新 風のふくままに 

写真付きで日記や趣味を書く。プロフィールを変えました。

燕岳(つばくろだけ)登山2012.7.27~29

2012-07-29 | ハイキング・登山

 

          

                        

 

     

                       

                                      

大分前から、燕岳に登ってみようという方がいらしたので、計画を立てて27日の毎〇アルペン号の夜行バスで出発。新宿からの乗車はできないと言われて竹橋まで行ったのに、なんと新宿に回って人を乗せるという。えーっ!話が違う。もう一度確かめれば良かったけど。電車賃と時間が無駄になってしまった。

竹橋では、中房温泉行のバスは5台。そのほかにたくさんの目的地に向けて、相当の数のバスが並んでいた。ともかくも竹橋から乗り込み、新宿に回った。私は市販の睡眠導入剤(睡眠剤とは違うもの)を飲んだせいか、小型バスの最後尾でリクライニングもない寝にくい座席だったのにもかかわらず、寝てしまった。バスは中央道を走ったらしい。2か所目のトイレ休憩で起きたが間もなくうつらうつらして気がついたら、運転手さんがヒエ平と言っていた。4時前くらいだったと思うが、窓から見たところ、何もない場所。いったいどこに登る登山口なのかしら?2名くらいが下車。今調べたら常念岳に登る登山口らしい。

そこからしばらく林道を走り、見覚えのある穂高のはずれの道を走り、中房へと走って行ったようだが、また寝てしまって、気づいたら有明荘前だった。

 

まだツツジが咲いている。 ギボウシ     ヤマホタルブクロ

      

企画者の方が、有明荘なら荷物の一時預かりと帰りに日帰り入浴できるというので少し前に降車乗車場所を変更しておいた。

6時から入浴セットなどの荷物を預かるというので、それまで庭で体操したりして待つ。お手洗いも借りられて良かった。荷物を預かって頂いて、車道を中房温泉まで歩く。横の川の流れが結構あり、硫黄のにおいが漂っていた。

軽い登りで嫌だなと思ったが、思ったほどのことはなく、15分かからないくらいで温泉前に着いた。大勢の人たちがいて、特にトイレは長蛇の列。良かった、有明荘にしておいて。

  

6:30ごろ登山道の標識に沿って庭を通って行くと、すぐにジグザグの登山道に入った。北アルプス屈指の急登というので、膝の保護のためにストックを出して覚悟して登る。ところどころ、岩とか木の根とか木の梯子などの急なところがあるがそれほど長くは続かない。

既に下りてくる方も途中からはいらして、交互に歩く。上に登るにつれて、渋滞気味になる。

第1ベンチは思ったよりも近かった。ここは水場があるというが、少し下りないとならない。また登るの嫌だなと思ったが皆は美味しい水だというので、私もコップを持って下りて行った。岩の奥からせせらぎが湧き出していて、コップに漉くって頂いた。確かに美味しい。ついでに首に巻くものを濡らして、涼を取った。

日差しはあるが、両側はガスが出ていて、展望はなかった。登山道のところどころに、ギンリョウソウ、ニガナ、シロバナニガナ、ハクサンボウフウ、カラマツソウなどが見られた、一か所、シロバナイチヤクソウが小さな群落を作っていた。

トリアシショウマ  シロバナイチヤクソウ ニガナとシロバナニガナ  ギンリョウソウ

               

第2ベンチまでは思ったよりは近かった。幸い膝は大丈夫。第2ベンチのあたりで、合戦小屋に荷物(スイカなど)を運び上げるケーブルが見えた。先を言っていた仲間の方はごみを下すところに出くわしたそうだ。

                       

第3ベンチに向かう途中で仲間がメガネを置き忘れたと探しに行き、戻ってきたところで、足元からズーンをいう振動を感じた。短い時間だったが地震のようだった。私は立ち止まっていたので感じた訳だが、どこが震源かな?家に戻って調べたら、7時44分に富山東部で地震があり、安曇野と高山が震度1とあった。震源はどうも黒部ダム寄りのあたりらしかった。弱い地震で良かった!

