今日は朝7時の甲府行きの中央高速バスを昨晩予約して、出かけた。6時頃はまだかなりの雨音で、親が心配して起きだしてくる始末。天気図から言っても、予報からも、絶対晴れるから大丈夫と言って、パジャマのままうろうろしている方が心配だと、休んでもらった。
間もなく雨音もほとんどしなくなって、出かけるころはほんの小雨に。バスも座席はかなり空いていて、私は女性専用席(50円割り増しだったかな)を予約したが、横の座席は空いていた。
この天気では出かける人も少ないだろうから、中央道も空いているだろうと読んだ通り、渋滞は全くなく、バスは勝沼あたりで高速道をおりたらしく、なんだか見慣れた光景。フルーツラインらしいところを通っていた。ブドウの棚のブドウの葉が黄色や紫に紅葉していて面白い。たまに桃の木だろうか、白い花のように見えたのは紙袋のようだが、もしかしたら、花芽を守るためなのかしら?
間近にブドウ狩りや桃狩りの看板を見ながら進むと、石和のバス停に。石和温泉はどっちかしら?そうそう、このあたりから、西南の方に見える南アルプスに日が当たって、雪のかぶった頂上あたりがしっかり見えた。空の半分以上はまだ曇りだったけど。
山梨学院大前を通ったが、えんじ色の煉瓦張の建物で、なかなかシック。こじんまりとしていて、気持ちがよさそう。少し行ったら、山梨県立大学というのもあるらしかったが、こちらはバスからは見えなかった。
間もなく甲府駅のバスターミナルへ。中央高速バスはトイレ付だったが、狭いので使わなかったが、昇仙峡行のバス停と同じところで、9時10分予定通りについて、9時10分発の昇仙峡行のバスがまだ待機していた。急げば乗れたのだったが、様子を見ているうちに出発してしまった。ネットでは次は50分くらいだったのだが、快速バスというのができて、30分発にあるという。それでお手洗いを聞いて公園の方に行ったら、信玄公の銅像が立っていた。なかなかいかめしい。それから、タリーズコーヒーが近くにあったので、何か軽食買おうかなと入ったが、結構皆値段が張る。一番安いスイートポテトを購入して、バス停へ。空気はひんやりしていた。
バス停で待っていると、みなさん昇仙峡の案内図をお持ちになっている。バスターミナルの案内所にあるのかしらと思って見てみたが置いていなかった。駅でいただいてきたようだが、駅まで行くのも面倒。スイートポテトをほおばって、待つと、グリーンのかわいらしいバスが着いて乗り込んだ。私は一人だから先頭の座席に座った。ご夫婦連れが多い。
甲府からのどかな田園風景と低山の紅葉に見とれていたら、あっという間に昇仙峡入り口に着いた。10時頃だった。私はここから仙娥滝まで歩き、足で登って、パノラマ台くらいまで行って、歩いて金桜神社方面に下山しようと計画していた。
長澤橋からの荒川
遊歩道は平日は車が通る道路だが、土日は歩行者専用になっていて、関係者以外の車は入れないらしい。バスで下りた人たちも歩き出した。入り口付近には土産物屋もあったが、その後はしばらくは何もない。
私も写真を撮りながら歩く。奇岩や楓などの紅葉を見ながら進む。人と離れてしまうと、20日の朝10時ごろに熊の親子が出没したというので、熊鈴をつけた。
ラクダ岩
松茸岩
車道歩きだが、それほど苦にはならない。雨でだいぶ散ってしまっていたが、まだきれいなもみじも残っていて、楽しい。そうそう途中で馬車をみた。どの辺だっただろうか?
だいぶ歩いたところに愛の架け橋というのがあって、茶店もあるが、この橋を渡ると恋人や夫婦には良いらしいが、私には関係ない。橋から渓流がどう見えるかと思って渡った。茶店の下のもみじは黄色くて、きれい。
戻ってしばらく行くと、公園になっていて、東屋があったがもみじの落ち葉ですっかり覆われていた。なかなか風情がある。
その後羅漢寺までのハイキングコース(1キロ)という看板があったので、行って見る。細い登山道は誰もいなくて心細い。熊鈴を思い切り鳴らしながらしばらく登るとお寺が見えてきた。誰もいないみたい。お賽銭を投げて拝み、木造の五百羅漢像のまつられているお堂を除くがガラス越しに見るように書かれていた。それからもみじの葉が落ちた階段を下りて、遊歩道に合流。シダの黄葉が朝日に当たってきれい。
またしばらく渓流と巨岩の対岸を見ながら進むと円柱の白い巨岩が見えてくる。覚円峰というそうだ。その正面あたりには何とかの松島と書かれていて景色が良い。ここも岩やベンチが楓の落ち葉で埋まっていた。茶店が増えて、私は水晶の展示に見入ってしまった。昔祖父とかが買ってきて、飾ってあったのを頂いたが、今はどこかに埋もれている。それで懐かしくて小さな一かけらを買ってしまった。
それから茶店の並ぶあたりは楓の紅葉がきれい。草もちを売っていたので、つい買って食べる。道が細くなって、人が増えて、列を作って岩の下の道をたどる。
何か水が鋭くはねてしぶきがあがっていて、虹が見えている。写真を撮りながら進むと、それが仙娥滝だった。この娥という字は見目麗しいという漢字だった。昨日の雨ですごい水量が流れ落ちている。手前のあたりには、このあたりは天然の岩魚やヤマメが生息していて、禁漁区だそうで大型の魚が見えると書かれていたが、すごい水流と水が濁っていてまったく見えなかったのだが、この滝からの水だったのだ。
