ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

殊能将之『ハサミ男』

2020年06月21日 | 読んだ本(日本語)
殊能将之著『ハサミ男』

美少女を絞殺し、研ぎ上げたハサミを首に突き刺すという猟奇連続殺人犯を
マスコミは「ハサミ男」と呼んだ。ハサミ男は三人目の被害者を決めて尾行し、
いざ犯行に及ぼうとしたとき、自分の手口を真似て殺害されたその少女の
遺体を発見した!

いったい誰がなぜ?みたいなところから、ハサミ男は調査を始めます。
んで、警察側の人間の視点も入り交じりつつ、警察の捜査と
ハサミ男の調査が展開していくのだけど。

ハサミ男って!!! タイトルが完全なミスリードだ!
でも、実際にありそう。こんな残虐で力のいりそうな犯罪を起こすのは
男性という先入観を抱いてしまいそう。そして、主人公のしゃべり方がぜんぜん
違和感ないのと、もう一人の遺体発見者の混ぜ込み方がうまくて。

は~、やられたな。まさかまさかのどんでん返しでした。

おもしろかったけど、最後、また殺人の犠牲者を見つけたっぽい
終わりなのが怖い……。

歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』

2020年06月14日 | 読んだ本(日本語)
歌野晶午著『葉桜の季節に君を想うということ』

雨でどこにも行けないので、本ばっかり読んでいます(笑)。
どんでん返しがすごい本だと紹介されて読みました。

っていうか! どんでん返しってそこ!?という驚きの本。

まず出だしが達したときのシーン。それも男性目線で。
ほんとに男性はそんなふうに思ってるの? 女性向け恋愛小説書いてる身としては
ちょっと寂しい……的な出だしで。

まあ、それはおいといて。七歳年下の後輩くんが高校生で来年大学受験って
話をするもんだから、主人公は二十五歳か、意外と若いな、というミスリードを
誘われます。

んで、お金で女性を買いまくるし、『何でもやってやろう屋』といいつつ、
ガードマンやったりパソコン教室の講師をやったりする探偵で。
んー、二十五歳にしてはちょっと……という違和感は常にあったのです。

あ、なんか、主人公の年齢に関するどんでん返し(?)がインパクトありすぎて、
肝心の内容をぜんぜん書いてなかった。

ええと、後輩くんが片想いしている女性から、悪徳商法に騙されて大金を
注ぎ込んだおじいさんが、ようやく騙されていたと気づき、弁護士を雇うぞ!と
なったところでひき逃げにあって殺された。その真相を調べてほしいと依頼される。

その合間に、過去にあった出来事を回想しつつ、悪徳商法の事務所に忍び込み、
調べていって、まあ証拠を掴むという感じなのですが、実際に警察に突き出すところまでは
いかず、恋愛物語的に最後は終わります。

愛した人が実は……的などんでん返しはわりとあると思うけど、年齢の方の
どんでん返しのインパクトが大きいのなんのって。

最後の林語堂の「人生の黄金時代は老いて行く将来にあり、過ぎ去った若年無知の時代にあるにあらず」
という言葉が、この小説の神髄なのかなと思います。

ネタバレですけど、主人公、1951年で二十歳ですって。そう来るか!!!

澤村御影『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』

2020年06月14日 | 読んだ本(日本語)
澤村御影著『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』

ちょっと時間ができて、ずっと読みたかった本がようやく読めました!
『准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき 』の続編です。

小さい頃一ヵ月間行方不明になり、その間の記憶がない高槻准教授。
大きな翼をはぎ取られたように、背中に大きな傷跡が残っている。

一ヵ月の間、何があったのか。
わからないことが怖いから、その理由を探すために怪異現象を研究している高槻。

幼い頃、死者の祭りに参加してしまい、人の嘘を聞き分けることのできる耳を得て
しまった尚哉。それゆえに孤独になり、孤独に生きていこうとするのだけれど、
まあ、変わり者の人なつこい大型犬のような高槻に振り回されつつ、今回は
高槻の過去に触れられたことで、尚哉の気持ちも明るい方向にずいぶん進んだんじゃないかと。

なかなか本物の怪異に巡り会えない二人ですが、短編二件目の「スタジオの幽霊」に
出てきた女優さんは、小さい頃、本当に怪異を経験していたようです。

おもしろかった。個人的には高槻先生の友達の佐々倉刑事が好きです。
頼りない主人公を放っておけない、ぶっきらぼうだけど優しい人。

ね、寝てる……

2020年06月08日 | 日記
この週末に入学式があった学校も多いのでしょうか。
我が家の長男も入学式がありまして、保護者は参加できませんでしたが、
入学式の様子はユーチューブでLIVE配信されました。

父母や義母にアドレスを教えておいたのですが、なぜか義母だけ見ることが
できず……。なんでだろう??

それはさておき、
入学式もいろいろ制限があり、国歌・校歌斉唱せず、
新入生は名前を呼ばれても返事をせず起立するだけ。

そんな制限のあるなか、在校生代表の生徒の言葉がじんわりと心に染みました。
「 When life gives you lemons, make lemonade.」という有名な言葉を引いて、
「レモンには〝うまくいかないこと〟という意味があります。
合宿も遠足も体育祭も中止になったこのようなうまくいかない状況の中、
どうやったらレモネードが作れるかを考えて、新しいアイデアを出し、
時代を切り開いていきましょう」というような、すごくいいことを話してくれました。

んで、その次に校長先生の割と長いお話があったのですが、たまたま長男が映りまして。
そうしたら、椅子の背にもたれてかっくんかっくんしてるんですよ。しっかり目をつぶって。

ね、寝てるやんか……。

そういえば、幼稚園のとき、3.11の後、福島県から避難してきた子がテレビの取材を受けて、
そのとき幼稚園に撮影班が来たのですが、たまたま長男が映りまして。
「わ、映ってるやん!」と思ったら、大きなあくびをくわ~~っと。

待ちに待った入学式でも寝るし。

ほんま、マイペースやな。