途中ウスユキソウが一つだけ咲いていた。

  

第3ベンチまではやや長い。最初緩いところもあったが、だんだんと露岩も増えてきて急になってきた。しかしフーフー深呼吸しながら歩いて行ったら、ざわざわと人声が聞こえて、第3ベンチにでた。ガスがかかっていて展望はない。多分その分涼しいのだろう。

それから少しまた急な登山道を登ると富士見ベンチに出たが、ガスがかかってまるで展望はなかった。本当に富士山まで見えるのかしらね。

ゴゼンタチバナ      何の花?          イワハゼ          ミヤマカラマツ

      

ツルリンドウの実     ハクサンボウフウ?   カニコウモリ  エンレイソウ

      

ツマトリソウ        ツクバネソウ?

  

あとちょっと頑張れば合戦小屋でスイカが食べられるとそんな話をしながら、また岩の多い登山道を登る。人声がして、合戦小屋が見え、スイカがあるかなと見たら、水で冷やされた大きなスイカが切り分けられて売られていた。

   

私たち女性群は一切れを半分にして頂いた。外側はひんやり、中は少し暖かい感じもしたが、すごく甘くておいしかった。男性群は一切れ(800円)を平らげていた。

            

一休みして、樹木の間の登山道を登ると平らになり、ヒメイワカガミやアオノツガザクラ、コケモモなどが見られだした。ゴゼンタチバナやマイズルソウ、ツマトリソウなども見られた。帰りがけに植物に詳しい方が仲間の方に話しているのを立ち聞きしたら、アオノツガザクラの横に目立たなく咲いていたのが、ヒメイワショウブだそうだ。

ミヤマキンポウゲ     白山フウロ       ヒメイワカガミ    

     

 ミヤマホツツジ               アオノツガザクラ

     

ベニサラサドウダン?  ヤマブキショウマ     

   

その後右側の展望は全くなかったが、斜面には高山植物が増えてきて、ミヤマキンポウゲをはじめとしてハクサンフウロ、シナノキンバイ、ウツボグサ、ウサギギク、そしてチングルマなどが見られた。

チングルマ         スイカズラ?       ハクサンフウロ       クロマメノキの花?

      

合戦沢の頭という三角点のあるところに出た。

  

ところどころ花崗岩の砂礫が滑りやすいところもあったが、やっと霧の合間に燕山荘が浮かび上がった。                   

   

白山シャクナゲ                    ヤマハハコ       シナノキンバイ群落

    

シナノキンバイ

              

    テガタチドリ

                  

                                

まだちょっとかかりそう、と思ったら、そうでもなく、最後の階段状の広い道をフーフー言いながら遅れて登って行ったら、先に着いた人たちが、すごいよ、と呼んでいる。ピッチを上げて山荘前の広場に出たら、眼前に北アルプスの山々が雪渓をいだきながら、くっきりと広がっていた。なんとすっかり晴れ上がっていたのだ。

    

しかし、風があって、雲が刻々と流れ、見えていた槍の穂先は雲に隠れた。右手の方に白い岩峰が迫るのが燕岳のようだ。手前にはテント場があって、赤や黄色のきれいなテントが並んでいた。

宿のすぐ前の草地の斜面に小さな小鳥と言っても雀よりはやや大きい小鳥が戯れていた。ライチョウはあんなに飛ばないよね、と思いながら見ていたが、イワヒバリだったらしい。飛ぶ姿はツバメにも似ていたような気がしたが。

飛びかけたところ?

とにかく、宿に入り宿泊の手続きをする。有明荘に預けた荷物にバスとのセットの情報があったのだが、忘れてしまって、あたふた。幸いマッチングしてもらえたようだ。今日は混みあっているので、狭い敷布団に2人になるとのこと。お盆は避けたけど、夏休みの土日では、やっぱり混雑しますね。寝られるかなー?