滝の手前で写真をとり、階段を上っていくと滝上に出る。茶店が並んでいたが、一番手前のワイン王国では、滝に流れ込むところが見えると書かれていたので、入って行った。ついでにブドウジュースの試飲をさせていただく。ほんの一滴だがおいしい。買って帰りたかったが、重いし、先があるので買わずに失礼した。
しばらく土産物屋さんの間を通って、ロープウェイ乗り場に。すごく並んでいたら、車道から金桜神社の方にでて歩いて登ろうかと思ったが、結構遊歩道歩きで疲れていたし、ロープウェイも朝の天気が良くなかったせいで、比較的に空いていたので、並んだ。片道だけ購入したら、驚かれてしまった。普通の観光客ばかりなのだろう。
ぎゅうづめだったが、ロープウェイの展望もなかなか良くて、雪を頂いた峰とその下に広がる紅葉の山々がきれいだった。後で気づいたがその山は金峰山だったみたい。
ロープウェイ駅の前は広場になっていて、展望も開けている。残念ながら南アルプスの山々は雪を頂いたあたりがすっかり雲に覆われて、見えず、富士山も期待していたが、見えなかった。下の方の低山の山並みは紅葉がきれいなのだが、なかなか写真にうまく撮れなかった。
普通の観光客という感じの親子連れや若者の一団やカップルもパノラマ展望台やその先の弥三郎岳に向かう。ハイキングの本やブログで結構危険だと書かれていたので、心配しながらも皆の後をついて行ったら、何とか私でも登れた。距離的には25分程度なのだが、花崗岩に階段が掘り付けてあったり、階段があったり、鎖もあったり。でも元気な男の子や女の子を登らせる親もいるのには驚いた。まあ、みなさん大丈夫でしたが。
私も三角点まで行ってすぐに戻り、広い方の岩のテラスでおにぎりを一つ食べたが、ゆっくりするのも怖くてそそくさと鎖を伝って下りた。こういうのも慣れですね。下りれるかしら?と思ったが、下りは難なく下りられた。
その後富士山遙拝所に出たが富士山はまったく見えず、うぐいす谷というところからまた周囲の山々を眺めた。若い男性の一団が、崖が怖いねと話しながら、展望を楽しんでいた。
そのまま、下山を始めた。その道は、茶店の物を運ぶ道路だそうで、道幅も広く、緩やかで最初は歩きやすかった。誰もいないかと思ったら一人男性が先行していたので、ちょっとほっとしたが、熊鈴は鳴らしながら歩いたので、その方はうるさく感じたかもしれない。
途中から舗装道路となり、かなり足に響いて、だんだん痛くなってきた。その男性が写真を撮るため車道の向こうにでて私が先行するようになり、また不安に駆られながら、歩いて行った。何しろ全然人がいないので。
長く感じた車道もやっと民家が見え、民家の横に物売りのトラックが止まっていたので、昇仙峡への道を尋ねた。そのあたりに車を停めている人もいるらしかった。昇仙峡への道を分けた先に神社があってその周りの楓もきれいだったが、足が痛いので寄らなかったが、もしかしたら、バスがそちらから出ていたのかもしれない。
物の本には昇仙峡までは徒歩15分程度と書かれていたのだが、とても15分とは思えなかった。先ほどの男性の姿は全くなく、多分そのバス停に向かったのか、あるいは自動車できていたのか?
時々マイカーが通る車道をひたすら歩いて、やっとこさっとこ、昇仙峡の滝上のロープウェイ駅に出たときはほっとした。影絵美術館前の広場にバスが来るというので、橋を渡った。帰りが遅くなるので、美術館には寄らなかった。バス停のベンチで残りのおにぎりとゆで卵を食べた。
遊歩道の途中で見た水晶屋さんの水晶岩石
バスでは熟睡してしまって、下りるときに、あれっ!バスの乗車券がない!寝ぼけ眼で探すが出てこない。しょうがないのでまたお金を払うしかないとお札を出したら、運転手さんが確かに払っていたらお金は要らないからと言ってくださって、助かった。後で思い出したのだが、フリースのポケットに乗車券が入っていた。普段はそこには入れないので、寝ぼけ眼のままでは思い出せなかったのだ。
帰りは中央道が渋滞すると遅くなるので、中央線で帰宅。すぐの電車が出てしまって、次の電車まで30分もある。ちょうどパン屋さんがあったので、コーヒーだけ飲んで、親に3個入りの信玄餅を買って、ホームに。すぐにあずさが来た。さっきなくしたと思った乗車券分を払わずに済んだことだし、奮発して乗り込んだ。八王子まで900円追加。しかし八王子まで50分くらいだから、寝てしまうわけにもいかず、頑張って起きていた。
八王子からは京王線で帰宅。いまだに京王線まで5分くらい歩かないとならないのには驚く。近づけられないのかしらね。
そうそう、滝上の土産物屋の並ぶところで、長野産のマツタケを売っていた。1本売りもしていたので、つい1本買ってしまった。しかしすごく質が良くて、虫もいなくてみずみずしかったので、多分本当に長野産なのだろうと思った。帰ってすぐに蒸し焼きとてんぷらにして親と分けていただいた。
小粒のキウイもどっさり250円だったので買ったがこれはリンゴを一緒にしてしばらく置いておかないと食べられないみたいだった。シイタケなども売っていたが、買う余裕がなかった。
なかなか変化に富んだ面白い一日だった。