、のステキな本です。

これだけフレンチの描写が詳しいのは、著者の近藤さんが
1. フレンチが大好き
2. 身近な人にフレンチのシェフがいる
3. リサーチ能力が半端ない
のいずれか(もしくは複数)なのだろうと勝手に想像していますが、ちょっとフレンチが好き、という
程度ではわからないような奥の深さがあります。

近藤史恵さんの作品は「ビストロ・パ・マル」シリーズしか読んだことないのですが、
ほかの作品も読んでみよう。

おもしろいとかすごいとか一言で簡単に感想は言えない、大好きな本です。

編乃肌『花屋「ゆめゆめ」で不思議な花束を』

2018年10月20日 | 読んだ本(日本語)
編乃肌著『花屋「ゆめゆめ」で不思議な花束を』

高校生のとき、乗っていた自転車のチェーンが外れて花屋「ゆめゆめ」に突っ込んでしまった主人公・蕾。
そのとき以来、人の体のドコカにその人の思い入れのある花が咲いているのが見える、という
不思議な能力を得てしまう。

そんな彼女が大学生になってバイトを探しているときに、ゆめゆめでバイト募集のチラシを見つけ、
バイトをすることに。そうして、その能力の助けを得ながら、花屋さんとして成長していく……という
お話です。ざっくり言うと。

さまざまな花や花言葉、エピソードを交えながら、ほのぼのとしたストーリーが展開されます。
フローラル王子こと天然イケメン大学生店員の咲人とのほんのりした関係もよいです。

蕾は咲人の胸に上品な紫色の花が見えるのですが、その理由が最後に明らかになって、
なんかものすごくピュアな気持ちになれました。

読後感は温かな気持ちになれてとってもよいです。
久々にこんな気持ちで読み終えました。

続編も絶対に読む!