通常は3人部屋のカーテンで仕切られた枠に6人だそうで、後から若いご夫婦らしい人がいらした。

荷物を整理し、デイバックに食料とかを入れてストックだけ持ち、燕岳に行こうと思った。私はサブザックを忘れたのでウェストボーチだけ持参。

食料が重いので、広場のテラスのテーブルに割り込んで半分使わせていただく。かんかん照りで暑い。ともかく急いで食料を食べ、天候が変わらないうちに、と頂上を目指すことにした。

花崗岩の白い砂礫地につけられた登山道を歩き出した。ロープを張られた砂礫の斜面のそこここにピンクのコマクサが咲いている。しかし遠くから見ると黒い塊がぽつぽつ置かれているように見えてしまう。近づくとやっとピンクのコマクサだと分かる。

                 

かんかん照りの中を白い岩の間を歩くので、目が痛くなった。サングラスになるメガネを持ってきていたのだが、出すのを忘れてしまった。目が痛い。

コマクサやチシマギキョウ、コバノツメクサ?キンロバイなどの群落を見ながら、イルカ岩、メガネ岩などを通り、山頂へ。急な滑りやすい岩の間を登ったりするが、頂上部は渋滞。

私は写真を撮っていて遅れてしまったので、団体さんの列の間の中央部の階段状の所から頂上に登った。皆に合流して、山頂写真を撮っていただくことができた。

                

山頂は回り込むようになっていて後ろ側に降りると、北燕岳への道に出た。

北燕岳方面

     

 ハクサンシャクナゲ      ミヤマキンバイ                    ウサギギク

      

チシマギキョウ      オンタデ?       タカネツメクサ

  

タカネスミレ(ピンボケ)

  

北燕岳方面(こちらの方が少し危険があるらしい)

北燕岳への道の途中にもコマクサの大群落があると山の先輩にお聞きしていたので、行って見ようと最初は思っていたが、相当の疲労で、遠目に群落は見えたのだが、ここら辺で引き返すことにした。

燕山荘方面

燕岳への道々もなかなか立派な群落があったので十分楽しむことができた。

   

最後に元来た登山道に合流する所はやや滑りやすく急だったので緊張したが、ストックもあったので問題なかった。また行きがけに見逃した花などを見、また深い峡谷が2本も見える景色を楽しみながら山荘に戻った。

  

                              

夕食までの時間は荷物を整理したり横になったりした。4時過ぎたがマッターホルンの演奏があるというのに音が聞こえない。15分過ぎに広場の方に行って見たら何もやっていなかったので、受付の人に聞いたら、もう終わったとのこと。残念!

ついでに宿の近くにもコマクサの群落があるというので、今度は大天井岳の方に繋がる道沿いのコマクサを少し見にいったが、西日が強かった。この道は槍ヶ岳につながる道だ。

                      

               

戻ったら、私は頭痛がひどくなり少し吐き気もしてきたので、横にあった順天堂大学の臨時診療所に駆け込んだ。痛み止めのストックがあまりなかったからだ。軽い高山病なのか、かんかん照りの中を歩いたからか?

若いお医者様(の卵?)が血圧を測ったり体温を測ったり、脈拍を見てくださって、登山状況を聞かれた。写真を撮りながらのゆっくり登山で6時間以上かけてきたので、高山病としても軽いものだと判定された。

それで痛み止めの薬を2回分頂き、初診料と薬代を払ってきたが、夜中も急変したら当直をたたき起こしてくださいと言われた。安心ですね。

食事をしてから薬を飲むように言われたのだが、なんだか気持ち悪くなりそうで、ご飯少しとみそ汁とほうじ茶だけを頂き、薬を飲んだ。そうそう宿のご主人のアルプホルンの演奏とお話があった。

部屋に戻って、横になったらぐっすり眠れたが、ちゃんと布団を敷いて休んでからは、あまりに狭く、人いきれによる暑さと周囲のいびきなども気になって眠れなくなった。廊下などで寝る方法はないかと思ったのだが、寝られそうなスペースはあまり見つからず、かけ布団を取ってしまっても他の人が困りそうだし、とまた部屋に戻った。夜中に出口にサンダルがあるのを見つけて、外に出てみたら、ぼんやり天の川が見えていたが、霧がかかっていて、星はあまり見えなかったので、またすぐに部屋に戻って横になった。その後また頭痛が始まったので、胃はからっぽだろうが、薬を多めの水で飲んで、少しだけ寝られたようだ。

1時半ごろ、寝られない方が外に行って、星がメッチャきれいだよ、と教えてくださった。それでまた私も見に行ったら、本当にたくさんの星がきらめいていた。しばらく見ていたら、流れ星も見えるというので、頭を上げて星空を見上げていたら、てっぺんあたりからキラ―ッと流れ星が光った。一瞬のことで願い事などはできなかったが、その明るさと太さに感動。寒くなってきたので部屋に戻り、眠れないまま朝を迎えた。と思ったが4時だよと起こされたのだから、少しは寝ていたのね。

食事を私は弁当でと思ったが、皆さんは食堂で食べたいということで食堂に並ぶ。朝は並んで順番待ちとなるそうで、私たちが行ったときはすでに最初の回の方が、召し上がっていて、食堂の前の列にならんだ。

割と回転は速く、4時40分くらいに食堂に入って食べだした。食事できるかなと思ったが、ちゃんと食べられてほっとした。食べないで下りるのは大変だろうと思ったので。

食べている間に東の空(食堂の外側のサンルームの向こう)に日が登り始めた。あいにく雲がかかっていたが、雲の隙間から太陽が覗いた。

食べ終わる頃にはすっかり太陽が雲の上に出いていた。それで私は玄関にサンダルがあったので外に出て、写真を写し、槍の穂先のモルゲンロートがまだ見られるかなと思ったが、雲がかかっていた。

    

     モルゲンロートの終わった槍ヶ岳

     

それから部屋に戻り、身支度を整えて、水道になっている沢水は飲めるというのでペットボトルに入れ、下山の準備をした。

帰りのバスは12時過ぎなので、入浴と食事をするためには6時には出ないとと、計算した。登ってくる人たちとの渋滞もありそうだし。

それで6時過ぎに記念写真を撮ってから、下山開始。下山の団体も多く、抜かしていただいたり、若い人たちに追い越されたりしながら、ぐんぐん下りて行った。私は重装備のサポーター姿で下りたおかげで、ひざ痛も大して感じることなく、順調に下りられた。9時半中房温泉に着き、10時くらいに有明荘に着いた。

中房川

 

有明荘

  コナスビ→  

 キオン           クガイソウ         ネジバナ    林の中のジャコウソウ?

       

友人が割引券を頂いたので500円。驚いたのはシャワーも熱い温泉を水で温めて使うようになっていたことと、露天風呂に注がれる樋からのお湯が熱いお湯だったこと。源泉は70度くらいもあるそうだ。

気持よくお風呂に入り、ゆっくり食事をしてバスを待った。旅行会社とバス会社との連携が悪かったらしく、携帯に見知らぬ人から電話が入った。中房温泉で我々を待っていたが来ないので、どこから乗るのかという電話。それで有明荘に変更したことを連絡済だと言ったら、すぐにこちらに向かうとのこと。

宿の方にどこで待っていたら良いかと聞いたら、バス停のところで、と言われて待っていたら、バス会社のバスが通り過ぎて行ったので手を振って止めたら、私たちはに後で来る車だからとスーッと走って行った。

でもすぐに次のバスは来ないので、不安になった。やっと来てくれたら、宿の駐車場の方に停まるというので重いリュックを持ってまた広場の方に戻る。乗車の人たちには、私たちが悪いように思われたみたいだし、ちょっと嫌だった。バスの運行会社へはファックスが入るらしいのだが、入れ違いになったのか?

帰りのバスはリクライニングの使える席で、林道をくねくね下りていく。来るときはまた薄暗かったのと、カーテンで見えなかったし、寝ていたので気づかなかったが、相当の細い道で崖も急峻。スリル満点で私は眠かったがすっかり緊張して目が覚めてしまった。やっとカーブの連続が終わって穂高温泉郷を抜け、次は常念岳からの下山場所のホリデー湯四季の郷というところに回り込んだ。そこは日帰りの天然温泉もあるらしい、きれいな建物があった。

15分休憩と言うので、私たちも立ち寄り、茹でトウモロコシが売られていたので購入。一本150円で良心的。すごく美味しかった。

その後は豊科のインターから中央道に入り、渋滞を避けて大月から上野原まで一般道を通り、何とか7時ごろに新宿に着いた。まだ夏休みの日曜日だから、渋滞しますね。途中の諏訪サービスエリアの暑かったこと。東京も猛暑だったのかな?

でも早めに帰れて良かった。何とか皆無事に三大急登の燕岳から戻れて良かったです。2日連続の晴天は珍しいのだとか。ラッキーでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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